ソニー、1080 60/24p対応のミラーレス一眼「NEX-5N」

-NEXをトランスルーセント化するAマウントアダプタも


ブラックモデルに「E 16mm F2.8」を取り付けたところ

 ソニーは、レンズ交換式のデジタル一眼カメラの新モデル「NEX-5N」を9月9日に発売する。価格はオープンプライスで、ボディ単体の店頭予想価格は75,000円前後。「E 18-55mm F3.5-5.6」のズームレンズキット「NEX-5NK」は実売85,000円前後、「E 18-55mm F3.5-5.6」と「E 16mm F2.8」のパンケーキレンズをセットにしたダブルレンズキット「NEX-5ND」は実売95,000円前後、「E 18-55mm F3.5-5.6」と「E 55-210mm F4.5-6.3」のダブルズームレンズキット「NEX-5NY」も11万円前後で発売する。

 なお、「NEX-5NY」のみ発売が11月11日になる。また、カメラボディのカラーはシルバー、ブラック、ホワイトの3色だが、ボディ単体はブラックのみの販売となる。


シルバーモデルホワイトモデルAPS-Cサイズのセンサーを搭載したデジカメとして、世界最軽量210gを実現したという

 

NEX-5Nを手に持ったところ
 従来モデルの「NEX-5」と比べ、撮像素子を強化。動画撮影能力も高めた新モデル。撮像素子はAPS-CサイズのExmor APS HD CMOSで、画素数は有効1,610万画素。新たに、ISO 25600の高感度撮影が可能になり、従来比で1段相当のノイズ低減も実現。暗所撮影に強くなっている。また、画像処理回路のBIONZも機能強化された新バージョンを搭載している。

 

 動作やAFも高速化。レリーズタイムラグは0.02秒を実現。イメージセンサーの読み出しは従来の2倍(120fps)としたほか、AFアルゴリズムや画像処理エンジンの全体性能向上によりAFを高速化。また、連写性能も高速化し、約10コマ/秒を実現。速度優先連続撮影機能(絞りとフォーカスは1コマ目で固定)を備えている。

 背面の3型液晶ディスプレイは静電式のタッチパネルタイプとなり、タッチして被写体を指定すると、自動的にカメラが追いかける「追尾フォーカス」機能が利用可能。個人顔登録機能も備え、8つまで顔を登録できるようになった。ディスプレイはエクストラファイン液晶で、上約80度、下約45度の角度調節も可能。記録メディアはメモリースティックDuoとSDメモリーカード(SDXC対応)。

背面の3型液晶ディスプレイは静電式のタッチパネルタイプになった上から見たところディスプレイは可動式で、上約80度、下約45度の角度調節も可能

 

60pや24pでの動画撮影に対応した
 動画撮影はAVCHD Ver.2.0に対応。1,920×1,080ドット、60p/60i/24pでの撮影が可能(センサー読み出しは60fps/24fps)。24pで映画のような情感豊かな映像が撮影できる。撮影ビットレートは60pで28Mbps(PS)、60iと24pでは24Mbps(FX)と17Mbps(FH)から選択可能。1,440×1,080ドット、640×480ドットのMP4ファイルで録画する事もできる。

 

 動画撮影時のマニュアル設定も可能。P/A/S/Mの各露出モードで、ユーザーの設定を活かした動画撮影ができ、ボケ表現や明るさの表現、ピクチャーエフェクトも活用できる。ただし、絵画調HDR、ソフトフォーカス、ミニチュア、リッチモノクロームのピクチャーエフェクトには非対応。音声も向上し、音声NR機能で風切り音ノイズを抑えて録画できる。

 筐体デザインはNEX-5を踏襲しつつ、ボディをよりスタイリッシュに見せるために、フロントの上部に斜めの傾斜を設けているほか、握りやすさを重視したグリップ部分も刷新している。

 

上から見たところ撮像素子はAPS-CサイズのExmor APS HD CMOSで、画素数は有効1,610万画素レリーズボタンまわり

 

 ピクチャーエフェクト機能には、ポップカラーやトイカメラといった、従来からの11種類の効果に加え、絵画調HDRやソフトフォーカス、ミニチュア、リッチトーンモノクロソフトハイキーの5つのモードを新設している。3D静止画撮影にも対応し、スイングパノラマや手持ち夜景モードなども引き続き搭載している。

 

重量は本体のみで約210g

 

 センサーに付着したゴミを落とす超音波アンチダストシステムも強化。従来比約3倍のごみ除去率を達成している。また、レンズ収差補正機能も装備。Eマウントレンズを装着した場合に、周辺の歪みなどを補正できる。

 別売で、外付け電子ビューファインダーも装着可能。有機ELパネルを使った新モデル「FDA-EV1S」が用意され、パネル解像度はXGA(1,024×768ドット)、視野率や約100%。上約90度の角度調節機能も備えている。9月9日発売で、価格は34,650円。同ファインダーはNEX-5/3/C3(スマートアクセサリーターミナル搭載カメラ)では使用できない。

 

有機ELパネルを使った外付けEVF「FDA-EV1S」

 

有機ELパネルを使った電子ビューファインダー新モデル「FDA-EV1S」「FDA-EV1S」を取り付けたところ「E 18-55mm F3.5-5.6」と「E 16mm F2.8」のパンケーキレンズをセットにしたダブルレンズキット「NEX-5ND」

 出力端子としてHDMIミニ端子や、USB 2.0端子を装備。カメラの外形寸法は約110.8×38.2×58.8mm(幅×奥行き×高さ)。重量は本体のみで約210g、電池やメモリーカードを含めると約269gとなる。静止画の撮影可能枚数は、NEX-5の330枚から430枚にアップしている。



■Aマウントレンズで本格AF撮影をするためのアダプタ

 既存のAマウント用のレンズを、NEX-5NのEマウントで使用するためのマウントアダプタも新しいタイプ「LA-EA2」が10月14日に発売される。価格は39,900円。マウントアダプタにAFモーターを内蔵するもので、ほぼ全てのAマウントレンズにおいて、静止画・動画の両方で位相差検出方式の高速AFが使用可能。

 これを実現するために、マウントアダプタの中にαシリーズで採用している、ソニー独自の「トランスルーセントミラー・テクノロジー」を採用している。これは、半透過のミラーを内蔵し、レンズを通った光をカメラのセンサーに届ける一方で、反射された光をAFセンサーにも届けてフルタイムのコンティニュアスAFを実現する技術。

 

中央にあるのが「LA-EA2」トランスルーセントミラー・テクノロジーを採用しているAFセンサーは下部に内蔵

底面には三脚穴も装備Aマウントレンズを装着したところ

 

トランスルーセントミラー・テクノロジー」を使ったAマウントアダプタ「LA-EA2」透過ミラーとAFセンサーを搭載。AFセンサーは上部に搭載するとフラッシュなどの邪魔になるため、下部のでっぱりに内蔵している
Aマウントレンズを装着したところ

 「LA-EA2」にはミラーとAFセンサー、AFモーターを搭載。CMOSセンサーはNEX-5Nのものを使用。取り付ける事で、NEX-5Nをトランスルーセントミラーシステムのカメラに変化させる事ができる。

 なお、ファームウェアのアップグレードにより、従来のNEX-5/3/C3や、レンズ交換式ビデオカメラ「NEX-VG10」、業務用のレンズ交換式ビデオカメラ「NEX-FS100」でも「LA-EA2」が利用可能になる予定。

 また、「LA-EA2」は、Aマウントレンズのほぼ全てが使用できるが、「135mm F2.8[T4.5]STF」ではマニュアルフォーカスのみとなり、テレコンバーターは非対応となる。また、ミノルタXiレンズには対応しない。

 なお、Eマウント用の新レンズも発表されている。

 

Eマウント初のCarl Zeissレンズ「SonnarT*E 24mm F1.8 ZA」。12月上旬発売で、価格は103,950円大口径F1.8の「E 50mm F1.8 OSS」。12月中旬発売で、価格は36,750円スリムな望遠ズーム「E55-210mm F4.5-6.3 OSS」。10月中旬発売で44,100円

■NEX-C3にホワイトモデル追加

 

ダブルレンズキットNEX-C3Dのホワイトモデル
 また、既発売の「NEX-C3」にホワイトモデルも追加される。ダブルレンズキットの「NEX-C3D」(9月9日発売/売8万円前後/E 16mm F2.8、E 18-55mm F3.5-5.6 OSS付属)と、ダブルズームレンズキット「NEX-C3Y」(11月11日発売/95,000円前後/E 18-55mm F3.5-5.6 OSS、E 55-210mm F4.5-6.3 OSS)が用意される。ダブルズームレンズキットは全色(Black、シルバー、ピンク、ホワイト)での展開となる。

 



(2011年 8月 24日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]