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Technicsから2ウェイヘッドフォン。ターンテーブル復活、音楽サーバーや一体型も

 パナソニックは、ドイツで9月4日(現地時間)に開幕する国際コンシューマ・エレクトロニクス展「IFA 2015」に先立ち、Technicsブランドの新製品を発表。新シリーズとなる「 Class G30」、オールインワンシステムの「OTTAVA Premium Class C500」シリーズを新たに追加。さらに、ヘッドフォン「EAH-T700」も製品化する。以下に記載する発売時期は欧州向けのもの。

Technicsブランドのヘッドフォン「EAH-T700」

 また、2日に行なわれたプレスカンファレンスでは、アナログターンテーブルの新モデルも発表。テクニクスを象徴する製品といえば、ターンテーブル「SL-1200」が挙げられるが、新モデルはダイレクトドライブ式で、ドライブ部など多くの部分を新規開発。過去モデルの技術ノウハウも投入している。今冬に詳細を発表予定。

プレスカンファレンスで発表されたアナログターンテーブル

ヘッドフォン「EAH-T700」

 「Technics数十年の技術を具現化した」というヘッドフォンは2015年内に発売予定。ハウジングは密閉型。大きな特徴は、中低域を担当する50mm径のダイナミック型ユニットに加え、14mm径のスーパーツイータも搭載した2ウェイ仕様になっている事。3Hz~100kHzまでのワイドレンジな再生ができるという。

ツイータも搭載した2ウェイ構造
ハウジングは前後にも可動し、頭にフィットするという
人間工学に基づいたイヤーパッドを採用

 ユニットには角度がつけられており、フローティング機構や振動を抑制するフレーム、強固なアルミハウジングなどを採用。イヤーパッドは人間工学に基づいた形状になっている。

 ケーブルは着脱式で、4N OFCの導体を採用。1.2mのものと、3mのケーブルが付属。バランス駆動にも対応できるという。

Grand Class G30シリーズ

 リファレンスモデル「R1シリーズ」と、プレミアムシリーズ「C700」の中間に位置付けられる、新しいシリーズ。欧州で2016年春の発売が予定されている。

Grand Class G30シリーズ

 ネットワークプレーヤーとUSB DAC機能を内蔵したアンプ「SU-G30」と、CDのリッピングと蓄積、DLNAサーバー機能を内蔵した「ST-G30」という2モデルで構成される。

ネットワークプレーヤーとUSB DAC機能を内蔵したアンプ「SU-G30」

 アンプのSU-G30はデジタルアンプで、R1シリーズのアンプにも使われている、高速で超低ON抵抗のGaN-FET Driverを搭載。独自のノウハウにより、ノイズシェーピングの速度、次数と再量子化数、PWMの階調数を最適化し、ハイレゾ信号のダイナミックレンジを損なわずにPWM信号に変換できるという。「JENO Digital Engine」も搭載する。クロックジェネレーターはバッテリ駆動型。

 出力は100W×2ch(4Ω)、50W×2ch(8Ω)。スピーカーを最適に駆動するために、負荷に適応した位相のキャリブレーションも実施。周波数変動の抑制や、音の歪みを最小化を実現したという。

 DLNAのネットワーク再生機能もジッタやノイズの除去に注力。伝送された音楽データを、パワー段まで最短ルートで伝送する事で、音質の低下も最小化しているという。ハイレゾ音楽は、FLAC/WAV/AIFF/ALAC(Apple Lossless)の192kHz/24bitや、DSD 5.6MHzまで再生可能。

 USB DAC機能も搭載しており、PCMは384kHz/32bit、DSDは11.2MHzまでの再生が可能。アシンクロナス伝送もサポートしている。光デジタル入力、同軸デジタル入力も装備。Phono(MM)入力、アナログ入力、ヘッドフォン出力も備えている。

 無線LAN機能やBluetooth受信、AirPlayにも対応。Bluetoothのコーデックは、AAC、aptXをサポートする。外形寸法は430×424.5×98.5mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は11kg。

リッピング機能付きのミュージックサーバー「ST-G30」

 ST-G30はミュージックサーバーと位置付けられた製品。SSDを内蔵しており、HDDのような可動部分が無く、静粛な動作が可能。ノイズやジッタを低減するデジタルアイソレーション技術も投入されている。

 CDドライブを備えており、ビットパーフェクトでCDのデータを正確に読み取り、SSDにリッピングできる。リッピングフォーマットはFLAC/WAV。DLNAサーバーとして動作し、ネットワークプレーヤーに音楽を配信できる。

 また、USB 3.0端子、USB 2.0端子も1系統装備。USBオーディオ出力をする事もでき、PCMは384kHz/32bit、DSDは11.2MHzまでの出力が可能。USB DAC機器と組み合わせて、プレーヤーのように使う事もできる。

 スマートフォンのアプリから音楽ライブラリの管理や編集、設定、操作などが可能。本体の外形寸法は430×388.5×98.5mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は10.5kg。

オールインワンシステム「OTTAVA Premium Class C500」

 2015年の発売を予定している、メインユニットとスピーカーで構成するシンプルなシステム。メインユニットは小型だが多機能で、天面にCDプレーヤーを搭載、アンプを内蔵するほか、USB DAC機能、DLNAのネットワークプレーヤー機能、無線LANやBluetooth受信、AirPlay機能もサポートしている。

オールインワンシステム「OTTAVA Premium Class C500」

 アンプ部には、上位モデルにも採用している「JENO Engine」や、LAPC(Load Adaptive Phase Calibration)を搭載。バッテリ駆動のクロックジェネレーターも搭載している。アンプの出力は合計100W。光デジタル入力やヘッドフォン出力も備えている。

 DLNAのネットワーク再生機能は、FLAC/WAV/AIFF/ALAC(Apple Lossless)の192kHz/24bitや、DSD 5.6MHzまで再生可能。USB DAC機能は、PCMが192kHz/32bit、DSDは5.6MHzまでの再生が可能。アシンクロナス伝送もサポートしている。光デジタル入力も装備する。

天面にCDプレーヤーを備えたメインユニット
同軸2ウェイスピーカー

 細身のスピーカーは、設置の自由度を高めつつ、低音を補うためにスパイラル状のバスレフポートを採用。同軸2ウェイユニットを搭載しており、ウーファは16cm径のフラットタイプ、ツイータは1.9cm径のドーム型。

 エンクロージャの形状は、ツイータから放射する音波と干渉しないようなデザインを採用。表面はハイグロスピアノフィニッシュ。外形寸法は220×286×336mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は8.5kg。

(山崎健太郎)