NHK、オリンピック初のTV向けハイビジョン配信を実施

-スマホ向けライブ配信も。SHV公開上映は東京と福島


 NHKは、7月に開幕するロンドンオリンピック期間中のデータ放送や、インターネット動画配信などの展開について発表。テレビ向けにオリンピックで初のハイビジョンネット配信を行なうことや、新たにスマートフォン対応コンテンツを提供することなどを明らかにした。

 また、スーパーハイビジョン(SHV)による公開上映(パブリックビューイング)について、国内の上映会場が決定したことも発表した。



■ アクトビラでハイビジョン動画配信。スマートフォン向けサイトも

 ロンドンオリンピックは、2012年7月28日~8月12日(日本時間)に開催される。

 完全デジタル化後、初となるロンドンオリンピックでは、データ放送とインターネットを活用した、さまざまなサービスを予定。オリンピックでは初とするスマートフォン対応コンテンツも用意する。

 NHK総合とBS1は、大会期間中(7月25日開始予定)のデータ放送トップ画面をオリンピックバージョンに変更。全競技の公式データをほぼリアルタイムで表示するほか、同時刻に行なわれている他の競技の速報を随時、画面の下に表示する。日本人選手の結果や、国/地域別のメダル数なども確認できる。

 さらに、テレビをインターネットに接続することで、当日以外の期間中の全競技結果も閲覧可能。「アクトビラ ビデオ・フル」対応テレビ(一部機種を除く)に向けて、オリンピックで初めてハイビジョン画質の動画を配信予定。ハイライトや注目の日本人選手、メダリストの活躍をダイジェストで視聴できるという。

 NHKのパソコン向けサイト内「NHKオンライン」に、五輪特設サイトを開設して、関連ニュースや競技結果などを掲載。一部競技のライブストリーミング配信についても認可を申請中だという。新たに「お気に入り機能」を採用し、好きな選手や競技の結果や動画にすぐアクセスできるようになるという。

 また、「動画集」のページでは、日本人選手、メダリストの活躍を中心に映像配信を行なう。サッカーの「シュート集」や、柔道の「日本選手の一本勝ち集」といった特集も予定している。検索機能により、種目ごとや選手ごとの動画をまとめて表示することも可能。

 新たに開設したスマートフォン/携帯電話用サイトでも、関連ニュースや競技結果、放送予定などを案内。動画のライブストリーミング配信についても認可申請中。また、スマートフォン以外の携帯電話向けサイトでは動画配信を予定していないが、情報をコンパクトにして、軽快な動作で閲覧できるようにコンテンツを工夫しているという。



■ パブリックビューイングは東京・福島の4会場

パブリックビューイングの中継方法

 NHKでは既報の通り、ハイビジョンに比べ16倍高精細とするスーパーハイビジョン映像と22.2chの音響でパブリックビューイングを実施。臨場感のある映像と音声でオリンピックを楽しめるという。

 国内の会場は、東京・渋谷のNHK「ふれあいホール」と「スタジオパーク」、秋葉原の「ベルサール秋葉原」、福島の「NHK福島放送局」に決定した。なお、当初は渋谷、秋葉原、大阪を予定していた。海外でもロンドンとワシントンで関係者向けに実施予定。

 会場ごとに上映設備は異なり、渋谷のふれあいホールは520型プロジェクタ、スタジオパークは360型液晶ディスプレイ、ベルサール秋葉原は300型プロジェクタ、NHK福島は350型プロジェクタを使用する。



(2012年 6月 8日)

[AV Watch編集部 中林暁]