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4K/8Kやハイレゾ、ウェアラブルなど「CEATEC 2014」7日開幕。ソニーは出展せず
(2014/10/3 11:08)
10月7日~11日に、千葉県の幕張メッセにおいて、IT/エレクトロニクス総合展示会の「CEATEC JAPAN 2014」が開催される。入場料は一般1,000円だが、Web事前登録により無料となる。なお、10月11日の土曜は無料公開日(18才以上は入場登録が必要)。
CEATEC JAPANは、「エレクトロニクスショー」(1964年~)と「COM JAPAN」(1994年~)の2つの展示会を統合して2000年より毎年開催されており、2014年のテーマは「NEXT-夢を生みだし、未来を描け」。毎年、大手電機メーカーや通信/サービス事業者などが出展しているが、2013年まで出展していたソニーは、2014年の出展者リストに含まれていない。
ここでは、各社の展示予定製品や技術を紹介する。
パナソニック
4K対応製品は、テレビのVIERAやレコーダのDIGA、デジタルカメラのLUMIXやビデオカメラといったコンシューマ向けと、カムコーダやタブレット「TOUGHPD 4K」、STBなどBtoB向けに分けて展示。
また、'15年2月より国内でも復活するテクニクス(Technics)ブランドのリファレンスシステム「R1シリーズ」と、プレミアムシステム「C700シリーズ」も出展。ブランドの思想やコンセプト、歴史や要素技術を紹介し、リスニングルームも用意する。
シャープ
「AQUOS 4K」ゾーンにおいて、8K高精細ディスプレイを参考出展するほか、4K対応AQUOSのラインナップや、4Kに迫る画質を実現したAQUOSクアトロンプロを紹介。
車載機器分野の「カーライフワールド」ゾーンでは、6月に発表された、自由な形状に液晶をデザインできるフリーフォームディスプレイや、3Dモーションセンサなどを展示。「スマホワールド」ゾーンでは、フレームレスデザインを採用したスマートフォンや、タブレットの様々な活用シーンを紹介する。
「スマート・スイートホーム」ゾーンでは、太陽電池、蓄電池、HEMSなどのエネルギーソリューションや、ココロエンジンを搭載した"ともだち家電"を出展する。
三菱電機
4K対応のレーザーバックライト搭載液晶テレビ「REAL LS1シリーズ」を紹介する「REAL 4Kステージ」を設置。その映像と音を視聴できる専用シアターも用意する。11日には、AV評論家の麻倉怜士氏や、ジャズボーカリストのSHANTIを招いたイベントも実施する。
また、音質を追求したオーディオナビ「DIATONE SOUND. NAVI」を搭載した実車も用意され、高音質を体験できる。車載機器の新しい操作方法を提案する、自動車向け簡単操作インターフェース搭載の試作車も展示する。
宇宙関連の展示も充実。トルコ向け通信衛星「TURKSAT-4A」の大きさを専用ゴーグルで仮想体感したり、GPSを上回る高精度な測位を実現する「準天頂衛星」の模型展示や将来の利用例紹介なども行なう。
東芝
新たなコンセプト展示として、メガネ型ウェアラブル端末機器「東芝グラス」のプロトタイプを参考展示。来場者が「東芝グラス」を装着し、スポーツや保守点検などを体験できる。
「からだ」ゾーンではウェアラブル生体センサーで健康管理できるリストバンド型活動量計などを展示。クラウド活用のシニア向け在宅サービス「大人の自由時間」や、室内光で消臭、抗菌・抗ウイルス効果を発揮する光触媒スプレー「ルネキャット」なども紹介。
「こころ」ゾーンでは、HEMSと連携するエネルギー機器や生活家電、テレビ新製品を展示。参考展示として新方式のペンタブレットで紙と鉛筆のような書き心地を体験できるコーナーも用意する。そのほか、近接無線転送技術「TransferJet」や、コンテンツ保護技術「SeeQVault」、NFCタグを搭載したBluetooth Smart機器などに対応した半導体やストレージ製品、無線LAN搭載SDHCメモリカードの「Flash Air」などの無線技術製品の展示やデモも行なう。
「環境」ゾーンでは、リチウムイオン二次電池の「SCiB」や、クリーンな次世代エネルギーとして水素を活用する、水素社会の実現に向けた取り組みを紹介する。
パイオニア
オーディオ関連では、ハイレゾ音源をワイヤレスで楽しめるPC周辺機器や、ハイエンドオーディオ機器「TAD」のオーディオシステムを展示。また、クラブカルチャーを盛り上げるための参考展示として、同社DJ機器が世界中の数多くのクラブ・DJに使用されている強みを活かし、世界中のクラバーやDJ、クラブをつないで盛り上げるための提案を行なう。
参考出展される「シースループロジェクション」は、背景を透かして見られる透明ディスプレイ。スクリーンに投影される映像と背景が融合し、これまでにない映像表現を可能にするという。ウィンドウディスプレイやインストアサイネージなど、アイキャッチ効果を期待する場所での利用や、光と映像による空間演出への活用を提案する。
車載機器では、AR(拡張現実)情報をフロントガラスの前方に映し出す製品として展開している「AR HUDユニット」の新開発版を体験可能。また、自動運転の実現に向けた「NEOカーライフスタイル」の提案や、スマホから収集したデータを活用する自動車向けクラウド基盤「モバイルテレマティクスセンター」などの取り組みを紹介する。
有機EL照明では、2013年に資生堂と協力して開発したメイク用有機EL照明など、様々な使用シーンを提案する。
NHK/JEITA
NHKとJEITAは共同でブースを出展。9月に発表された総務省の新たなロードマップにおいて、8K放送の開始が2018年に前倒しされたことを受け、「8Kスーパーハイビジョンとハイブリッドキャストのワクワクを体験」がテーマ。2016年に試験放送開始予定の8Kスーパーハイビジョンや、放送通信連携の「NHK Hybridcast」などを中心に、最新技術とサービスを紹介する。
家庭での8K視聴イメージとして、シアター形式の大型スクリーンで最新の8Kコンテンツを上映。「8Kならではの超高臨場感を体感できる」という。
また、今年度後半期から「Eテレ」と「BS1」、「BSプレミアム」にもサービスを拡充したHybridcastのデモ展示も用意。さらに、技術展示として8K放送時の放送通信連携サービスをイメージした「8Kに対応したハイブリッドキャスト」なども用意する。
NTTドコモ
スマートフォンや最新の通信技術をはじめ、ウェアラブルや自動車関連の体験展示を行ない、「『スマートライフ』の少し先の未来実現に向けた技術」を紹介する。
スマートフォンは、2014~2015年冬春モデルの一部機種が展示され、VoLTEの音質を体験可能。また、「次世代移動通信システム(5G)」に関する実験をビデオで紹介するコーナーも用意。リアルタイムシミュレータで最新技術を体験できる。そのほか、SIMカードが入っていないスマートフォンやタブレットにかざすだけで、電話やメールなどの携帯電話機能を利用できる「ポータブルSIM」も紹介。
ウェアラブルデバイスのコーナーでは、皮膚から自然放出され、体脂肪の燃焼指標となる生体ガス成分のアセトンをウェアラブルデバイスで測定するという世界初の技術も体験可能。皮膚アセトンを日々自動測定することで、生活習慣病の予防や改善に向けた個人別のアドバイスが受けられる。また、着るだけで心拍数などの生体情報の連続計測を可能とする機能性素材「hitoe」を活用したヘルスケアサービスも提案する。
ナビゲーションのコーナーでは、握るだけで目的地までナビゲーションを行なう「YUBI NAVI」を紹介。各自のデバイスを握り合うだけで遠隔でも触覚を通じてコミュニケーションできる新発想デバイスのプロトタイプで、視覚や聴覚ではなく、触覚で情報を楽しむという感覚を体験可能。
「対話型車両エージェント」は、車から運転手に話しかけて会話できる音声エージェントの技術。急ブレーキや目的地への接近などの情報や対話の履歴をふまえ、状況と意図を汲んだ対話を体験できるという。
SeeQvaultによる録画の新提案や、ウェアラブル、Bluetooth機器など
パナソニック、サムスン、ソニー、東芝の4社が開発した新たなコンテンツ保護技術「SeeQVault(シーキューボルト)」のブースは、参加企業の16社が共同で展開。録画コンテンツなどを対応機器同士で自由に転送したり、機器の買い替え時に引き継げるといったSeeQVaultの特徴を紹介する。SeeQVault対応機器やメディアなどの展示を通じ、新たな放送録画の世界を紹介するほか、将来的には、コンテンツ流通や個人情報管理などの様々なサービス領域へも展開していくという。
KDDI研究所は、4Kカメラなどを用いて、テレビで自由なアングルからスポーツを観られるという「4Kフリーナビゲーションテレビによるスポーツ観戦」を展示。選手の目線など、カメラやマイクを設置不可能なアングルからの競技視聴をバーチャル映像/音響で実現するというもので、2020年東京五輪に向けたスポーツ競技コンテンツの視聴体験価値向上を目的としている。
加賀ハイテックは、TAXANブランド「Meoシリーズ」の新製品に加え、ウェアラブル製品としてスマートウォッチを展示。PCやスマートフォン関連の周辺機器も用意する。V-lowマルチメディア放送対応防災ラジオ「MeoSound VL1」なども紹介する。
Bluetooth SIGのブースでは、メンバー企業7社が最新Bluetooth製品を展示。ウェアラブルやスマートホーム、ビーコン、ヘルス&フィットネス、スピーカーなどを用意する。Bluetooth対応機器やアプリの開発者が、Bluetooth技術や認証などに関する疑問を解決する場としても活用できるという。