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B&O、4K有機ELテレビ「BEOVISION ECLIPSE」11月末発売。2,100Wアンプ内蔵スピーカーも

 Bang & Olufsen(B&O)は、高音質スピーカーを備えた4K/HDR対応有機ELテレビ「BEOVISION ECLIPSE」と、フロア型スピーカー「BEOLAB 50」を国内で発表した。「BEOVISION ECLIPSE」は11月末発売で、価格は55型が171万3,000円~、65型が226万9,000円~(オプションによって異なる)。「BEOLAB 50」は475万円(ペア)で、9月9日から販売を開始している。

BEOVISION ECLIPSEと、BEOLAB 50

 いずれも「IFA 2017」でグローバル発表していた製品で、日本での発売日や価格などを明らかにした。また、同社の製品に込めたメッセージを、デンマーク本社の担当者らが語った。

BEOLAB 50

音が良い有機ELテレビ「BEOVISION ECLIPSE」

 「BEOVISION ECLIPSE」は、B&Oが提携しているLGのテレビ技術と、B&Oのスピーカーを組み合わせ、“高音質の有機ELテレビ”として製品化したモデル。55型と65型を用意し、4K/HDR対応パネルと総合出力450Wの3chスピーカーを備える。HDRはHDR 10やDolby Visionに対応する。チューナは地上/BS/110度CSデジタル×各2で、USB HDDへの録画も可能。

 製品名の由来については「(LGとB&Oが持つ)2つの優れたものが1つになることでより素晴らしい、美しいものが生まれるという意味から、Eclipse(日食)という名を付けた」と説明している。

BEOVISION ECLIPSE

 テレビ下側に、フラットなバー型スピーカーを装備して音質を強化。スピーカーユニットは1インチツイータ×1、2.5インチフルレンジ×2、4インチのミッドレンジ/ウーファ×3を搭載。パワーアンプはセンターツイータ用が50W×1、フルレンジ用が50W×2、ミッドレンジ/ウーファ用が100W×3。

スピーカー部

 本体はアルミボディ。専用スタンドにより画面が左右に90度スイーベルするほか、スタンド部の回転機構によって支柱の部分が可動するため、画面を前にせり出すことでより画面の近くで視聴できるのも特徴。壁掛け用に、60度のスイーベルも可能なブラケットも用意する。スピーカー部に、オプションで5色のファブリック素材のカバーを用意。デザインを変えて楽しめる。

可動スタンドで画面がせり出すしくみ
画面が左右にスイーベル

 AirPlayやBluetoothのほか、Chromecast built-in、DLNAにも対応し、スマホからの操作で対応する音楽配信サービスなどを聴くことも可能。

 webOS 3.5搭載で、スマートテレビ機能を利用できる。対応する映像配信サービスは、NetflixやAmazon Prime Video、DAZN、TSUTAYA TVなど。音楽はSpotifyやTuneInなどに対応する。

映像配信などの対応サービス

 HDMIはスピーカー部に4系統、ディスプレイ部に4系統装備。本体のみの外形寸法と重量は、55型が139×12.2×99.5cm(幅×奥行き×高さ)、33.1kg、65型は161.1×12.2×111.8cm(同)、41.8kg。フロアスタンドの重量は25.2kg、壁掛け用のブラケットは8kg。

背面
リモコン

2,100Wアンプ内蔵スピーカー「BEOLAB 50」は、スイートスポットのカスタマイズも

 1台に7基のユニットと2,100Wのアンプを備えるフロア型スピーカーで、USB/光/同軸デジタル入力と、アナログ(RCA)入力を装備。プレーヤーなどからデジタル入力し、スピーカー本体でDA変換、ICEpowerアンプで増幅して聴ける。

BEOLAB 50

 BGMとして複数人で音楽を流すことも想定し、ツイータ部のウェーブガイドが電動で開閉する「Acoustic Lens Technology」を搭載。リスニング向けの「ナローモード」に加え、スイートスポットを広げて部屋のどこにても聴きやすくする「ワイドモード」を用意する。

ワイドモード
ナローモード

 ユニットは3/4インチ Acousitc Lensツイータ×1、4インチ ミッドレンジ×3、10インチウーファ×3で、ウーファは前面と左右背面に各1基配置。背面のユニットは、正面のスピーカーから出る音からの反射音部分を、逆位相の信号で打ち消すことにより、音の濁りを防ぎ、よりストレートにリスナーへ届くようにするという。

ユニット構成
背面のユニットで余分な反響をキャンセルして音の濁りを抑制(下)

 部屋の音響特性をマイクで測定し、リスニングポジションに最適化する「Active Room Compensation」も搭載。中央のスイートスポットで楽しんだり、ソファに座っている複数の人で同じように楽しむなど、リスナーの位置に合わせて選べる補正フィルタを用意する。

Active Room Compensation

 内蔵するICEpowerデジタルアンプの出力はツイータ用が300W×1、ミッドレンジとウーファが各300W×3。合計2,100Wとなる。

 入力はUSBと光/同軸デジタルを搭載。USBと同軸デジタルは192kHz/24bit、光デジタルは96kHz/24bitに対応。ワイヤレススピーカーのWiSA規格にも対応し、同社のWiSA対応製品をリアスピーカーにすることで、最大8台のスピーカーを使ったワイヤレスサラウンドを実現可能としている(サブウーファの超低域はBEOLAB 50のウーファ部が受け持つ)。

 各スピーカーはコンセントに直接挿して給電。左右の接続はLANケーブル(カテゴリ7)で接続する。

 スマートフォン用アプリとの連携にも対応。マルチルーム再生や、リスニング設定のプリセット作成/選択などがスマホから行なえる。

背面
アプリで操作可能
下部の入力端子など

高機能だが「テクノロジーより人を優先」

 Bang & Olfsenのエクスパンションマーケットマネージングディレクターを務めるニールス・モラー・ニールセン氏は、90年の歴史を持つ同社の「ハイクオリティ、デザイン、サウンド」へのこだわりを説明。現在100カ国以上で展開している同社だが、「日本は重要な市場で、大きな可能性がある」とし、新モデルのBEOVISION ECLIPSEと、BEOLAB 50への自信と期待を示した。

Bang & Olfsen エクスパンションマーケットマネージングディレクターのニールス・モラー・ニールセン氏

 バング&オルフセン ジャパンの岩永真社長は、同社のプロダクト&サポートマネージャーを務める橋本隆俊氏とともに、B&Oの歴史と、新モデルの特徴について説明。1926年に、当時画期的だった「壁コンセントに挿して動くラジオ」でB&Oが有名になったことや、キャスターやハンドルがついた“ポータブルテレビ”の「Beovision Horisont」などを振り返り、こうした独自の取り組みが今のものづくりにも受け継がれていることを紹介した。

バング&オルフセン ジャパンの岩永真社長

 今回の新モデルは、有機ELや、室内音響の最適化機能など、最新のテクノロジーを採り入れているのが特徴である一方で、デザイン性の高さや、静かに可動するスタンドなど独自のアプローチが、企業理念である「体験を通じて人々の心を動かす」ことに通じている点に触れ、「テクノロジーより人が優先。ものを持つことより、その人にあったもの、過ごし方にフィットするもの、過ごす時間が豊かになるもの」として新製品を提案した。

岩永真社長(左)と、プロダクト&サポートマネージャーを務める橋本隆俊氏(右)。後ろに映っているのは壁コンセントに対応した1962年のラジオ
キャスターやハンドルが付いたテレビ「Beovision Horisont」