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ヘッドフォンで11.1ch。「DTS Headphone:X」をアピール

無線スピーカー技術「Play-Fi」も

DTSブース

 DTSは、2013 International CES会場のセントラルホールに大規模なブースを設け、CESにあわせて発表した「DTS Headphone:X」などの新技術を紹介している。

 DTS Headphone:Xは、ヘッドフォンで、最高11.1chまでの音場を再現するサラウンド技術。これにより、ホームシアター相当のサラウンド体験をヘッドフォンでも楽しめるという。

 ヘッドフォンは通常のステレオのものが利用できる。当初は専用のポストプロセス処理を施した楽曲での対応となる。すでにオーディオメーカーなどのパートナー企業に提案しており、採用を呼びかけているとのことで、CESの会場でもQUALCOMMがデモを行なっていた。

DTS Headphone:Xのデモルーム
11.1chの音をスピーカーから出したあと、ヘッドフォンでも体験
デモに利用したのはゼンハイザーの一般的なヘッドフォン

 実際にシアタールームを設けて、DTS Headphone:Xのデモも実施。デモの内容は、まず11.1chシステム(フロント×2、センター、フロントハイト×2、サイド×2、リア×2、リアハイト×2)でまず音を聞かせた後、ヘッドフォンを着用。ヘッドフォンで各チャンネルから音を出して、スピーカーと同様の定位感が得られるというもの。スピーカーから音が出ているように聞こえるのだが、実際にはヘッドフォンから音が出ており、スピーカーと遜色のない確かな音の定位、実体感が体験できた。この実体感はこれまでのバーチャルサラウンド技術では味わえなかったものと感じた。

 11.1chは最大チャンネル数のため、実際には7.1chや5.1chなどのコンテンツも実現可能。DTS-HDでエンコードし、対応機器があれば利用可能となる。PCやタブレット、スマートフォンなどでの採用を呼びかけていく。

ブースでPlay-Fiをアピール

 また、ブースの前面で訴求しているのが「Play-Fi」。音楽ファイルを無線LAN(Wi-Fi)経由で他の対応機器へストリーミングできる技術で、部屋を模した4つの枠の中で、部屋の明かりをONにするとダンサーが踊りだす、という趣向で人気を集めていた。

 これはPlay-Fiでどこでも音楽を気軽に楽しめることを訴求するための趣向とのことで、実際に来場者からの人気を集めていた。Play-Fi対応スピーカーも米国では販売されており、Android OS向けのアプリが提供されていたが、Windows PC向けドライバも第1四半期中に提供開始予定。さらに、iOS版アプリについても近日中に提供予定という。

Play-Fi対応のPhorusのスピーカー

 Play-Fiについては、DTS子会社のPhorusから対応スピーカーが発売されているだけでなく、現在オーディオメーカーなどにも採用を提案している。また、2012年末には日本国内でも説明会などを開催しているとのことで、採用企業の拡大に自信を見せている。

 サウンドバーやテレビの高音質化技術「DTS Studio Sound」も紹介している。従来はDTS Surround Sensationという名称で展開していた技術に、昨年買収したSRSの技術などを融合し強化した。サラウンド感の向上や低域再生能力の向上を図っている。2013年春以降のサウンドバーやテレビ向け製品は、順次DTS Studio Soundに切り替えていく方針という。

テレビやサウンドバー向けのサラウンド/高音質化技術は「DTS Studio Sound」に
Sound Changes the Way We Seeをテーマに音響技術のDTSをアピール

(臼田勤哉)