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JVC、ライブストリーミング機能強化の業務用HDビデオカメラ。モバイル端末から操作も

 JVCケンウッドは、JVCブランドの業務用HDビデオカメラ2モデルを4月下旬に発売する。価格はオープンプライスで、想定価格は、「GY-HM660」が60万円前後、「GY-HM620」が50万円前後。上位モデルのHM660は、ライブストリーミング機能を強化したのが主な特徴。

GY-HM660(マイクは別売)

 両機種とも、報道取材やブライダル、スポーツなどの幅広い撮影シーンへの対応を目的とし、新開発の1/3型250万画素フルHD 3CMOSセンサーを搭載。独自のノイズリダクション技術により暗電流や光ショットノイズを除去し、S/N感や高解像度感を損なうことなく、F12の高感度と低ノイズを実現したという。光学23倍ズームと、35mm判換算の焦点距離29mm~667mm(F1.6~F3.0)のFUJINON製ワイドズームレンズを搭載。低照度でも高画質撮影可能としている。

 記録フォーマットは、MPEG-2 Long GOP、AVCHD、MPEG-4 AVC/H.264から選択可能。ファイルフォーマットは、QuickTime(MOV)とXDCAM EXノンリニア編集ワークフローに適したMP4ファイル、MTSファイルに対応。上位モデルのHM660は、MXFファイルにも対応する。プログレッシブ/高ビットレートの「H.264 50Mbpsモード」(1,920×1,080ドット/MOV)も用意する。SDカードスロットを2基備え、シリーズ記録、デュアル記録、バックアップ記録に対応する。

 ライブストリーミング向けの機能を強化したHM660は、ネットワーク接続機器からのライブストリーミングプロトコルのRTMP(Ustream/YouTube Live)に加え、業界標準の「SMPTE 2022-1プロトコル」にも新たに対応。簡単/低コストで高品位なデータ送信を可能にしたという。また、クラウドサービス「Zixi」に対応した(別途料金が必要)ほか、送信補正を強化する新モードを追加。Zixiサーバーを使用したFTP機能も備えている。

 また、ネットワーク経由で音声を受信できるIP伝送リターンオーディオ(IFB)機能にも6月公開予定のファームウェアアップデートで対応。撮影者はスタジオコントロールルームなどからネットワークを介して音声による合図などを受け取れる。

 このほか、HM660は別売ネットワークアダプタの装着により、カメラへの直接接続、またはアクセスポイント経由でモバイル端末によるリモートビューイングに対応。カメラ操作(REC/PAUSE、フルオート、ズーム、アイリス、フォーカス調整など)や詳細設定(ゲイン、シャッタースピード、ホワイトバランスなど)もモバイル端末からリモートコントロールできる。ネットワーク経由でのファイル送信が可能なFTPクライアント機能や、HDファイルと他ファイル(HDファイル、SDファイル、Webファイル)の同時記録にも対応。

 両機種共通の特徴として、オート/マニュアルの切り替えスイッチ、フォーカス/ズーム/アイリスを調整する独立三連マニュアルリングを装備。光学式手ブレ補正機能やNDフィルター(OFF、1/4、1/16、1/64)を搭載する。出力端子はHD-SDIやHDMIを備え、HD SDI/SD SDIとHDMI出力は、モニターとラインの同時出力に対応。HDMI出力は1080pにも対応する。

 従来モデル「GY-HM650/HM600」から輝度を約2倍に高めた3.5型92万画素の液晶モニタを搭載。0.45型122万画素カラービューファインダを備え、フォーカスアシスト機能と拡大フォーカス機能も利用できる。

 記録開始の最長15秒前からの映像と音声の記録が可能な「Pre Recモード」や、設定したフレーム数を、設定した間隔で間欠記録する「Interval Rec」、スローモーションやクイックモーションなどのバリアブルフレームレート記録にも対応する。

 音声入力はXLR×2、ステレオミニ×1で、ステレオミニのAV出力や、ヘッドフォン出力も装備。USBや、ワイヤードリモコン用2.5mm端子なども備える。外形寸法は、177.5×415.5×197mm(幅×奥行き×高さ)、バッテリ(SSL-JVC50)装着時の重量はGY-HM660が約2.5kg、GY-HM620が約2.4kg。

(中林暁)