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Technics初のイヤフォン。磁性流体採用&超高域100kHz再生、12万円
2019年10月8日 13:15
パナソニックは、新生テクニクス(Technics)ブランドで初となるイヤフォン「EAH-TZ700」を、11月15日に発売する。価格は12万円。
業界初という、磁性流体を用いた新開発のダイナミック型「プレシジョンモーションドライバー」を搭載したハイレゾ対応イヤフォン。高音質な音楽コンテンツを自宅でも外出先でも楽しみたいというニーズに応えるため開発した。
新開発の10mm径「プレシジョンモーションドライバー」は、ボイスコイル部の磁気ギャップに磁性流体を充填し、磁性流体表面をボイスコイルが滑るように動作させることで振動板を正確にストローク。「インサイドホンドライバーとしてこれまでと次元の違う超低歪再生を実現した」という。
強度と内部損失特性の高さが特徴のPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)素材のしなやかなエッジを採用。高剛性の特殊アルミニウム振動板と組み合わせて、イヤフォンでは再現が難しかったという超低域から超高域までの広帯域再生を可能にした。再生周波数帯域は3Hz~100kHz。
ドライバーの後端には、ドライバー前後の空気の流れを精密にコントロールする「アコースティックコントロールチャンバー」を装備。理想的な帯域バランスとフラットな特性を実現したという。
ハウジングは、チタンとマグネシウムを組み合わせた構造で振動を分散・抑制。解像度の高い音を実現する。ポートハウジングには軽量/高硬度なチタンを使い、ドライバーを保持して不要な振動を抑えている。ポートハウジングとアコースティックコントロールチャンバーを収める本体ハウジングは、軽量で振動減衰特性に優れたマグネシウムダイキャスト製。
ドライバーの持つ広帯域性能を活かすため、点音源がダイレクトに伝わる、ドライバーとポートの同軸レイアウトを採用した。ハウジングは、耳への最適な挿入角度で安定した装着ポジションを実現する3D形状。軽量/コンパクトさと快適な装着性を両立した。
ケーブルは着脱可能で、イヤフォン側の端子はMMCX。付属ケーブルは、ステレオミニと、2.5mm 4極バランスの2種類で、いずれもプラグ形状はL型、長さは1.2m。ケーブルの材質は、しなやかさやタッチノイズの少なさなど使いやすさも重視。芯線は、PCUHD(Pure Copper Ultra High Drawability)とOFCのハイブリッドタイプ。PCUHDは、厳選した原材料を使い、介在物/不純物の混入を厳しく管理した工程で鋳造された高品位無酸素銅。
ハウジング部はマグネシウムダイキャストの質感を活かし、既発売ヘッドフォンEAH-T700と同じブラックの外観。装着感も重視したコンパクトなデザインに仕上げた。MMCX端子部にはローレット加工を施し、金メッキ仕上げにより質感を高めた。
イヤーピースはシリコン製で、円型(ノーマルタイプ)に加え、外耳道の形状に沿いやすい楕円型(オーバルタイプ)の2種類を用意。周辺部と中心部でシリコン硬度を変えながら遮音性に配慮。それぞれ4サイズ(S/M/L/XL)から選べる。
インピーダンスは19Ω、音圧感度は108dB/mW、最大入力は100mW。ケーブルを除く重量は約7gで、ケーブルを含めると約22g。なお、10月8日の発表当初は重量を約6gとしていたが、音質改善のためハウジング内部にリブを追加したほか、低域の音圧改善のため、音響BOX容積を変更したことで約7gに変更された(10月24日追記)。イヤフォンとケーブルを収納して持ち運べる専用キャリングケースも付属する。