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Dolby Atmosと“動く座席”、20日オープン「イオンシネマ幕張新都心」を体験した

「イオンシネマ幕張新都心」がオープンする、イオンモール幕張新都心

 イオンエンターテイメントは、ドルビーの映画館向け音響技術「Dolby Atmos(ドルビーアトモス)」を採用した大型シネマコンプレックス「イオンシネマ幕張新都心」を12月20日にグランドオープンする。これに先駆けて、マスコミや関係者などを対象とした体験上映会を開催した。

 イオンシネマ幕張新都心は、20日にグランドオープンする大型商業施設「イオンモール幕張新都心」(千葉県千葉市美浜区豊砂1-1)内に開業する、10スクリーン/1,549席を備えたシネコン。ワーナーマイカルとの経営統合で7月に設立されたイオンエンターテイメントが持つ76の劇場のうちのフラッグシップと位置付けられている。

 同社が開発した、前方の壁いっぱいに広がるスクリーンと立体音響システム「ULTIRA(ウルティラ)」を千葉県で初めて導入したほか、ドルビーアトモスの音響技術も採用。さらに、映画のシーンに合わせて前後左右に揺れる座席「D-BOX」も用意。映像にシンクロして座席が動くことにより、「登場人物と同じ体験をしているような没入感が得られる」という。

イオンシネマは、蔦屋書店や島村楽器、ブシロードなどが出店する「グランドモール」の3階にある。「1Fホビーコート入り口」が最寄の入口だ

全体を包むようなDolby Atmos音響と、“振動”とは別次元のD-BOXシート

ULTIRAとドルビーアトモスに対応している8番スクリーンの入口

 10スクリーンのうち、ULTIRAとドルビーアトモスに対応しているのは8番スクリーン。また、7番スクリーンの全185席のうち12席、8番スクリーンの全335席のうち8席が振動対応のD-BOXとなっている。

 オープニング時にULTIRA/ドルビーアトモスで上映するのは「ゼロ・グラビティ」の3D字幕版。D-BOXで鑑賞するには予約が必要で、通常料金プラス1,000円となるが、12月20〜22日の3日間は、オープニング記念で通常料金が1,000円のため、D-BOXと3Dの料金を合わせると2,300円(メガネをレンタルする場合はプラス100円)となる。D-BOXの予約は1週間前からチケット売り場やインターネットで受け付ける。

 ドルビーアトモスは、これまでも記事で紹介した通り、2012年4月に発表された立体音響技術。従来のチャンネルベースのミキシング方式と、オブジェクトベースのダイナミックなオーディオミキシングを組み合わせ、精密な音の定位や移動などを表現するほか、劇場内の位置に最適化した音場再現が可能となることが特徴。劇場では、サラウンドスピーカーに加えて天井のオーバーヘッドスピーカーを利用し、自然でリアルな音場を実現するという。詳細は、本田雅一氏による2012年の米国レポート記事で解説している既報の通り、11月22日にオープンした「TOHOシネマズららぽーと船橋」にも導入されている。

 ULTIRAは、神奈川・港北ニュータウンや埼玉・越谷レイクタウンといった他のイオンシネマにも導入されている映像/音響技術。ドルビーアトモスがソフトウェア技術であるのに対し、ULTIRAは個別のスクリーンに最適化した立体音響を実現するというハードウェア(設備)上の技術を総称したもの。このため、「ULTIRAとドルビーデジタルの2つが相反するようなことは無く、プラスアルファの効果となる」としている。

やや湾曲した大型スクリーンが前方に設置されている
通常の座席はカラーが黒だが、D-BOXのシートは赤
側面に設置されたスピーカー
天井にも配置されている
スピーカーはJBL製

 イオンシネマ幕張新都心の8番スクリーンには、正面と左右、後方、天井に合計47台のスピーカーを配置。約3分間のデモコンテンツを視聴したところ、音が聴こえてくる方向が激しく変わるシーンでも、滑らかに音が移動していく様子が手に取るように分かり、「個別のスピーカーからではなく、劇場全体でまとまりのある音」として感じられた。

 映像に合わせて動く座席の「D-BOX」も、既に同社の複数の劇場で導入されているが、千葉県では初。音に反応して振動するのではなく、あらかじめモーションデザイナーがフレームごとに動作をプログラミングするため、スクリーン上のアクションにシンクロして椅子が動くという。実際に座ってみると、通常の座席よりも多少ゆったりしており、ひじ掛けも隣の席と別になっていて、リラックスできる。しかし、映像との連動が始まると一変。「振動する」というレベルを超えて、ちょっとしたアトラクションのような前後左右の動きに驚かされた。今回はデモコンテンツのみだったが、宇宙空間が舞台の作品である「ゼロ・グラビティ」で、どのような体験ができるか、とても楽しみだ。

 なお、D-BOXはスクリーンの最後尾に設置されている。せっかくのいい音響なので中央に座りたいところではあるが、これはD-BOXが揺れると、その後ろの座席の人の視界に入ってしまい、映画に集中できなくなってしまうためだという。つまり、後ろからもはっきり分かるほどの動きというわけだ。なお、動きの大きさはシート右側の肘掛けにある操作パネルで調整可能。また、チケット売り場付近のオープンスペースにも、D-BOXの座席に座って体験できるデモコーナーが設置されているので、鑑賞の前に試すこともできる。

デモコンテンツをD-BOXで体験した
シートの右側には、揺れ具合を調整できる操作パネルもある
D-BOXの体験コーナー
チケット/飲食のコーナー
上映中の作品

 イオンの旗艦店となる「イオンモール幕張新都心」は、敷地面積約19万2,000m2、延床面積約40万2,000m2(立体駐車場含む)という広大なスペースに約350店が出店。敷地内をバスが巡回し、自転車のタクシーも営業している、一般的なショッピングモールとは別格の規模だ。アパレルや雑貨などのショップや飲食店だけでなく、ランニングやボルダリングといったスポーツ体験コーナーや、子供が遊べる屋上公園、会員用ラウンジなどがあり、“体験”を重視した点が特徴だという。

 全国に展開しているイオンシネマは、映画作品だけでなく、サッカーやプロレスといったスポーツや、音楽ライブなどにも活用。新劇場であるイオンシネマ幕張新都心は、NHK紅白歌合戦の8K/スーパーハイビジョン映像により無料で鑑賞できるパブリックビューイングが行なわれることも決まっている。なお、年末には既に多くのイベントが劇場でライブ上映されることが既に決まっており、紅白のパブリックビューイングが行なわれるのは前述の8番スクリーンではないが、映画以外のコンテンツにも対応するULTIRAは、今後、様々な上映に活用していくという。

会に先立ち、専務取締役の池田晃氏が登壇。「地域の人々が集い、感動を共有できる場を創りたい」と述べた
総支配人の廣瀬渉氏「最高の映像と音響で、これまでにない最高の映画体験をお届けしたい」

(中林暁)