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約2億円YG ACOUSTICS「TITAN」、ソナス「Amati Supreme」など弩級スピーカー集結、TIAS開幕
2025年10月17日 18:02
「2025 東京インターナショナルオーディオショウ(TIAS)」が17日に東京国際フォーラムで開幕。会期は19日までの3日間。入場料は無料だが、事前登録制になっている。ここではアッカ、ノア、TADLなどのブースをレポートする。
アッカ
アッカブースの注目は、YG ACOUSTICSの新たな最上位スピーカー、アルティメット・シリーズ「TITAN」(タイタン)だが、高さ2メートルを超える非常に巨大なスピーカーで、設営・セッティングに時間がかかるため、初日はメディアや関係者限定の公開となった。18日、19日は通常通り午前10時よりオープンするため、土曜日からはTITANのサウンドを体験できる。
このTITANは、3つのバージョンがある。「Passive」(フル・パッシブ仕様)と、「Active Sub」(サブウーファーのみアクティブ)、「Live」(フルアクティブ+DSPコントローラー)。今回のイベントに登場したのは、Active Subタイプ。
税別の予価は、Passiveが175,000,000円、Active Subが180,000,000円、Liveが198,000,000円という超弩級スピーカーだ。
3年以上に及ぶ開発期間を経て誕生。YG Acoustics史上最も野心的なスピーカーであり、今後の同社の方向性を示すモデルとしても位置付けられている。
カスタム設計のサブ・バスドライバーをベースに、精密に配置された7基のドライバーによる対称アレイを搭載。BilletCore 15cmミッドレンジ、18cmミッドバス、26cmバスドライバーの各ドライバーは、革新的なハイブリッドツイーター「Lattice・tweeter」の上下に一対ずつ配置されている。
各ドライバーは広範な周波数帯域において隣接ドライバーと厳密に位相調整され、音の明瞭さ、リアルな音像定位、柔軟なリスニングエリアを実現。仮想同軸的なスピーカーだが、中央のツイーターの周囲が、瞳のような横長のホーン形状になっており、横方向の指向性を広げる工夫だという。
クロスオーバー・ネットワークは別筐体。高度な誘電特性と内部共振減衰を備えた特注の多層PCB基板上に構築。各クロスオーバー回路は、超厚高純度銅板を自社工場で精密加工し、シミュレーションにより最適化された配線パターンで干渉と歪みを排除。厳選された特殊ポリマー素材で一体成型された優雅な筐体に収めて、磁界干渉を遮断している。
筐体は特殊アルミニウム合金を3層使用。各層を精密設計された制振材で3枚の特殊アルミ合金を分離する5層構造を採用し、高い剛性と共振制御を実現。フロントパネルは航空宇宙グレード75mm厚のアルミニウム塊から加工し、結晶構造を最適化するための熱処理を施した後、1,000分の1mmの公差で精密に削り出されている。内部配線はすべてCardas製。
内部には高度な補強構造、複合樹脂ダンピング材、最適化されたディフューザー/アブソーバー構造を配置している。
ノア
ノアブースの注目は、ソナス・ファベールの新スピーカー「Amati Supreme」(アマティ・シュプリーム)だ。10月29日発売で、価格はペア1,485万円。4.5ウェイ、5スピーカーのバスレフ方式フロア型スピーカー。
Amatiシリーズの新たな頂点として開発され、“Supreme(至高)”の称号を冠している。最上位スピーカー「Supreme」の技術を多く投入しているのが特徴。
一例として、Supremeのために開発をしたコルクを、Amati Supremeの中高域チェンバー内に使用。コルクは自然素材として自然な響きと吸音性を両立しながら、平行面を排した設計により今までにない有機的な形状を実現、定在波や不要共鳴を最適化に成功したという。
天然木によるキャビネットに、アルマイト処理とラウンド・エッジ処理を施したCNC加工アルミニウムプレートをキャビネットの上下に取り付け、挟み込む独自構造「エキソ・スケルトン・クランプ」も採用。キャビネットをダンピングさせ振動成分を抑制するとともに、天然木ならではの豊かな鳴りと適度に引き締まった低域の再生を実現するという。
TADL
テクニカル オーディオ デバイセズ ラボラトリーズのブースでは、12月下旬に発売する、Evolutionシリーズのフロア型スピーカー「TAD-E1TX」の後継機種「TAD-E1AX」が注目を集めている。1台の価格は、ブラックモデルの価格は1,650,000円。グロッシーホワイトは1,705,000円。なお、グロッシーホワイト2026年1月中旬発売。
3ウェイのバスレフ型フロアスピーカー。ミッドレンジとツイーターに、理想的な点音源再生を実現するという同軸構造の「9cm CSTドライバー」を採用。ウーファーとして16cmコーン型ユニットを2基搭載する。
上部に搭載した9cm CSTドライバーは、9cmコーンミッドレンジと2.5cmドーム型ツイーターを同軸配置したもの。位相の一致したポイントから広帯域にわたって指向性をコントロールして再生する。安定した定位と自然な音場空間を再現する。
ミッドレンジのコーンで同軸配置されたツイーターの指向特性を制御し、ツイーターとミッドレンジのクロスオーバーにおける位相特性と指向特性を一致させることで、全帯域で自然な減衰特性と指向放射パターンを両立。CSTドライバーのみで420Hz~60kHzという広帯域再生を実現した。
アイレックス
アイレックスブースでは、ALBEDOブランドの「ALECTA Diamond SG」と、9月に発売した「ACHEMA」に注目。どちらもテーパードトランスミッションという独自の低音再生方式を採用。高速かつタイトな低音表現にこだわったモデルとなっている。
その他
アクシスのブースでは、MSBが現在開発中という超弩級DAC「SENTINEL」の技術サンプルが登場。DACメソッド「ビット拡散技術」によってアップデートされた最新のCASCADE DACも紹介している。
TAKTSTOCKブースには、VERTERE(ヴァルテレ)の設計者であるトラジ・モグハダム氏が来日。2026年に日本でも発売となるフラッグシップ「RG-1PKGレコードプレーヤー」、「Ruby One MCカートリッジ」などを紹介している。
太陽インターナショナルのブースでは、新たにトランスポートを加えた「dCS Varese Music System」をメインに訴求。Avalon Acousticsのスピーカー「ISIS Signature」と組み合わせたサウンドを体験できる。Taiko audio「Olympus Server XDMI」も出展されている。