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DTS、最大11.1chのヘッドフォン向け技術「Headphone:X」

無線LANストリーミング「Play-Fi」はWindowsにも対応

 DTSは、ヘッドフォン向けのサラウンド技術「DTS Headphone:X」を発表した。米国・ラスベガスで開催中の2013 International CESにおいてデモを行なっている。

 「DTS Headphone:X」は、最大11.1chのホームシアターサラウンドを、ヘッドフォンで楽しめるという“ホームシアター・イン・ユア・ポケット(HTiP)体験”を実現する技術。同社は「従来のヘッドフォンとは異なり、サウンドを“外面化”することによって、耳から聴いた音が頭の中で鳴っているのではなく、自分の周りを高品質のスピーカーの音が取り巻いているように聴こえる」としている。

 ヘッドフォンの各種メーカー/モデルに合わせた最適なサウンド品質を実現可能。また、ポストプロセッシング強化技術による高品質なオーディオ再生も特徴としている。

 DTSの製品&プラットフォーム担当シニア・バイス・プレジデントであるギア・スカーデン氏は、「DTS HDオーディオ・コーデックの高度な特性を活用し、映画館や映画のミキシング段階での体験を正確にシミュレートすることによって、最高のサラウンド・サウンド体験を室内の今いるその場所で楽しめる」と述べている。

 コンシューマだけでなく映画スタジオや音楽レーベル、小売などのコンテンツ所有者にもメリットがあるとしており、「DTS Headphone:Xは、高品質のオーディオ制作スタジオの音をとらえ、的確にリスナーに再現する。一方、コンテンツプロバイダは、リスナー側で再現される音が、自らが入念に作り上げたミックスと同じであることが保証される」としている。

無線ストリーミング技術「Play-Fi」のWindows用ドライバを提供

 音楽ファイルを無線LAN経由で他の対応機器へストリーミングできる「Play-Fi」に対応したWindows PC向けドライバを提供することも発表。2013年第1四半期のダウンロード公開を予定している。これまでAndroid OS向けに提供されていたが、PCでもこの機能が利用可能になる。

 「Play-Fi」を利用することで、PC内にある高品位な音源を無線LAN経由で伝送し、対応スピーカーなどでストリーミング再生が可能。有料の音楽サービスやNAS(LAN HDD)、クラウドにある音源を含め、「PCのほぼ全て音楽をストリーミングできる」という。複数のスピーカーシステムの一括設定なども可能。

 さらに、ストリーミング再生するソースの一つとしてインターネットラジオも追加。OEMパートナーによるPlay-Fiアプリでも利用でき、世界中のネットラジオ局の番組やポッドキャストに対応するという。Play-Fiに対応するPhorus製スピーカー「PS1」とレシーバ「PR1」が、インターネットラジオ対応のアプリを提供予定。

(中林暁)