ソニー、他社製TVの操作性も向上した新BDレコーダ
-スカパー! HD対応拡充。おまかせ更新転送も
ソニーは、Blu-rayレコーダの新ラインナップ4機種を発表した。いずれも価格はオープンプライス。店頭予想価格は、1TB HDDの「BDZ-RX105」が16万円前後、500GBの「BDZ-RX55」が12万円前後、320GBの「BDZ-RX35」が10万円前後。これらはいずれもダブルチューナ。シングルチューナで320GBの「BDZ-RS15」が85,000円前後の見込み。発売日は下表の通り。
また、従来モデルのEX200を加え、RX105/RX55/RX35/RS15の購入者を対象とした、BDソフト「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」のプレゼントキャンペーンも実施。3月1日~3月29日までの期間に購入し、ネットで応募すると、抽選で2,000名に「THIS IS IT」が当たるというもの。詳細は専用ページにて。
モデル名 | ※参考 BDZ-EX200 | BDZ-RX105 | BDZ-RX55 | BDZ-RX35 | BDZ-RS15 |
HDD容量 | 2TB | 1TB | 500GB | 320GB | |
発売日 | 発売中 | 3月6日 | 2月27日 | ||
店頭予想価格 | 実売 25万円前後 | 16万円前後 | 12万円前後 | 10万円前後 | 85,000円前後 |
デジタルチューナ | ダブル | シングル | |||
高画質機能 | CREAS 2 plus DRC-MFv3 | CREAS 2 | |||
長時間録画 | 8倍 | 10倍 | |||
スカパー! HD録画 | ○ | ○ | ○ | ○ | - |
他社TV対応 おまかせリモコン | - | ○ | ○ | ○ | ○ |
おでかけ転送 | ウォークマン PSP 携帯など | ウォークマン PSP 携帯など | ウォークマン PSP 携帯など | - | - |
おまかせ更新転送 | - | ○ | ○ | - | - |
DLNAサーバー | ○ | ○ | ○ | ○ | - |
カメラ取り込み | USB/i.LINK | ワンタッチボタン付 USB/i.LINK | ワンタッチボタン付 USB | ワンタッチボタン付 USB | ワンタッチボタン付 USB |
マルチカードスロット | - | ○ | - | - | - |
HDMI映像/音声 独立出力 | ○ | - | - | - | - |
■ 強化されたポイント
ソニーのBDレコーダのラインナップは、2009年9月に発売された最上位2TB HDDの「EX200」や、RX100/50/30、RS10の5モデルで展開していたが、「EX200」を除いた4機種が全て入れ変わる。いずれも型番に「5」が追加されているが、HDD容量に変更は無い。
BDZ-RX105 | RX105の背面 |
従来モデルからの強化ポイントは、「スカパー! HD 録画」をダブルチューナの全モデルまで拡充した事と、おでかけ転送の使い勝手が向上。さらに、リモコンから他社のテレビの細かな操作が可能になり、録画モードに10倍モードも用意された。
なお、録画モード以外、録画関連の機能は従来モデルを踏襲。ダブルチューナモデルにおいて、AVC変換録画が1系統(録画1)のみで、もう1系統(録画2)はDRモード専用になる事や、録画中にBDビデオが再生できない、「録画2」で録画中は編集や書き出しなどができないといった、録画機能の制約にも変化は無い。
BDZ-RX55 | RX55の背面 |
■ スカパー! HD 録画対応モデルを拡充
リモコンにSTBボタンを用意。ボタンの下にわかりやすいように「スカパー! HD」と書かれている |
スカパー! HDが、「2010 FIFA ワールドカップ」全64試合をハイビジョン生中継する予定である事などから、LANケーブルでチューナと接続するだけで録画予約が可能な「スカパー! HD 録画」対応を強化。
従来の320GBモデル「RX30」は対応していなかったが、今回の「RX35」はスカパー! HD 録画に対応。これによりダブルチューナモデルは全てスカパー! HD 録画対応となった。
さらに、操作性も向上。リモコンボタンで、従来は操作切り替えの「DVD」があった部分を「STB」に変更。同ボタンには標準でスカパー! HDチューナ(DST-HD1/SP-HR200H)のリモコンコードが割り当てられており、BDレコーダのリモコンから手軽にスカパー! HDチューナが操作できるようになった。
「STB」ボタンの下部には「スカパー! HD」という文字もプリントしている。ただし、従来モデルでも説明書を読みながらリモコン設定を行なえば、BDレコーダのリモコンからスカパー! HDチューナを動かせるよう設定はできる。
■ おまかせ更新転送機能を追加
PSPやビデオ対応ウォークマン、携帯電話などに録画番組を転送する「おでかけ転送」機能も強化。従来から、レコーダ本体に備えた「転送ボタン」を押すと、選んだ期間の間に録画された番組を自動的に「おでかけ転送」する機能があり、最新3日分、1週間分、2週間分の3通りから期間を選択できた。この際、録画して4日を過ぎた番組は自動的におかえり転送されていた。
この機能に、「おまかせ更新転送」を追加。前述の3通りの選択期間に「おまかせ更新」が追加される形となり、ウォークマンとPSPの視聴履歴に基づいて、最適な番組をおでかけ転送し、視聴済みの番組をおかえり転送するようになった。
例えば「A」、「B」という2つのドラマシリーズの第1話をウォークマンにおでかけ転送。「A」の第1話のみ視聴し、「B」の1話は再生していないとする。そのままBDレコーダに接続し、ワンタッチ更新転送すると、「A」の新しい2話がウォークマンに転送され、1話がレコーダに書き戻されるが、再生していない「B」の1話はレコーダに戻さず、「B」の2話もおでかけ転送しない、という動作になる。
この「おまかせ更新転送」に対応する機器は、2008年秋以降に発売されたおでかけ転送に対応したウォークマンと、Ver.6.2以降のファームウェアを使ったPSPとPSP goとなる。
BDZ-RX35 | |
BDZ-RS15 |
■ 他社製テレビの詳細操作もBDリモコンから可能に
デザインは前述のSTBボタンなどを除いて、基本的に従来モデルを踏襲しているが、他社製テレビの操作機能は強化されている |
従来のリモコンでは、他社テレビのリモコンコードを設定しても、アップ/ダウンボタンでのチャンネルと音量操作、入力切替、電源ON/OFFしか操作できなかった。「おまかせリモコン」では新たに、10キーとデータ放送表示、放送波切り替え(地デジ/BS/CS)、カラーキー、番組表、ホーム、カーソル(上下左右)、決定、戻る、ミュートボタンが使えるようになった。
パナソニック、シャープ、東芝、日立、三菱、パイオニア、アイワ、ビクター、三洋、NEC、富士通ゼネラル、フナイ、サムスン、ソニーの14メーカーのテレビの一部機種で動作確認を実施。テンキーと番組表表示、カーソル移動などはパナソニック、シャープ、東芝、日立、三菱、パイオニア、ソニーのテレビのみとなる。なお、対応メーカーのテレビによっては、一部、もしくは全ての機能が操作できない場合はある。また、他社製テレビの番組表からのBDレコーダへの録画予約はできない。
他社製テレビのリモコンコードを設定する際も、設定方法が画面から確認できる |
■ 10倍モードを用意など、そのほかの特徴
録画モードには、新たに10倍モードを用意。SD解像度で2Mbpsで録画する「ER」モードの解像度がHD(1,920×1,080/1,440×1,080ドット)となり、HD解像度での10倍録画を可能にした。
録画モード | コーデック | 新モデル | 従来モデル (※参考) | |||
---|---|---|---|---|---|---|
解像度 | ビットレート | 解像度 | ビットレート | |||
DR | MPEG-2 | 1,440×1,080 | ストリーム記録 | ← ← ← | 1,440×1,080 | ストリーム記録 |
XR | AVC | 1,920×1,080 1,440×1,080 SD | 15Mbps (1.5倍録画) | 1,920×1,080 1,440×1,080 SD | 15Mbps (1.5倍録画) | |
XSR | 12Mbps (2倍録画) | 12Mbps (2倍録画) | ||||
SR | 8Mbps (3倍録画) | 8Mbps (3倍録画) | ||||
LSR | 4Mbps (5.5倍録画) | 4Mbps (5.5倍録画) | ||||
LR | 3Mbps (8倍録画) | 3Mbps (8倍録画) | ||||
ER | 2Mbps (10倍録画) | SD | 2Mbps |
筐体デザインは基本的に従来モデルを踏襲しているが、RX100で採用していたフロントプレートのブラックパーツを、RX105とRX55の上位2モデルに採用。下位2モデルはガンメタリックとした。また、従来モデルはBlu-rayのロゴマークが印刷だったが、今回からサイズの大きいバッジタイプとしている。また、前面右側に備えている「おでかけ転送」と「カメラ取り込みボタン」の明るさが、現行モデルより若干明るくなっている。
RX105とRX55の2モデルには、RX100で採用していたブラックのフロントプレートパーツを採用している | 下位の2モデルはガンメタリックのフロントプレートパーツを採用する | 前面右側に用意された「おでかけ転送」と「カメラ取り込みボタン」の明るさが、従来モデルよりも若干アップした |
そのほかの仕様は従来モデルと同じ。搭載するBDドライブのスピードも、BD-R 6倍速タイプで変更は無い。
上位3モデルは 地上アナログに加え、地上/BS/110度CSデジタルダブルチューナを搭載し、デジタル放送の2番組同時録画が可能。録画時のビットレートを映像シーンに合わせてダイナミックに制御し、低ビットレートでも高画質な録画ができる「インテリジェントエンコーダ」も備えている。なお、前述のように10倍モードが用意されているが、「ダイナミックVBR機能のアルゴリズムを改善することで、従来の8倍録画の画質よりも美しくなっている」という。
さらに「ジャンル別エンコーディング」機能も用意。EPGの番組ジャンル情報を用いて、録画時に画質パラメータを最適化。アニメであれば輪郭部分に発生しやすいモスキートノイズを低減、スポーツであれば動きの滑らかさを重視し、激しい動きのシーンのブロックノイズを防ぐ処理を適用する。ほかにも映画用モードなどを備えている。
全てのモデルが高画質回路の「CREAS 2」を搭載。8bitの入力信号を14bitに拡張して、映像をクッキリ/なめらかにするHD Reality Enhancerに加え、接続したモニタに合わせて最適な画質を簡単に設定できる「モニター別画質プリセット」も利用できる。
自動録画機能の「おまかせ・まる録」も装備。登録キーワードやジャンル、おすすめ番組などを対象に、合致する番組を自動で録画することができる。録画した連続ドラマ全話を一括でダビングする「連続ドラマ一括ダビング」機能も利用可能。
全モデル、アクトビラ ビデオのダウンロード配信機能に対応。ダウンロードコンテンツのおでかけ転送もサポート。ビデオカメラやデジタルカメラとの連携も実現しており、取り込んだ動画/静止画をBDにダビングする際、BD-Jを使ったメニューが作成可能。「思い出ディスクダビング」と呼ばれる機能で、写真、動画、x-Pict Storyなどのコンテンツを一覧にまとめたメニュー画面が自動で作成できる。カレンダービューは、カレンダーを画面に表示し、その日に撮影したコンテンツを再生するメニュー。
VHSデッキからの買い替えを意識し、レコーダ初心者向け機能も充実。「らくらくスタートメニュー」は、再生、予約、ダビングなど、目的に応じてガイド付きで操作をナビゲートするメニューで、VHSデッキからのダビングもアシスト。VHSデッキとBDレコーダのケーブル接続方法が画面に絵で表示されるなど、レコーダ初心者でもわかりやすいようになっている。
主な入出力端子は4機種共通。出力はHDMI(1080/24p対応)×1、D4×1、コンポジット×1、S映像×1、アナログ音声×1、光デジタル音声×1。入力はコンポジット×1、S映像×1、アナログ音声×1を備える。RX105はi.LINK(HDV/DV)入力端子も装備。マルチカードリーダも備え、USB端子を前面と背面に合計2系統備えている。その他の機種は前面の1系統のみ。
外形寸法は全機種共通で、約430×327×69.8mm(幅×奥行き×高さ)、重量と消費電力は、RX105が約4.6kgで59W(年間消費電力量:50.2kWh/年、待機時消費電力:0.2W)、RX55が約4.5kgで54W(同45.3kWh/年、同0.2W)、RX35が約4.4kgで、52W(同42.6kWh/年、同0.2W)、RS15が約4.3kgで49W(同37.2kWh/年、同0.18W)。
(2010年 2月 8日)
[AV Watch編集部 山崎健太郎]