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SENDY AUDIOの新平面磁界型「Egret」、音導コア部がステレスのAZLAイヤーピース
2025年11月1日 17:15
「秋のヘッドフォン祭 2025」が11月1日に東京・丸の内のステーションコンファレンス東京で開催。ここでは、Astell&KernやAZLA、Empire Ears、qdc、SENDY AUDIOなど、多数のブランドの新モデルを展開したアユートブースをレポートする。
SENDY AUDIO Egret
平面磁界型ヘッドフォンを得意とするSENDY AUDIOからは「Egret」というヘッドフォンが登場。11月発売予定で、予価は12.1万円前後。
98×84mmの平面磁界ドライバーを搭載。ナノスケールの複合膜振動板を使っており、薄さ800nm未満の磁性切削層を備えたサンドイッチ構造により、応答速度と解像度を向上させている。さらに、独自の電子ビーム蒸着技術により、安定した周波数特性を保持している。インピーダンスは24Ω、感度は95dB。
外観的には、CNCの加工ガンメタル陽極酸化仕上げによる、上品で光沢感のある仕上げ。三重複合分離式ケーブルを採用し、解像度を高め、ディテールも豊かなサウンドになっているという。
qdc 4Pro
qdcからは「4Pro」という有線イヤフォンが登場。4BAを内蔵し、今冬発売予定。予価はユニバーサル型が11万円前後、カスタムIEMが12.1万円前後の見込み。
筐体にライブ、スタジオ、Hi-Fiと、3つのサウンドモードを切り替えるスイッチを搭載。ユーザーが好みに合わせて切り替えられる。
AZLA SednaEarfit mithryl
AZLAブースの注目は、サージカルステンレスを音導コアに採用したイヤーピース「SednaEarfit mithryl」(セドナイヤーフィット・ミスリル)だ。11月8日発売で、MS/M/MLサイズ各1ペアセットの「AZL-MITHRYL-ST-SET-ALL」は4,400円。M/MLなど、2サイズ各1ペアセットは3,300円。
イヤーピースの柔らかい部分は米国製プレミアムLSR(リキッドシリコンラバー)素材を使っているが、軸の音導コア部分に、金属アレルギーに強い外科医療で使用されるサージカルステンレス「SUS 316F」を採用。一体成型したハイブリッドイヤーピースとなっている。
音導コアにステンレスを使う理由は、楽器のようにステンレス音導管の反響を利用することで、装着したイヤフォンのサウンドに美しい響きと音色、広い空間表現を付加するため。
音響効果とユーザビリティを研究した形状により、金属コアを使用しながらもノズルへのしっかりとした勘合、耳へのフィッティングを最適化したという。
FiR Audio Project K
FiR Audioの新製品として参考出品されているのは、有線イヤフォンの「Project K」。11月発売予定で、予価は49万5,000円。
低域用に9mmのKineteci Bass(ダイナミック型)×1、中域用にBA×2、中高域用にBA×1、高域用にBA×1を組み合わせたハイブリッド型。筐体はチタンで、サファイアガラスのフェイスプレートを組み合わせている。
Maestraudio
Maestraudioの注目は、小型軽量IEM「MAPro1000」を、さらにモニターライクにブラッシュアップした「MAPro1000 II」。11月1日発売で、価格は13,200円。
初代MAPro1000は、小型軽量で軽快な装着感を重視したリスニングモニターとして人気となったが、MAPro1000 IIでは、そこからよりモニターライクなフラットサウンドと広い再生帯域、そして軽快な装着感で本質的に「誇張しない忠実さ」を目標としてブラッシュアップ。
前モデルと比較し、「低域は量感を盛りすぎずに土台をしっかり支え、中域はボーカルや楽器の質感を素直に描写。高域は伸びやかさと耳当たりの良さを両立し、全帯域でのバランス感が際立つ」音になったという。
さらに、「MAPro1000」の基本構造を継承しつつ、ドライバーを刷新し、EDMに特化したチューニングを施した「MAPro1000 Drop」も11月1日に発売。価格は14,300円。
初代MAPro1000のフラット基調の正確性を活かしつつ、ドライバーを刷新し低域の量感とキレを強調、クラブミュージックやエレクトロサウンドをより躍動的に楽しめる仕上がりにしたEDM向けに特化させた。MAPro1000 IIとの違いとしては、「MAPro1000 IIが透明感と信頼性を高めた基準機だとすれば、Dropは“フロアを沸かす特化機”」とされている。
また、リケーブルとして「MAW VIRGO」を12月中に発売予定。予価は19,800円。導体は無酸素銅に銀コートを施している。
その他
ULTRASONEからは、「Signature PURE WHITE」に続き、「Signature PURE BLACK」が11月に発売予定。予価は2.8万円前後。
他にも、DAPでおなじみAstell&Kernと、米国のブランド64 Audioがコラボした「XIO」も試聴できる。Stainless Steel 904L筐体に10基のドライバーを内蔵。64 Audio独自のベントシステム「apex(Air Pressure Exchange)」も搭載しており、筐体から「apexモジュール」を引き抜き、付属の別モジュールに交換する事で、遮音性やサウンドを変えられるのが特徴だ。
Empire Earsの新ハイエンドイヤフォン「ODIN MKII」も出展。2DD + 5BA + 2EST(静電) + 2BC(骨伝導)を組み合わせた、片側11ドライバー構成で、リッチなサウンドが楽しめる。
Empire Earsにおいて、IEMの設計開発・製造・販売に携わってきたJack Vang氏が創設したVOLK AUDIOのイヤフォン「ETOILE」にも注目が集まっていた。10ドライバーも搭載しており、クロスオーバー6個の5ウェイ構成。
高域から超高域は、4基のSonion製の静電型(EST)ドライバーと、「M8」と名付けられたMST(静磁)ドライバー×1基でカバー。静磁ドライバーは、静電型とは異なり、外部トランスやバイアス電圧を必要としない。ダイナミック型の振動板を平らにした、平面磁界型に似ており、その振動板が電荷を帯びることで、静電型としても働く。静電型と比べて、低電圧でも駆動できるという特徴がある。























