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ソニーの超小型カメラ「RX0」は約8万円で10月発売。1インチセンサー搭載

 ソニーは、1インチセンサーを搭載した超小型カメラ、サイバーショット「DSC-RX0」を10月27日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は8万円前後。昨日ドイツのIFA 2017に合わせて海外発表されているが、国内での発売日と価格、製品の詳細が明らかになった。予約販売は9月6日10時から開始される。

1インチセンサーを搭載した超小型カメラ「DSC-RX0」

 外形寸法59×29.8×40.5mm(幅×奥行き×高さ)と超小型なカメラだが、高級コンパクトカメラのRX100などと同じ、サイバーショットRXシリーズに位置付けられている。同時に「従来ではカバーできなかった新たな撮影領域を切り開くモデル」とされている。重量はバッテリとメディアを含めて110g。背面に1.5型の液晶ディスプレイも備えている。

背面に1.5型ディスプレイを装備
上部に電源ボタンとシャッターボタン
側面にツァイスロゴ

 JPEGやRAWでの静止画撮影が可能なほか、本体で1080/60pの動画撮影も可能。HDMIで映像出力し、外部レコーダと組み合わせる事で4Kの動画撮影もサポートする。4K撮影時のフォーカス合わせとして、MFアシスト機能とピーキング機能を備えるほか、ピクチャープロファイルやS-Log2に対応するなど、プロ向け機能も備えているのが特徴。タイムコード/ユーザービットにも対応し、マルチカメラ撮影で活用できる。

Sony | Cyber-shot | RX0 - Orbit in blue
マルチカメラ撮影で活用できる

 堅牢性と防水性に優れており、アクションカメラに近い使い方として、雨天や水中、海辺など砂埃が多い環境、カメラに衝撃が加わるシーンでも高画質な静止画、動画が撮影できる。ただし、同社のアクションカメラに採用されている空間光学手ブレ補正といった強力な手ブレ補正機能は備えておらず、手ブレ補正機能は電子式も含めて搭載していない。そのため動きながら安定した撮影をするためには、ジンバルなどと組み合わせる必要がある。

 ソニーではこれも踏まえて「アクションカムと商品性が異なる製品だと考えている。RXシリーズの“高画質コンパクト”という立ち位置で、これまでのRXシリーズで培った高画質技術を防水性を備えた超小型ボディに凝縮した製品」と説明している。

Sony | Cyber-shot | RX0 - Behind the scenes of "Orbit in blue"

 防水性能は水深10mまで、落下耐性は2m。200kgf耐荷重テストもクリアしている。さらに別売の防水ハウジング「MPK-HSR1」(9万円)を使うことで、水深100mまで対応できる。本体に三脚穴も装備。

本体に三脚穴を装備
HDMIマイクロ出力、マルチ端子、マイク用入力も装備する

 撮像素子は1インチのExmor RS積層型CMOSで、総画素数は2,100万画素、有効画素数は1,530万画素。アスペクト比は3:2。35mm換算で焦点距離24mm、明るさ4FのツァイスTessar T*レンズを搭載する。光学ズームは備えていない。撮影距離はレンズ先端から約50cm~∞。フォーカスはオートフォーカスのシングルショットAF、プリセットフォーカス、マニュアルフォーカスが利用可能。

内部イメージ

 静止画カメラとして1/32,000秒で被写体が歪みにくいアンチディストーションハイスピードシャッターや、秒間16枚の連写が可能。JPEGに加え、RAW形式でも撮影できる。ISO感度はオートでISO 125~12,800で、マルチショットNRを使った場合は25,600まで設定可能。

 動画撮影モードはXAVC Sで1080/60p/50Mbps、AVCHDで1080/60p/28Mbps、MP4で1080/60p/50Mbpsなどが選択可能。最大960fpsでのスローモーション撮影にも対応する。この場合、解像度は1,136×384ドット(画質優先モード時)、800×270ドット(撮影時間優先モード時)となり、音声は記録されない。480fps、240fpsでの撮影も可能。画質優先モードで240fpsを選択した場合は、フルHD相当の画質で記録可能。

 動画撮影時のISO感度は125~12,800相当。記録メディアはmicroSDXCとメモリースティックマイクロに対応したマルチスロットを装備。映像処理エンジンは「BIONZ X」を採用している。

メニューのデザインや雰囲気はまさにRXシリーズだ

 さらにHDMIマイクロ出力端子も装備。3,840×2,160の4K映像やフルHDで映像が出力でき、外部レコーダと組み合わせて4K録画が可能。画素加算無しの全画素読み出しにより、ジャギーやモアレを抑えた高画質収録ができるという。レックコントロールやピクチャープロファイル、S-Log2にも対応する。マルチ端子に加え、外部マイクを接続できるステレオミニ音声入力も備えている。

 モバイル機器向けのアプリ「PlayMemories Mobile」と連携でき、1台のスマホから最大5台までのカメラをコントロールできる。2018年1月のファームウェアアップデートにより、アクセスポイントを活用してより多くの台数のカメラをスマホから制御可能になる予定。

 さらに2018年1月に発売予定の別売有線カメラコントロールボックスとパソコンをLANで接続する事で、無線より低遅延で、高度な複数台カメラ同期が可能になる予定。ボックスを追加していく事で、カメラ台数を増やしていける。

 これとは別に、別売の電波式ワイヤレスコマンダー「FA-WRC1M」を使い、最大15台でのリモートレリーズ撮影も可能。多数のカメラを活用する事で、例えば被写体の周囲を取り囲んだカメラで順に連続、もしくは同時撮影する「バレットタイム」(タイムスライス)撮影も可能。小型筐体を活かし、フラフープにカメラを取り付けたり、ボールの中に組み込むといった使い方もできる。

マルチカメラを使った撮影イメージ

 別売のアクセサリとして、上下左右の4面に合計35個の1/4インチネジ穴を配置したケージ「VCT-CGR1」(25,000円)、水深約100mまで対応し、55mm径の汎用フィルタや水中ビデオライトが装着できる防水ハウジング「MPK-HSR1」(9万円)、30.5mm径の汎用フィルタを取り付けるためのフィルターアダプタ「VFA-305R1」(15,000円)、破損などに備えたスペアレンズプロテクタ「VF-SPR1」(10,000円)、HDMIやマイクロUSBケーブルの脱落を防止するケーブルプロテクタ「CPT-R1」(4,000円)なども用意する。

別売の防水ハウジング「MPK-HSR1」に入れたところ
拡張性にも優れている

 バッテリは、タイプJの新バッテリ「NP-BJ1」を採用。満充電で約60分の連続動画撮影と、約240枚の静止画撮影が可能。このバッテリは4,000円で単品販売もする。また、このバッテリと、バッテリを収納してUSBで充電するためのチャージャーをセットにしたキット「ACC-TRDCJ」(5,000円)も用意。カメラ本体でもUSB充電は可能。

 アクセサRの発売日は本体と同時だが、フィルターアダプターキット「VFA-305R1」のみ12月発売となる。

バッテリは、タイプJの新バッテリ「NP-BJ1」
バッテリを収納してUSBで充電するためのチャージャーをセットにしたキット「ACC-TRDCJ」
上下左右の4面に合計35個の1/4インチネジ穴を配置したケージ「VCT-CGR1」
ケーブルプロテクタ「CPT-R1」
破損などに備えたスペアレンズプロテクタ「VF-SPR1」