ディスプレイサーチ、液晶TVの'09年売上予測を上方修正
-中国が液晶シェア増を牽引。倍速は'13年に5割へ
ディスプレイサーチは18日、2007~2013年のテレビ市場長期予測を発表。中国市場の急成長を受けて上方修正を行なった。
テレビ全体では減少傾向が続き、2億台前後で推移すると見ているが、液晶テレビは、中国政府の景気刺激策などの影響を受け、2009年に需要が回復すると予測。当初予測の1億2,000万台から1億2,700万台に上方修正した。これは2008年から21%の増加で、テレビ全体の63%に達するという。液晶のシェア増加がより早まり、世界市場において薄型テレビへの移行が急速化すると見ている。
液晶テレビの2009年売上額については、価格下落の進行で2008年から6%の減少が見込まれているが、予測では売上額を当初の660億ドルから760億ドルに修正。これは主に4月からの液晶パネル価格上昇を受けたもので、2009年下期の販売価格下落に一定の歯止めをかけるものと見ている。120Hz/240Hzパネルや、LEDバックライトなどの高機能モデルにより、価格の下落幅は当初予測より緩やかになっているという。
2009年の中国の出荷台数予測は、1,880万台から、2,360万台に上方修正。これは、中国政府の地方における購入助成施策や、都市部における消費刺激策でのCRTから液晶への移行などを要因としている。
2008年第4四半期はテレビ需要が大きく落ち込んだが、同社は景気の将来不安が収まりつつあるとし、今回の上方修正を行なったという。これは、「テレビ市場の伸びが復活する兆しを反映したもの」としている。
また、2倍速/4倍速(120Hz/240Hz)パネル搭載液晶テレビが液晶全体に占めるシェアについても発表。120Hzモデルは2009年の世界液晶テレビ売上額の29%、240Hzは約5%まで伸びると見ている。2013年にはさらに増加し、120Hzが31%、240Hzが20%以上になると予測している。
なお、プラズマテレビについては、2008年は前年比28%の伸びを示していたが、2009年は1,410万台の出荷となり、2008年比で2%下落する見込み。これは、不況により40型以下の低価格モデルが注目されているためと見ている。1080pの高付加価値モデルはプラズマ全体の32%を占めるほど上昇し、この傾向は2010年に50%、2013年までに80%まで上昇すると見ている。
2009年のテレビ全体の売上は2億40万台で、前年比3%の減少となったが、各国の不況からの脱出と、新興国における薄型/デジタルテレビへの移行により、この後退は一時的なものになるとしている。
(2009年 6月 18日)
[AV Watch編集部 中林暁]