「エコポイント」は薄型TV市場を刺激。大型化の促進も

-GfK予測。地デジ対応TVの普及率も上昇へ


統一省エネラベル星別 販売台数シェア。出展:GfK

4月27日発表


 ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン株式会社(GfK)は27日、「エコポイント」の対象になる地上デジタル対応薄型テレビなど家電製品「グリーン家電」の家電量販店店頭における販売動向を発表した。

 グリーン家電とは、製品の省エネ性能を示す「統一省エネラベル」で星印4つ以上を取得している「地上デジタル放送対応薄型テレビ」と「エアコン」、「冷蔵庫」。4月21日に環境省や経済産業省などが発表した通り、これらの製品を購入すると、様々な商品/サービスと交換可能な「エコポイント」が付与される。実施は5月15日以降となっており、エコポイントの付与率については調整中だが、地デジテレビで価格の10%程度、エアコンや冷蔵庫で5%程度に設定する予定だとしている。

 GfKの調査によると、地デジ対応薄型テレビは市場の9割以上が5つ星の製品で占められており、ほぼエコポイントの対象になるという。そのため、実質的な値下げとなり、市場を大きく刺激すると予想している。

地デジ対応薄型テレビ(5つ星)の平均価格。出展:GfK

 また、ポイントの付与率が10%程度の設定になると、値ごろ感の高まりによる需要喚起が期待されるとともに、より大型のテレビを購入する需要も見込まれると予想。例えば、37型の平均価格が約145,000円に対し、40型は149,000円で、ポイント付与分でサイズアップ分の価格差を埋めることができる。また42型の平均価格は175,000円で、ポイント分17,500円を考慮すると、40型から42型へのサイズアップも考えられるという。

 地デジ対応薄型テレビの分野は、年初からの成長率が31%と高い成長率を維持しており、今回の政策導入で、成長が加速するとともに、地デジ対応TVの普及率上昇が期待されるとしている。

 そのほかのグリーン家電である「冷蔵庫」も、4つ星以上の製品が市場の大勢を占めており、多くの製品がポイント付与の対象となる。しかし3つ星モデルと4つ星モデルの価格差を考えた場合、付与率5%の設定で、対象/非対象の価格差を埋められないため、「総合的な“お得感”の訴求が必要になってくる」と分析。

 「エアコン」は市場における4つ星製品のシェアが約半数にとどまっており、また評価基準の改定も予定されていることから対象製品が減少する可能性があるという。こちらも付与率5%の設定がどの程度まで影響するかは不透明だとしている。

冷蔵庫(省エネラベル星別/400リットル以上)の平均価格。出展:GfKエアコン(省エネラベル星別)の平均価格。出展:GfK

(2009年 4月 28日)

[AV Watch編集部 大類洋輔]