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LUXURY&PRECISION、DAP「E7 4497」用モジュール「PCM1792A DACカード」

PCM1792A DACカード E7専用

オリオラスジャパンは、LUXURY&PRECISION(楽彼)ブランドより、モジュール交換機構を搭載するDAP「E7 4497 PREMIUM」「E7 4497 STANDARD」対応の新モジュール「PCM1792A DACカード E7専用」を、11月1日に発売する。価格は126,500円。

Texas Instruments製のフラッグシップDAC「PCM1792A」を、左右独立構成で2基搭載したE7シリーズの交換用DACカード。最大192kHz/24bitのPCMと、DSD256の再生に対応する。

出力電圧の最適化ではなく、信号経路上の負荷バランスとトランジスタのバイアス点を意図的に調整。わずかな非線形成分を利用することで、倍音の構成と過渡特性を整えたという。

PCM1792A特有の「柔らかな音粒」「溶け合う中高域」は、ポータブル機に最適な電源電圧と音質の両立点を探求。I/V段に±5.8V、出力5.2Vrmsで125dBのダイナミックレンジを達成したプロトタイプからさらに改良した。妥協を許さず再設計した電源アーキテクチャにより、123dBのダイナミックレンジと4.7Vrms出力を両立し、音楽的豊潤さとしなやかな質感を実現している。

各回路ブロックの±電流応答を個別に最適化。動作電流と時間応答を精密に制御することで、トランジスタ動作点の微細なオフセットと電源インピーダンスの整合により、倍音構成が整理。PCM1792A本来の柔らかくも芯のある響きを引き出すという。

一般的な対称電源構成がシミュレーション上の理論値や消費効率を優先するのに対し、AsymPower Controlは非対称電源構成特有の技術的課題を克服。高電圧DACで生じやすい発熱、電圧降下、微小信号の損失を抑えながら、チップが持つ潜在能力を最大限に引き出し、携帯機としての安定性と効率を高い次元で両立したとする。

測定上のピーク値よりも、旋律のつながり、倍音の持続、空間の深みなどの音楽としての一貫性を優先。

中高域の厚みと、低域のわずかな弾力、音場全体に漂う滑らかな余韻を実現するため、線形特性を極限まで整えた設計と、アナログ段の電源供給精度が生み出す電気的調和を実現した。

一般的なDAPではシングルエンド出力は、性能が控えめになってしまう回路構造になる傾向があるとのこと。同モジュールは2基のPCM1792Aの全出力チャンネルをフルに活用し、IV変換・LPF・音量制御・バッファアンプなど全回路がフル稼働する設計を採用した。

3.5mmシングルエンド端子でも、情報量・定位・ダイナミクスのいずれにおいても妥協のない再生を実現するという。

EA4アンプとの最適化を図った専用ラインアウト回路も採用。通常のLOと切り替えることでE7とEA4のマッチングを最適化している。


    【スペック】
  • 3.5mmシングルエンドヘッドフォン出力性能
    SN比(A-weighted):>123dB
    ダイナミックレンジ:>123dB
    THD+N:<0.0001%(24bit/96kHz)
    周波数特性:20Hz~20kHz(±0.2dB)
    クロストーク:>75dB
    出力レベル:最大2.35Vrms(実効値) / 1.15Vrms(標準時)
    出力インピーダンス:1.4Ω
  • 4.4mmバランスヘッドホン出力性能
    SN比(A-weighted):>120dB
    ダイナミックレンジ:>120dB
    THD+N:<0.0003%(24bit/96kHz)
    周波数特性:20Hz~20kHz(±0.2dB)
    クロストーク:>113dB
    出力レベル:最大4.7Vrms(実効値) / 2.35Vrms(標準時)
    出力インピーダンス:2.8Ω
  • 出力パワー
    32Ω負荷時
    3.5mm出力:最大170mW
    4.4mm出力:最大670mW

    100Ω負荷時
    3.5mm出力:最大55mW
    4.4mm出力:最大220mW