【CEATEC 2010】3Dメガネが「ドレスコード」のパナソニック
-縦置き対応BDレコーダやTV用新ネットサービスなど
パナソニックブース |
パナソニックは、CEATEC JAPAN 2010に出展。3Dテレビなどの「ネットワークAV」と創エネ、蓄エネ、省エネなどをくらしに合わせてコントロールする「HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)」などのエナジーソリューションの2つを軸にブース展開している。
最も大きなステージは、152型プラズマディスプレイなどを使った3Dをアピールするものだが、そのほかにもBDレコーダや携帯電話などの多くの未発表製品の展示が行なわれている。
■ 縦置き対応のBDレコーダや新TVサービス
参考展示のレイアウトフリーBDレコーダ |
初披露の参考展示で目を引くのは、小型のHDD搭載Blu-rayレコーダ。HDD容量や仕様の詳細、発売時期などは未定だが、「完全なモックアップというわけではなく、製品化を念頭に置いたもの」とのこと。
通常のDIGAシリーズの半分以下という幅で、縦置きも可能な「レイアウトフリー」デザインを採用。さらに、天板に光沢や模様が特徴的なパネルを採用するなど、従来のレコーダのイメージを一新するものとなっている。BDドライブはスロットイン型。リモコンもシンプルな小型のものを採用している。
「サイズやデザインがインテリアなどに馴染まないという声もあり、新しい需要を開拓することを考えて企画した」とのことで、今後の製品化が期待される。
縦置きに対応 | 上面のデザインなども特徴的。スロットイン式のBDドライブを装備する |
VIERA CASTを拡張した新テレビ向けサービス |
各パートナーサイトが用意したテレビ向けサービスに対応することで、テレビのリモコンだけで、オークションや電子書籍の閲覧などを可能にするもの。オークションについてはヤフーと協力し、「Yahoo!オークション」に対応。ヤフーが用意したWebサービス向けAPIとパナソニックが構築したテレビ向けUIを組み合わせて、リモコン操作でも動きのあるビジュアルと使い易さの両立を実現するという。
加えて、ヤフーのテレビ版電子書籍サービス「X BRAND」や、ソフトバンク系の電子書籍サービス「ビューン」、ACCESSによる雑誌「東京カレンダーEXTRA」にも対応。今後、UIや操作性、課金システムの検証などを行ない、2011年春の実用化を目指す方針。
また、ショッピングサイト「楽天市場」とともにテレビ向け電子商取引の実用化に向けた共同研究を始めることで合意。今後、テレビならではの使い勝手を追求し、日米欧などグローバル市場へのサービス展開に向けて、検証を進めていくという。
Yahoo!オークションをテレビに最適化 | VIERA上でウォッチリスト登録や、入札までが可能に | ビューンにも対応 |
iPhone/iPod対応のデジタルフォトフレームも |
9型/800×480ドットパネルを採用したデジタルフォトフレーム。iPhone/iPod用のクレードルが付属し、接続したiPhone/iPodのビデオや写真を表示して楽しめる。また、ステレオスピーカーも内蔵し、iPhone/iPod内の音楽再生にも対応する。薄型のボディデザインも特徴。カラーがブラックのモデルがiPhone/iPod対応で、ホワイトモデルはSDスロットのみのシンプルなフォトフレームになる。
LUMIX Phoneも参考出品 |
ハードウェア設計の段階から、カメラとしての使い勝手を意識して開発。例えば多くの携帯電話は基板レイアウトなどの関係から最上部などにカメラ部があるが、横に構えて撮影する際に指がカメラに被ったり、フラッシュに指がかかるなどの弊害がある。
LUMIX Phoneでは、“カメラ的な発想”で、指がかからないよう中央寄りにカメラをレイアウトし、撮影の感覚もカメラ的になるようデザインしたという。撮像素子には、有効画素数約1,320万画素のCMOSセンサーを搭載。映像処理回路も“記憶色”を意識したという「Mobile VenusEngine」を搭載し高画質化を図ったという。超解像技術を使ったデジタルズームも備えている。
動画撮影機能も装備し、720pの3gpp2形式での撮影が可能。撮影した写真をメールに添付したり、無線LAN(Wi-Fi)経由でパソコンへコピーできる「ピクチャジャンプ」も搭載。さらに無線LANでDIGAに接続し、DIGAのリモコンからLUMIX Phone内の写真を選択し、テレビに出力する機能も備えているという。
LUMIX Phone | DIGAからLUMIX Phone内の画像を選択して、出力 | LUMIX Phoneの概要 |
■ AV機器ブースは、「3Dメガネがドレスコード」
メインステージで3Dを訴求 |
ブースで最も力を入れて説明しているのは3D関連。メインステージでは、3D対応の152型4Kプラズマディスプレイなどを使って3Dを全面展開。今回のために撮影したという、押井守監督による「サイボーグ009」のリメイク版(約4分45秒)をブース内やステージで公開しているほか、11月からBS朝日で3D放送する「Panasonic 3D MUSIC STUDIO」も紹介し、ハードウェアとソフトウェアの両面から3Dの魅力をアピールしている。
AV製品関連ブースには、メインステージ向けに配布される3Dメガネを装着し、ステージの映像を見た後にのみ入れるという導線になっており、「3Dメガネがドレスコード(同社説明員)」なのだという。
押井守監督による「サイボーグ009」。音楽は川井憲次が担当 |
フルブラックパネルの500万:1のコントラストを訴求 | 3D放送する「Panasonic 3D MUSIC STUDIO」も紹介 | 新ブルーレイDIGAも展示 |
新VIERAの高画質化機能のほか、3D対応ビデオカメラ「HDC-TM750」、デジタルカメラ「LUMIX Gシリーズ」用の3Dパンケーキレンズなどを展示。3Dの撮影/視聴体験ができるデモを多数用意。パナソニックの各3D製品を楽しめる構成になっている。
HDC-TM750と3Dコンバージョンレンズ「VW-CLT1」 | HDC-TM750で3D撮影した映像をその場で再生 |
LUMIX GH2に3Dレンズを装着 | ビデオ会議など業務向けの3D展開も | アミューズメント施設向けの大画面3D展開 |
業務用の2眼3Dカメラ「AG-3DA1」の撮影デモも実施 | 3D対応のスカパー! HD用HDD内蔵STB「TZ-WR320P」 |
パナソニック大坪社長もHEMSの視察に | 車載用リチウムイオンモジュールや太陽電池パネルなども展示 | エナジーソリューションの展示では環境革新企業のメッセージも |
(2010年 10月 5日)
[AV Watch編集部 臼田勤哉]