【CEATEC 2010】三菱、フルHD3Dプロジェクタなど展示
-“AVC後”の高圧縮ビデオコーデックなども
三菱電機はCEATEC JAPAN 2010に出展。3Dプロジェクタや宇宙事業関連のブースを展開している。
三菱のフルHD 3Dプロジェクタ |
AV製品では、未発表のフルHD 3D対応SXRDプロジェクタによる3Dシアターを展開。0.61型/フルHDのSXRDパネルを採用する3D対応プロジェクタで、「アリス・イン・ワンダーランド」など3本の3D映像を投写し、高画質な3Dをアピールしている。
他の3Dプロジェクタと同様にフレームシーケンシャル方式を採用。3Dメガネとの同期のためのエミッタを本体前面に備え、スクリーンに反射させて、メガネと映像の同期を行なう。フルHDの反射型液晶「SXRD」を採用していること以外の仕様については、開発中のため公開していないが、年内の発売を目指しているという。フルHD DLPプロジェクタ「LVP-HC4000」も展示している。
3D投射のデモを実施 | LVP-HC4000 |
オーロラビジョン OLED |
また、有機ELを発光素子に用いた大画面ディスプレイ「オーロラビジョン OLED」も展示。展示機は155型で、横384mm×縦384mmの小型有機ELモジュールを敷き詰めて大型化を実現。モジュールの組み合わせにより、用途に合わせてサイズを調整できる点が特徴で、既に販売開始しているという。
BD/HDDレコーダ一体型の3D対応液晶テレビ「REAL MDR1シリーズ」も展示しており、Blu-ray 3Dの再生デモを実施。レーザー光源の75型リアプロジェクションテレビ「LASERVUE」(75-LT1)の3Dデモや、BDレコーダの新製品の紹介も行なっている。
なお、撮影禁止となっていたが22型フルHDのPCディスプレイ最上位モデルも参考展示。「RDT232WM-Z」の上位モデルとなり、TNパネルではなくIPSパネルを採用するほか、バックライトもLED化。RDT232WM-Zの特徴であった倍速駆動などは踏襲しながら、LEDバックライトスキャンなどを組み合わせ、残像感の低減などを図っているようだ。
マルチメディア対応の入力端子についても「RDT232WM-Z(HDMI×2、DVI-I×D、D5×1、アナログRGB)より増やしている」とのこと。独立スピーカーボックスの採用などでAV性能強化した製品になるという。
REAL MDR1「LCD-55MDR1」で3D表示 | LASERVUE(75-LT1) | 「DVR-BZ340」などBDレコーダも紹介 |
■ AVC後の高圧縮映像コーデックも
技術関連の展示では、次世代の高圧縮映像符号化技術「High Efficiency Video Coding Technology(HEVC)」のデモを行なっている。
右がHEVC | HEVCの概要 |
MPEG-4 AVC/H.264よりも高圧縮で、スーパーハイビジョン(走査線は4,320本)などより高画質な映像や、携帯端末向けの映像配信などでの利用を想定し、開発中の映像コーデック。
MPEG-2に比べて約4倍、AVCとの比較でも約2倍の圧縮性能を有しているという。従来方式との違いは、画質信号に合わせて、ブロックサイズを適正化すること。16×16ピクセルなどの決まった単位ではなく、平坦な領域ではブロックサイズを大きく取り、複雑な領域ではブロックを小さくすることで、圧縮効率を向上できるという。
2012年中にITUとMPEGにおいて規格化が行なわれる予定で、ITUではH.265になる可能性が高いという。
宇宙をイメージしたブース展開 | 人工衛星部品コーナー |
(2010年 10月 5日)
[AV Watch編集部 臼田勤哉]