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自由に動ける6DoF VRヘッドセット「Oculus Quest」。399ドルで来春発売

9月26日(現地時間)、Oculusは年次開発者会議「Oculus Connect 5」を開催、初日基調講演にて、新VR用ヘッドセット「Oculus Quest」を発表した。発売は来春。本体にはヘッドマウント・ディスプレイの他、専用設計のハンドコントローラー「Oculus Touch」が付属する。価格は、内蔵ストレージが64GBのモデルで399ドルを予定しており、ストレージ容量によって変わる。販売地域などは未定。日本での発売予定・価格についても、同様に未定となっている。

Oculus Quest
Oculus Connect 5

Oculus Questはこれまで「Santa Cruz」と呼ばれていたもので、今回正式に発表された。

ハンドコントローラと6DoFに対応

基調講演にて、Facebook(Oculusの親会社)のマーク・ザッカーバーグCEOは、「我々はVRを10億人に使ってもらうことを目標にしているが、まだ数%にしか到達していない」と語った。理由は、適切なデバイスが出ていないことだ。彼が語る条件は、「スタンドアローンであること」「手の動きを取り込めること」、そして「6DoF(自由に動ける)こと」だ。この3つを実現した製品はないが、今回発表された「Oculus Quest」はそれにあたる。

マーク・ザッカーバーグCEO
VRを10億人につかってもらう

Oculus Questは、本体にPCをつなぐ必要がなく、スタンドアローンで動作する。スペックは公表されていないが、バッテリーで動作することから、PCほどのパワーはなく、モバイル系のプラットフォームに近いと思われる。

センサーは、外部に機器を置かずに周囲を認識する「インサイド・アウト」方式を採用、4つの広角カメラで広い領域をカバーし、複数の部屋をまたぐような場所でも、動きながらVR体験が可能になる。Oculus Goは自分の方向だけを把握する「3DoF」だったが、Oculus Questは、「Oculus Rift」などのハイエンドVRヘッドセットと同等、自分の方向に加え、高さや位置も把握できる「6DoF」対応になる。この点が最大の違いだ。

Oculus Questの特徴
6DoF対応のスタンドアロン型

また、インサイド・アウト方式のセンサーを使い、ハンドコントローラーの認識も行なう。ハンドコントローラー「Oculus Touch」は、Oculus Rift向けのハンドコントローラー「Oculus Touch」と同じ機能をもっている。センサーの仕組みは異なるものの、全く同じ名称であり、Oculus Rift用Oculus Touch向けに開発されたアプリケーションがそのまま実現できる、とされている。

Oculus Touch

ディスプレイやレンズなどの光学系は、すでに発売済みのOclus Goと同じであり、ディスプレイは1,600×1,440ドットのものが使われている。ただし、調節機能は向上しており、より見やすくなっているという。オーディオもOculus Goと同じく内蔵で、ヘッドホンを別途用意する必要はない。品質はOculus Goのものより向上している、とされている。

Oculus Quest

Go/Quest/Riftで「第一世代ラインナップ」が完成

これにより、Oculusには「Oculus Go」「Oculus Quest」「Oculus Rift」の3プラットフォームが揃ったことになる。ザッカーバーグCEOは、「我々の第一世代のラインナップが揃った」とコメントした。開発とエッジな人々の用途にはRiftを提供し、動画だけなどの安価な体験はGoを提供する。そして、Riftで開発されたソフトウエアをマスに広げるための武器がQuest、ということになる。そのため、今後はプラットフォームの一貫性を重視し、Riftとの互換性を高めていく方針だという。

Occlusシリーズ

なお、基調講演にて、Oculus Go向けに「YouTube VR」アプリが登場することも公表された。こちらは近日中の公開となる予定だ。

Oculus GoにようやくYouTube VRアプリが登場。近日公開予定

基調講演の詳細とOculus Quest実機ハンズオンについては、別途記事を予定している。