デジタルラジオ試験放送が2011年3月で終了
-大阪に続き東京も。「VHF-LOW帯放送に道筋」
初のデジタルラジオ携帯として2006年12月に発売された、auの「W44S」 |
DRPは、2011年7月のアナログテレビ放送終了後のVHF帯を利用したデジタルラジオの実用化を目指し、2003年10月から、東京と大阪で実用化試験放送を開始。デジタル放送の特性を活かした新しい音声放送サービスやデータ放送サービスの開発、技術試験に使われると共に、普及広報にも活用してきた。
その間、情報通信審議会などでの具体的な審議により、アナログ停波後のVHF帯の利用方針が定まり、VHF-LOW帯(1~3ch)が地方ブロック向けマルチメディア放送、VHF-HIGH帯(10~12ch)が全国向けマルチメディア放送に利用されることが決定。
HIGH帯では、フジテレビやNTTドコモなどが設立した「マルチメディア放送」が、地上デジタル/ワンセグで利用しているISDB-T(Integrated Services Digital Broadcasting-Terrestrial)方式を拡張したISDB-Tmm方式で放送を開始予定となっている。
一方、LOW帯では、伝送方式としてDRPで実施しているISDB-Tsbと呼ばれる方式を採用している。そのため、現在のデジタルラジオは将来的に、LOW帯での放送のサービスの一つとして生まれ変わる事になる。なお、新しいデジタルラジオはVHF 1~3chで放送され、現在の試験放送にさらに機能が追加されることから、現行の受信機では受信できない。
DRPでは実用化試験放送中の成果として、ISDB-Tsb方式に基づいた放送を確立したこと、地上デジタル音声放送の運用規定(ARIB TR-B139)の策定、チャンネル内複数音声サービス(多言語放送等)、簡易動画付音声放送を含む1セグメントでの多チャンネル音声放送、1次リンクによる双方向サービス等の実施を挙げ、「これらの成果が、これからのVHF-Low帯マルチメディア放送におけるデジタル音声サービスに道筋を付けたものと自負している」とコメント。
周波数の使用期限を待たずに終了することについては、「一定の成果をあげ、残る検証も今年度内には終了予定のため」だという。DRPでは今後、放送やホームページを通じて、終了の告知を行なう予定。
(2010年 10月 6日)
[AV Watch編集部 山崎健太郎]