ビクター、2Dを3Dに変換する業務用3Dプロセッサ

-既存の2D映像を低コストで3D化。撮影&編集補助も


IF-2D3D1

2月下旬発売

標準価格:オープンプライス

 日本ビクターは、独自開発のアルゴリズムを用いて、2D映像を3D映像にリアルタイムで変換でき、3D映像の撮影と編集作業のサポート機能も備えた業務用3Dイメージプロセッサ「IF-2D3D1」を2月下旬に発売する。価格はオープンプライスで、実売想定価格は250万円前後の見込み。

 既報の通り、JVC・ケンウッド・ホールディングスは2009年12月に、米RealD(リアルディー)と、3D映像技術における提携を発表。「IF‐2D3D1」は技術提携第1弾商品となる。1月7日~9日に米ラスベガスで開催される「2010 International CES」にも出展する。

 「IF-2D3D1」には、独自アルゴリズムで2D映像を3Dにリアルタイム変換する「2D-3Dコンバーター」機能と、3D撮影や編集の際、L/R(左目用、右目用)2つの映像信号を3Dモニターに表示するための3Dミックスフォーマットに変換して出力する「LRミキサー」機能、L/R 2台で構成される3Dカメラの「調整補助機能」の、3つの機能を備えている。

対応する3Dミックスフォーマット
 「2D-3Dコンバーター」機能は、入力した2D映像を3D映像に変換するもので、変換後の3D映像の「PARALLAX」(視差量調整)と「INTENSITY」(立体感の強さ)が調節できる。入力端子は、放送局などで使われるHD-SDIに加え、HDMI端子も装備。L/Rの独立したHD-SDI出力も備えている。出力する3Dミックスフォーマットは「Line-by-Line」、「Side-by-Side」、「Above-Below」、「Checkerboard」に対応する。

 また、3Dメガネを外した状態でもL/R各映像の視差を確認しやすいように、赤青表示を行なう「アナグリフモード」、L/Rの映像を0.5秒間隔で交互に切り替える「LRシーケンシャルモード」も備えている。

 「3Dカメラ調整補助」は、L/Rの映像信号比較が可能な波形モニター機能を用いて、L/R両カメラ間のフォーカスや輝度レベル、ホワイトバランス合わせなど確認・調整を行なうもの。外部同期を持たないカメラでも、2台の同期あわせが可能なHD-SDI「フレームシンクロナイザー」機能も備えている。

 新規の3D映像制作には手間と費用がかかるが、既存の2D映像を3Dに変換することで、効率化と低コスト化が図れるのが特徴。ビクターでは機器の販売だけでなく、IPライセンスや、グループの映像制作会社であるビデオテックでの3D映像、及び2D-3D変換映像の受託制作など、様々な3Dソリューションを展開していくという。


(2010年 1月 5日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]