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フルデジタルのハイレゾ対応ヘッドフォンと薄型スピーカーをTrigenceが参考展示
(2014/10/8 18:33)
10月11日まで幕張メッセで開催されている「CEATEC JAPAN 2014」において、Trigence Semiconductorは、フルデジタルオーディオ技術の「Dnote」を用いたスピーカーやヘッドフォンの試作機を展示していた。同社は、ホール4の「ベンチャーエリア」に出展している。
Dnoteは、デジタル音源をアナログ変換せずに直接スピーカー駆動できる技術で、アナログ変換後などの音質劣化を防げるほか、消費電力の削減や省スペース化を可能にする点などが特徴。
同技術を用いたスピーカーはクラリオンが車載向けやBluetoothスピーカー、LIXILのシステムバス用などに展開しているほか、オンキヨーもスピーカーの開発を行なっている。既報の通り、今回のCEATECでクラリオンは新しいフルデジタルヘッドフォンを参考展示しており、今年度内の発売を予定している。
Dnoteを開発したTrigenceは、対応チップをオーディオメーカーなどに供給しており、これまで出力電圧3.3V版のチップを使ったフルデジタルヘッドフォンが他社で開発されたが、今回のCEATECでは1.8V版を搭載するなど大幅な改良を行なった。これにより、無音時のノイズ解消を含め、音質が大きく改善したという。
デモではこのヘッドフォン試作機をAndroidスマートフォンとiPhoneに接続して試聴可能。iPhoneはLightning端子からUSB-Lightningカメラアダプタ経由で入力。再生に使っていたのは標準プレーヤーだが、オンキヨーのハイレゾ対応アプリ「HF Player」などで再生したハイレゾ楽曲もデジタルのままで入力して聴けるという。バスパワーで駆動するためヘッドフォン側にバッテリは不要。
このヘッドフォンはそのまま製品化を目指すものではなく、最新のDnoteを活用したデモとして展示し、メーカーなどへ訴求するための試作機だが、ブースで試聴したところ、コンパクトなオンイヤーヘッドフォンながら繊細な高域描写やパワフルな低音も感じられた。
このほかにも、PCからのUSBハイレゾ入力とBluetooth接続の両方に対応した、5.0V版Dnote搭載の小型スピーカーや、3.3V版Dnoteを備えた超薄型のBluetoothスピーカーも展示。パソコンやスマートフォンなどの周辺機器としての利用を想定している。