ヤマハ、8~10万円台のHDオーディオ対応AVアンプ2種

-ジッタ低減回路内蔵。シネマDSP<3Dモード>搭載


6月下旬より順次発売

標準価格:110,250円(AX-V1065)
       84,000円(AX-V765)


 ヤマハ株式会社は、HDMI入出力/HDオーディオに対応したエントリー向けAVアンプ「AXシリーズ」の上位モデル2製品を6月下旬より順次発売する。価格は上位モデルの「AX-V1065」が110,250円で、7月下旬より発売。1つ下のモデルの「AX-V765」が84,000円で6月下旬より発売する。

上位機種のAX-V1065

AX-V765

 AX-V1065が最大145W(6Ω)、AX-V765が最大135W(6Ω)の7ch出力に対応したAVアンプ。3月~4月に発売された「AX-V465」、「AX-V565」の上位モデルとして位置づける。

 共通の仕様として、ドルビーTrueHDやDTS-HD Master AudioなどのHDオーディオをサポート。アナログ映像入力をHDMIからデジタル出力するアップコンバージョン機能や、1080pへのアップスケーリング機能も搭載する。スケーラはアンカーベイ・テクノロジー製。

 HDMI端子は下位モデルと同じで、入力4系統/出力1系統を装備。Deep Color、x.v.Colorに対応。HDMI CEC機能も利用可能で、パナソニック、東芝、日立、シャープ、三菱、ソニーのテレビやレコーダをサポート。電源ON/OFFと音量調整、入力切替がテレビ側のリモコンから行なえる。また、スタンバイスルー機能も装備し、HDMIスタンバイスルー時で消費電力を3W未満に抑制。従来機種に比べて大幅な省エネ化を実現したという。

 そのほか、光デジタルや同軸デジタルなどのデジタル音声入力(各2系統装備)や、D4入力(2系統装備)など搭載する映像入出力も下位モデルと同等。アナログ音声入力(RCA)は6系統に増加した。フロントにポータブルオーディオプレーヤーと接続可能な入力端子を装備。AX-V1065はUSB端子を、AX-V765はステレオミニ端子を備える。

AX-V1065の内部構成

 従来機種(DSP-AX863/763)から基板構成を一新。音声回路は入力段から増幅段、出力段までを1枚の基板で構成。信号経路の最短化により、高レスポンスと力強い再生音を実現したという。

 また、入力信号の種類に応じて最適な信号経路を選択可能な「ピュアダイレクトモード」に対応し、純度の高いサウンド再生が可能。

 基板構成の変更に伴い、電源トランスやブロックケミコンなどの内部パーツも素材から選別して搭載。これにより、高音質化を図ったという。

 さらにAX-V1065はシリーズ最上位モデルとして、専用の高音質チューニングを実施。準フラッグシップ機「DSP-Z7」に採用されたウルトラジッターPLL回路を内蔵。ジッタの発生を排除し、音質劣化を抑制するという。このほかにも、回路の低ノイズ化を実現するショットキーバリアダイオードや、各種抵抗、コンデンサなど音質を吟味した選別パーツを採用。「よりスケール感あふれる自然な音を追求した」という。

 機能的な面では、下位モデルなどに採用されている独自のDSP処理技術「シネマDSP-plus」に、“高さ”方向の音場データを加え、立体的なサラウンド空間を実現する「シネマDSP <3D モード>」を新たに搭載。音楽再生プログラムでは天井や床の反響音まで計算することで、ホールの空間を再生可能。映画用プログラムでは、映像とサラウンド音場の一体感を高め、「画面に引き込まれるような立体的な表現」を実現するという。

 また、サラウンドバックスピーカーを使用した従来の7.1ch再生と、フロントプレゼンススピーカーを使用したシネマDSP <3D モード>の7.1ch再生を切り替えて使用することができる「デュアル7.1chサラウンド」に対応。音量の大小に合わせてシネマDSPの効果や音量を調整可能な「A-DSP & A-DRC」技術も採用する。シネマDSP用プログラムは17種類、総プログラム数は38種類。

 AV-X1065にはアイコン表示に対応した新デザインのGUIを搭載。別売のiPod用Dock「YDS-11」を使用することで、iPod内の楽曲を再生する際にアルバムジャケットを表示する「アルバムアート機能」が利用できる。

AV-X1065には新デザインのGUIを搭載「アルバムアート機能」が利用可能
 
 40局のプリセットに対応したAM/FMチューナも引き続き搭載。接続している機器の名前を最大9文字まで登録できる「リネーム機能」も利用可能。リモコンやオプティマイザーマイクなどが付属する。
仕様

AX-V1065

AX-V765

※参考
AX-V565

※参考
AX-V465

最大出力

145W×7

135W×7

115W×7

140W×5

HDMI入力

4

4

HDMI出力

1

1

HDMI
アップスケーリング

音声入力

光デジタル×2
同軸デジタル×2
アナログ音声(RCA)×6
USB×1
Dock接続用端子×1

光デジタル×2
同軸デジタル×2
アナログ音声(RCA)×6
ステレオミニ×1
Dock接続用端子×1

光デジタル×2
同軸デジタル×2
アナログ音声(RCA)×5
ステレオミニ×1
Dock接続用端子×1

音声出力

アナログ音声(RCA)×2
プリアウト×3
(7ch×1 / サブウーファ×2)

アナログ音声(RCA)×2
プリアウト×1
(サブウーファ)

アナログ音声(RCA)×2
プリアウト×3
(サラウンドバック
/サブウーファ)

映像入力

D4×2
コンポーネント×2
コンポジット×5

D4×2
コンポーネント×2
コンポジット×5

映像出力

D4×1
コンポーネント×1
コンポジット×1

D4×1
コンポーネント×1
コンポジット×1

消費電力

240W

175W

外形寸法
(幅×奥行き×高さ)

435×365×171mm

435×364×151mm

重量

11.1kg

11.0kg

8.5kg

8.4kg

標準価格

110,250円

84,000円

61,950円

49,350円


 ■ サラウンドの日・体験試聴会の追加情報

 なお、既報の通り同社は、5月1日の「サラウンドの日」を記念したイベント「サラウンドの日・体験視聴会」を5月16日に開催する。その際、同社の高級スピーカー「Soavo(ソアヴォ)」シリーズを用いた視聴コーナーも用意するとアナウンスされていたが、それをドライブするアンプが、今回発表されたAX-V1065であることが明らかにされた。また、好評につき、10:00~10:45と14:30~15:15の回も新たに追加された。


(2009年 5月 14日)

[AV Watch編集部 大類洋輔]