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DMM TVで縦型ショートドラマ配信開始。小室哲哉プロデュース作も制作中

配信予定作品で総合プロデューサーを務める小室哲哉氏

DMM.comは動画配信サービス「DMM TV」にて、縦型ショートドラマ「DMMショート」の配信を6月2日から開始した。月額550円のDMMプレミアム会員は追加料金なしで全話を視聴できる。また総合プロデューサーに小室哲哉氏を迎えたオリジナルショートドラマを制作していることも明かされた。

縦型ショートドラマは今後大きく成長する市場だとする

縦型ショートドラマは、スキマ時間にスマートフォンなどで楽しめる3分程度のコンテンツ。Z世代を中心に人気だといい、2029年には世界市場規模が8.8兆円になると予測されているほか、特に人気の高い中国では市場規模が6兆円に到達しているとの報告もあるという。

DMM TVでは、2024年末に縦型ショートドラマへの参入を表明。年間20億円規模の投資を行ない、オリジナルコンテンツの制作ノウハウと、クリエイターとの協業実績を活かして、注目度の高い国内外ヒット作品の制作・配信を目指すとしていた。

DMMショート配信開始時点でのラインナップは、「デパコスBA戦争」や「新人看護師は院長の孫娘!?」といったオリジナル作品「DMMショート オリジナル」や、「ドッペルマリッジ」などの独占配信コンテンツを含めた全19作品。毎週新作を配信予定で、6月の配信予定数は約30作品900話、年間の配信予定数はオリジナル作品40本を含めた約100作品3,000話。

既存の縦型ショートドラマ配信サービスでは、全話を視聴するには追加料金がかかるものがほとんどだが、DMM TVではDMMプレミアム会員なら追加料金不要で全話が視聴可能。同社では「会員100万人以上の国内配信サービスとして初の“ショートドラマ全話見放題”」になるとしている。また非会員でも一定の話数までは無料で視聴できる。

今後は、DMM TVオリジナルのドラマと連動したショートドラマも用意。伊藤英明主演「ドンケツ」のスピンオフ「『ドンケツ』-裏街道ショート-」を12月に、窪塚洋介・亀梨和也W主演ドラマ「外道の歌」のスピンオフ「『外道の歌』-Re:venge Short-」を2026年1月に配信予定。なお、キャストは未定。

DMM.comのCOOで、DMM TV総合プロデューサーを務める村中悠介氏

5月29日に都内で行なった発表会見に登壇したDMM.comのCOOでDMM TVの総合プロデューサーを務める村中悠介氏は、「今後手掛けるオリジナルショートドラマに関しては、これまでオリジナル作品を展開してきた中で培った制作ノウハウと、日本のエンタメ界で活躍する魅力的なクリエイター・キャストとの協業実績、チャレンジングな制作環境を活かしたい」とした。

「ショートドラマの“すぐに見られる”“短尺である”という手軽さと、DMMならではのクオリティをかけ合わせた、今までにないショートドラマをお届けしたいと思っています。DMMショートは『3分のスキマ時間を最高のドラマ体験に』をコンセプトに、一定のクオリティを追求しながら他社プラットフォームにも引けを取らない作品数を提供していきたいと考えています」

「やはり今、“1時間ドラマを観るのもしんどい”という若い世代もいらっしゃいます。ですので、かなり早いテンポで(ドラマを)見せたらどうなるのかは楽しみです」

DMMショート配信にあわせて、アプリもアップデートされる。スマホ向けアプリでは、下段に専用タブが追加され、「自分の興味を軸でアプリ内を探索しやすくなるので、新たなコンテンツとの出会いが広がるのではないか」村中COO)とのこと。

またDMMショート自体はDMM TVに内包されているため、スマホ以外にもブラウザやTVなど、DMM TVに対応した全デバイスで視聴できる。

小室哲哉プロデュース作品制作中。「もう一回バズりたい」楽曲制作に意欲

発表会見では、今後配信を予定しているDMMショート オリジナル作品のひとつに、小室氏が総合プロデューサーとして参加していることも発表された。タイトルは未定。全30話前後で1話3分以内の作品になるという。

会見に登場した小室氏は「総合プロデュースとして好きなようにしてください」とオファーされたことを明かした。

「35年以上、タイアップという映像に音楽をつける仕事をやってきて、(音楽を)ドラマに寄せるということを何十年もやってきました。今回はドラマと一緒にゼロから作るのが良いですね」

「また僕たちがやってきたミュージックビデオやプロモーションビデオというのは、だいたい3分なんです。なので、なんとなく(ショートドラマの)尺感も分かるというのも、興味を惹かれました」

「今日脚本ができたばかり」とのことだったが、発表会見では大まかなストーリーも紹介された。

かつてCMソング界を席巻したものの、今は孤独な日々を送る元作曲家が主人公。彼が偶然出会ったのは、家庭にも社会にも見放されながらも歌い続ける少女だった。彼女の歌声に失われた情熱を呼び起こされた主人公は、彼女の才能を信じ、過酷な地下アイドル業界に飛び込む。

しかし、そこには搾取、ハラスメント、暴力、裏切りが蔓延し、彼女もやがて心を閉ざしていく。そんな中、いじめを受けていた少女や、夢を諦めた元格闘家が加わり、3人組のユニットが結成される。

主人公たちはSNSとライブを武器に地下から這い上がり、音楽の力で自分たちの価値と希望を取り戻していく。「崖っぷちの少女と落ちぶれた大人が“本物の音“を探し求める、再生と逆襲のエンタメ・サクセスストーリー」となる。

小室氏は「“業界の闇”みたいなものはエンタメですが、音楽に関する部分はリアルに行きたいなと思っています」とコメント。また「もう一回くらいバズりたいなという思いがあるので(笑)。ショートドラマからのヒット曲ってまだないんですよね。だから楽曲も作るつもり。音楽があってのドラマですから」と音楽面でも携わっていく意思を明らかにした。