Eye-Fi、無線LAN SDカード標準規格に「特許侵害」表明

-SD Associationに対し「必要な手続きを経ていない」


Eye-Fiの無線LAN内蔵SDカード「Eye-Fi Mobile X2」

 Eye-Fiは、SD Association(SDA)が米国時間の9日に発表した無線LAN搭載SDカードの標準規格「Wireless LAN SD」に対して、「Eye-Fiの重要な特許技術を侵害するもの」と表明した。

 SDAでは、規格の標準化に関して60日の検討期間を設けることが定められており、この期間内にSDA加盟企業がSDAに対して、自社の知的財産権・特許権を主張したり、特許のライセンスを与える意思表明をすることになっているという。また、標準化規格の内容が加盟企業の知的財産権/特許に抵触し、そのライセンスをSDAに提供しない場合は、SDAは規格仕様を改定し、再度60日の検討期間を設けて、最終的にはSDA幹部による投票で採用が決まるという。

 SDAに加盟しているEye-Fiは、現時点で今回の「Wireless LAN SD」規格は検討期間内にあり、採用に関する投票もこれから実施されると見ていたが、同社がSDAに確認したところ「知的財産権・特許レビューが完了すれば、技術の詳細の内容の変更はできず、ライセンス部分の変更のみになるため、過去にも知的財産権・特許レビュー期間中の発表を実施したことがある」との回答があったという。

 Eye-FiはSDAの発表について「標準規格を策定するのに定められた手続きを経ていない。このままでは、Eye-Fiの重要な特許技術は、この標準規格の技術を実装する全ての企業により侵害されることになる」と危惧している。

 前述した規則の検討期限である60日が切れる前に、Eye-Fiは「Wireless LAN SD」に含まれているEye-Fiが保有する複数の知的財産/特許の詳細をSDAに提出。同社は「写真や動画を、カメラや携帯端末から無線で転送する技術を開発するために、長い年月と数千万ドルもの資金を投資してきた。我々はSDAが定めた手続きを尊重している。そしてSDAにもその手続きを尊重するように呼びかけている」とコメントしている。



(2012年 1月 24日)

[AV Watch編集部 中林暁]