ニュース
JBL「Summit」シリーズ集結。小型の「Ama」は日本市場も意識して開発
2025年10月17日 19:57
「2025 東京インターナショナルオーディオショウ」が17日に東京国際フォーラムで開幕。会期は19日までの3日間。入場料は無料だが、事前登録制。17日、ハーマンインターナショナルは、JBLのプロジェクトモデル「Summit」シリーズの、300mm径ウーファー搭載3ウェイフロア型「Summit Makalu(サミット マカル)」、250mm径ウーファーの3ウェイフロア型「Summit Pumori(プモリ)」を披露した。いずれも11月中旬発売予定で、1台の価格は、Makaluが330万円、Pumoriが220万円。
9月に登場した第1弾のブックシェルフ「Summit Ama」に続き、日本導入第2弾としてMakalu、Pumoriが登場する。Makaluは、ヒマラヤ東部にそびえる孤高の峰“Makalu”にちなんで名づけられた。
ハーマン ラグジュアリーオーディオ部門の副社長でゼネラルマネジャーのDAVE TOVISSI氏は、ジェームズ・B・ランシングが、ハートフィールド氏と共に1950年代に作り上げた3ウェイオールホーンのスピーカー「ハートフィールド」や、立体的なステレオ再生を追求して生まれた「パラゴン」、山中敬三氏がコンサルタントとして助言を行ない完成した「EVEREST」など、これまでの名機を振り返りながら、「最新のSummitシリーズも、JBLの総力を結集して開発した新たなプロジェクトシリーズ」と紹介した。
続いて、ハーマン・ラグジュアリー・オーディオ部門のシニアディレクターで、開発プロジェクト担当のJIM GARRETT氏が、ユニットなどの特徴を解説。
Summit Makaluは、JBLの300mm径ウーファー搭載モデルのフラッグシップとして設計され、D2コンプレッション・ドライバー+HDIホーン、新開発200mm径ミッドバス、HC4コーンウーファーによる3ウェイ構成。重厚な低域と突き抜ける高域が全身を包み込み、音楽の細部まで鮮やかに表現するという。
2×76mm径D2コンプレッション・ドライバー「D2830K」と、トリプルレイヤーHC4コーンとデュアルネオジムマグネットDCD駆動回路搭載の300mm径「JW300SC」ウーファーを搭載。ミッドバスは大型ネオジムマグネットとショートボイスコイルを採用した「JMW200SC」。
Pumoriは250mm径ウーファーを搭載し、上位モデルを踏襲したD2コンプレッション・ドライバー+HDIホーン、200mm径ミッドバスによる3ウェイ構成。中高域の精緻さと深みのある低音が美しく調和し、空間に豊かな音の輪郭を描き出すとのこと。
加えて、2×38mm径D2コンプレッション・ドライバー「D2815K」と、トリプルレイヤーHC4コーンと強力低歪なNew SFG磁気回路搭載の250mm径「JW250SC」ウーファーを搭載。ミッドバスはMakaluと同じ「JMW200SC」を備える。
両モデルには、純度の高い音楽信号を各ユニットに届ける独自のMultiCapクロスオーバーネットワークを搭載。脚部にはJBLカスタムのIsoAcousticsアイソレーションフィートを装備した。
日本などの市場に向けて生まれた「Summit Ama」
発表会後、DAVE TOVISSI氏、JIM GARRETT氏、そしてハーマンインターナショナルのコーポレートコミニケーションズ ディレクターDAVID GLAUBKE氏も交えて、話を伺った。
Summitシリーズの大きな特徴は、これまでのプロジェクトシリーズには無かった、ブックシェルフ「Summit Ama」をラインナップしていることだ。
その理由について聞くと、JIM GARRETT氏は「これまでのフラッグシップモデルはサイズが大きすぎるという意見があり、日本を含めたアジアなどのマーケットに向けて、よりコンパクトなサイズのプロジェクトシリーズ・スピーカーを作ろうと考えました」という。
しかし、開発は簡単ではなく「コンパクトであっても、JBLのフラッグシップにふさわしい低域の伸びや量感などを実現するのは難しく、開発は非常に苦労しました」と語る。DAVE TOVISSI氏によれば、Summitシリーズは2019年頃には開発がスタートしており、完成までに6年近い年月をかけたという。
なお、同日にはサプライズで、JBLのスタジオモニターシリーズ最上位モデル「MODEL 4369」も世界初公開。こちらのモデルの詳細は、別記事でレポートしている。
JBLは1946年に創業し、来年はちょうど創立80周年となる。気になるのは、記念の年に、別のスピーカーも登場するのでは?ということ。
今回のSummitシリーズはサイズやユニット構成を含め、それぞれに特徴を持っているが、DAVE TOVISSI氏に聞いてみると、「Summitシリーズは、それぞれの特徴を持った山の最高峰を目指して開発しました。来年は、これとは別の山と出会えるかもしれません、ご期待ください」と笑顔を見せた。