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スペック、Arizona Capacitorsの真空管アンプ向けオイルコンデンサ「Green Cactus」

オイル・コンデンサ「Type C50313“Green Cactus”」

 スペックは、真空管アンプ向けに、米Arizona Capacitorsの新しいオイル・コンデンサ「Type C50313“Green Cactus”」を4月中旬に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は5,000円~6,000円の見込み。

 Arizona Capacitorsは、現在では希少なNOS(New Old Stockパーツ)品が存在する、West Capのオイルコン製造メーカーで、West Capの技術、設備を継承。米国航空宇宙産業や軍需産業等で使用される信頼性の高いオイル・コンデンサを製造している。スペックは日本の正規販売代理店で、2011年には、'60年代のWest Capのオイルコンの復刻版としてハーメチック・シールのオイルコン「Type C50309 “Blue Cactus”」を発売している。

 新たにラインナップされる「Type C50313“Green Cactus”」は、誘電体の素材をクラフトペーパー、マイラーフィルム(ポリエステル)、クラフトペーパーの3層構造としているのが特徴。Type C50309“Blue Cactus”はクラフトペーパー、マイラーフィルムの2層構造だった。

 この違いにより、「ヴィンテージの香りさえする中低域の濃厚なBlue Cactusと比較して、Green Cactusでは美しい中高域と、量感にあふれかつ輪郭の明確な低域を実現する」とし、真空管アンプに使用すれば「艶やかで豊かな情報量の中域をベースに全帯域に渡るスピード感」が得られるとしている。

 北米の針葉樹を原材料にした、無着色のクラフトペーパーを使っており、樹脂フィルムと比べ、特有の機械的な共振モードが無く、音質的なクセも無いため、誘電体にすると、艶やかな音色と自然で聴感に馴染む音質のコンデンサになるという。電極にはアルミ箔を採用し、柔らかな響きを出している。

 容量は「AG104」が0.1μF、「AG224」が0.22μF、「AG474」が0.47μF。耐圧が600VDC。誘電正接は1%以下(120Hz、Genrad 1658)。

(山崎健太郎)