ソニー、フロントハイ対応の低価格AVアンプ「STR-DH530」

-42,000円。ESシリーズと同じ音場モード搭載


7.1ch AVアンプ「STR-DH530」

 ソニーは、エントリーモデルながら、フロントハイ・スピーカーにも対応した7.1ch AVアンプ「STR-DH530」を4月20日に発売する。価格は42,000円。

 前方左右の高い位置に設置するフロントハイ・スピーカーを含む、7.1ch再生に対応したAVアンプ。サラウンドバック7.1chにも対応するが、フロントハイとは排他利用となる。

 フロントハイ・スピーカーも活用する7種類の音場モードを備えており、独自の音場モード「HD-D.C.S.(HD デジタル・シネマ・サウンド)」や、「ホール」、「ジャズ・クラブ」、「コンサート」、「スタジアム」、「スポーツ」、「マルチ・ステレオ」から選択可能。

 「HD-D.C.S.」は、上位モデルのESシリーズにも搭載されているモードで、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(SPE)が協力。ハリウッドにある大型ダビングシアターの音場を、高精度音場測定用8点マイクを使い、96kHz/24bitで測定。そのデータを反映させたモードとなる。映画館の広さを再現する「HD-D.C.S. スタンダード」と、高い位置からの反射音を再現する「HD-D.C.S. フロントハイ」のモードが選択可能。フロントハイ・スピーカーを利用することで、高さを含めた映画館の響きが楽しめるという。さらに、ドルビープロロジックIIzの7.1chバージョンにも対応する。

 独自のペアマッチング方式自動音場補正機能「D.C.A.C.」(Digital Cinema Auto Calibration)も、フロントハイに対応。付属の測定マイクを使う事で、高精度かつ高速に測定/補正できるという。スピーカーの接続確認や、各チャンネルの距離・音量バランス・周波数特性の補正が約30秒で行なえる。

 HDMI入力は4系統、出力は1系統装備。3D映像のパススルーに加え、オーディオリターンチャンネルにも対応。

 また、ソニーの液晶テレビ・BRAVIAで動作するアプリ「オーディオ機器コントロール」に対応。BRAVIAの画面上で、入力やサウンドフィールドの切り替えを、BRAVIAのリモコンを使って行なえる。スピーカーの再生レベルの調整も可能。対応するBRAVIAは、ソニーのページで案内されている。


背面

 最大出力は140W×7ch(6Ω)、定格出力は85W×7ch(6Ω)。アンプ部の回路は、モジュール化を図った「高音質メタルコアモジュール」を採用。性能の良い個別部品をアルミ基板にマウントしたフルディスクリート回路で、ESシリーズでも採用されているもの。モールドされていないベアチップを搭載したトランジスタは機械的歪みの影響を受けにくく、「エントリークラスでありながらダイナミックで抜けの良い高音質を実現した」(ソニー)という。

 デコーダはドルビーTrueHDやDTS-HD Master AudioなどのHDオーディオに対応。サラウンドバックチャンネルを加え、最大7.1chで再生できる。

 ほかにも、深夜の映画鑑賞で活用できる「ナイトモード」、圧縮音楽ファイルを再生する際に高域を補正する「ポータブルオーディオエンハンサー」機能も装備。背面にステレオミニの入力も備えており、ポータブルプレーヤーと気軽に接続できるという。

 AM/FMチューナも備え、各30局のプリセットが可能。HDMI以外の端子として、入力用にコンポーネント×2、コンポジット×2、光デジタル音声×2、同軸デジタル音声×1、アナログ音声×5(ステレオミニ1系統含む)を用意。出力は、コンポーネント×1、コンポジット×1、サブウーファ×1、ヘッドフォン×1。外形寸法は430×322×157.5mm(幅×奥行き×高さ)、約7.6kg。消費電力は約170W、待機時消費電力は約0.3W。



(2012年 3月 8日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]