IDT、画質チェック用BD/DVD「HQV Benchmark」説明会

-スケーラ性能など検証。100ドル以下のスケーラも


HQV Benchmark 2.0

2月5日発表


 米Integrated Device Technology(IDT)が、映像のスケーリング品質などをテストできる評価用のBD/DVDディスク「HQV Benchmark 2.0」を1月より発売開始した。同社の米国サイト「HQV.com」などで購入可能で、Blu-ray版と、DVD版を用意。価格はBD版が24.99ドル、DVD版が19.99ドル。日本からでも購入できる。

 HQV Benchmarkは、ディスプレイやBD/DVDプレーヤーにおける映像処理のパフォーマンスを評価するためのディスク。最新バージョンとなる2.0では、新たにとテレビやプレーヤーなどの機器設定案内を用意。プレーヤーを評価する時は出力設定を1080pに、テレビを評価するときは、プレーヤーの出力設定を1080i(BD)/480i(DVD)に設定する、などの推奨設定が表示される。

デモ環境プレーヤー/テレビの設定案内を新搭載オーバースキャン確認

 テスト項目としては、ビデオのインターレース解除(デインターレース)や、フィルムケーデンス検知、ビデオ・オーバー・フィルム(フィルム素材へのテキストオーバーレイ)、モーション補正、IP変換を伴うクロマアップサンプリング、ノイズ低減、解像度アップコンバートなどについて、チャートやテスト用映像を用意。テスト映像に対して、ユーザーが主観評価を行なう。各項目の評価の仕方は、トップメニューの「Explanation of Test」の項で案内している。ただし、ディスクの内容や説明は全て英語となっている。

ジャギー評価の説明。左がテストに失敗、右が成功している例で、ユーザーが目視で確認するデインタレース性能などを検証異なるフレームレートが混在したコンテンツの検出性能を検証
ノイズリダクション効果なども検証できるカラーアップサンプリングエラーを測定クロマ処理性能を検証
米IDT デリー・マーフィー氏

 今回のデモでは、米IDT ビデオ&ディスプレイ・オペレーション部門 戦略マーケティング担当シニア・マネージャのデリー・マーフィー氏が、Vidaプロセッサを使ったリファレンスボードを使い、Vidaのパフォーマンスとともに評価方法など紹介した。

 実際にHQV Benchmarkを試してみたが、プレーヤー側とテレビ側でのI/P変換処理のパフォーマンス差や、クロマ処理の違いなどが確認できた。機器選択の参考になるディスクとして活用できそうだ。

 ただし、BD版ではポップアップメニューが無く、テスト項目の切替を行なうために[トップメニュー]を呼び出す、もしくはテスト項目をENTERボタンで順送りにする必要があるなど、操作性にはやや難があるように感じたが、「次のバージョンでは、操作性についても検討していきたい(マーフィ氏)」とのこと。

 3Dへの対応については、「業界が盛り上がっていることもあり、次の世代で対応する予定で、検討を進めている」という。

HQV Matchbox

 また、Vidaプロセッサを搭載し、高品位なIP変換や解像度向上などを実現する小型のHDMIドングル「HQV Matchbox」も披露。HDMI入力と出力を各1系統装備し、プレーヤーとディスプレイの間に装着することで、テレビなどを買い替えることなく画質向上が図れる点が特徴。

 VidaのHQV技術を活かした、ジャギーやノイズ低減、高品位スケーリング、解像度向上などが図れる。通常HDMIビデオプロセッサやスケーラーは、500ドルから2,000ドル程度と高価だが、Matchboxは100ドル以下での販売を見込んでいる。電源はUSBで供給し、ACアダプタは不要。日本での展開については、「現在ODMパートナーを探している最中」としている。

小型ボードを内蔵し、HDMI入出力を装備HDMI入出力や電源用のUSBを装備するVIDAプロセッサを搭載している

(2010年 2月 5日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]