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壁掛けアンプやスピーカーを自由に組み合わせて音楽再生。B&O「BeoSound Shape」
2017年7月7日 16:17
バング&オルフセン ジャパン(Bang & Olufsen)は、六角形の壁掛けユニットを複数組み合わせて好きなデザインで音楽を聴けるオーディオシステム「BeoSound Shape」を8月末に発売する。価格は、プレーヤーの「BeoSound Core」が11万円、アンプが21万9,000円、スピーカーが6万9,000円(ペア)、ダンパーが11,000円。1つのプレーヤーとアンプで4台のスピーカーまで駆動でき、スピーカーの最大構成は44台。受注生産のため、納品までは数カ月を要するという。
スイートスポットのない、フリースタイルのオーディオ
アンプ部とスピーカー部がそれぞれ六角形の“タイル型”のモジュールとなっており、複数を組み合わせて様々なデザインで壁掛けのオーディオシステムを構成し、スマートフォン内や音楽配信サービスなどの曲を再生できる製品。
コンポの構成や配置は購入時に販売店で決定し、そのレイアウトや配置に合わせて音質設定された形で販売される。施工はインストーラが行なう。プレーヤーやアンプ、スピーカーだけでなく、室内の不要な反響を抑えるダンパーも用意し、音響を調整できる。
カバー部分のカラーは10種類用意。Black、Brazilian Clay、Infantry Green、Parisian Night Blue、Purple Heart、Wild Dove Greyの価格は各11,000円、Brown by Kvadrat、Moss Green by Kvadrat、Pink by Kvadrat、Dark Blue by Kvadratは各22,000円。
アンプ出力は80Wで、クラスDアンプを搭載。1台のアンプにつき4台のスピーカー出力ができ、1つのシステムにつきアンプは11台まで、スピーカーは44個まで接続可能。
一般的なステレオスピーカーのように、ステレオ感が最も得られる「スイートスポット」となる場所を設定せず、リビングなどで音楽が生活に溶け込むスタイルを想定。どの場所にいても聴こえ方に大きな違いが出ないようにした「フリーリスニングポジション」で設計。接続するスピーカーの数に合わせて、各スピーカーが受け持つ音の帯域をあらかじめ調整した上で出荷される。例えば8スピーカー構成の場合は、2ペア(4台)が高域+中域用、2ペア(4台)が低域用となる。6スピーカーの場合はフルレンジで鳴らす形に設定される。
購入前に、B&Oのサイト上で様々な構成をシミュレーションできるページも用意。カバーの色や個数を選んで画面上でプレビューでき、その場合の価格も確認可能となる予定。
カバーを含むタイル1つあたりの外形寸法は364×117×320mm(幅×奥行き×高さ)、重量はアンプが2kg、スピーカーが1.9kg、ダンパーが0.51kgで、それぞれのカバーは0.4kg。プレーヤー(Core)は151.8×44.2mm(直径×高さ)で、重量は290g。
プレーヤー部は、無線LAN(IEEE 802.11a/b/g/n/ac、2.4GHz/5GHz)とBluetooth 4.1でワイヤレス再生可能。Chromecast built-inや、AirPlay、DLNA(レンダラー)、Spotify Connectなどに対応。インターネットラジオのTuneInやDeezerにも対応する。3.5mmの光デジタル/アナログ兼用端子も装備。コントロールやソフトウェアアップデートなどに使えるUSBも備える。
再生対応フォーマットはMP3、WMA、AAC、ALAC(Apple Lossless)、FLAC、WAV、AIFF。WAVなどの192kHz/24bit再生にも対応する。
スピーカーは、1台に5 1/4インチのウーファと、3/4インチのツイータを搭載。アンプやプレーヤーなどの各タイルと隣り合わせに装着し、専用端子で接続する。
壁掛けには専用のブラケットを使用。スピーカーの配置に応じて音の出し方が設定済みのため、設置後は位置を変更しないことを推奨している。カバーは設置後も他のデザインに付け替えられる。
アンプはAC電源で動作し、施工時に壁から直接ケーブル引く形などで、外からはケーブルが見えない形となる。ダンパー用のタイルから内部のダンパー素材を取り除くことで電源ケーブルを隠す「空タイル」としても利用できる。プレーヤーはUSB Type-Cから給電。
BluetoothやDLNA/AirPlayなどのスピーカーとして操作できるほか、Bang & Olfsenアプリまたは別売のEssence Remoteからのコントロールにも対応。Essence Remoteは、1つのシステムに最大5台まで接続できる。
「壁に音楽バンド」を。デザインは“雪の結晶”から着想
BeoSound Shapeは、ミラノサローネ期間中にグローバルで発表され、ユニークなコンセプトなどで注目を集めた。バング&オルフセン ジャパンの岩永真社長は、1925年に登場し、B&O最初のヒットとなった壁コンセント対応のラジオ「The eliminator」や、6連のCDプレーヤーでデザイン性の高さで知られる1996年のCDプレーヤー「BeoSound 9000」などを振り返り、「これまで、人々の様々な問題を解決する製品を生み出し、プライドと情熱を持ってものづくりをしている。様々な問題を大切な人と過ごす時間や空間は、より良いものでなければならない。音楽だけでなくノイズも一緒にある室内空間の中で、最適な音響を実現するプロダクト」としてBeoSound Shapeを紹介した。
デンマークから来日したB&Oのサウンド&オーディオ部門シニアビジネスマネージャーのペトロス・ベリンパサキス氏は、「BeoSound Shapeは壁掛けできる音楽バンド」として、スマートフォンの音楽をBluetooth再生するデモをしながら、部屋のどこで聴いてもリッチな音で聴けることを紹介した。
また、同社の開発姿勢について「音楽の聴き方が多様化し、音楽を持ち運んで聴いたり、パーティーで流すなど、人によって様々。B&Oは、テクノロジーに人を向き合わせるのではなく、テクノロジーは人の相棒であり、リビングスペースとテクノロジーのバランスが重要」とし、BeoSound Shapeでは、アコースティックダンパーの活用で、音楽を流していない時のアコースティックな音響調整も可能なことを一つの特徴として紹介。「音だけでなく静寂さも最適化する」とした。
デザイナーのオイヴィン・スロット氏は、BeoSound Shapeの独特な六角形デザインを、雪の結晶の形から発想したことを紹介し、「我々は雪の結晶を提供する。雪景色をどのように作るかはあなた次第」とした。