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'13年上半期の薄型TVは販売台数減も単価上昇。GfK調査

平均単価は56,500円。50型以上の7%が4Kに

 GfKマーケティングサービスジャパンは、2013年上半期の家電およびIT市場の国内販売動向を発表した。国内家電市場は6月に家電量販店の売上高がアナログ停波以来約2年ぶりに前年を上回ったほか、主要品目の平均価格が下げ止まりの傾向にあるなど回復の兆しが見られたものの、通年の市場規模としては前年をわずかに下回ると見込む。

薄型TV市場動向の推移(万台)
(出展:GfKマーケティングサービスジャパン)

 そのうちAV市場については、薄型テレビが前年比33%減の320万台となり、エコポイント制度とアナログ停波後の特需反動が引続き継続して低調なものの、下落が続いていた平均単価は、前年上期から13%上昇の56,500円となった。また大画面化が進展し、50型以上の数量構成比は、2012年通年の5%から8%まで拡大している。

 大画面化を後押ししたのが4Kテレビ。50型以上における4Kテレビの構成比は年始の1%弱から6月には7%まで拡大。「売り場特設・製品説明会といった大々的な展示・訴求が奏功した」と分析している。

 Blu-ray Disc/DVDは前年比20%減の273万台。数量ベースで市場の約半数を占めるBDレコーダは外付けHDD対応テレビの増加と、TVと同様の特需の反動から、前年比33%減の130万台。BDレコーダの平均価格は、高価格帯の構成比が拡大した結果、47,000円と前年から2%上昇している。

 また、その他いくつかのAV製品では「スマートフォン普及の影響がみられた」とする。ポータブルメディアプレーヤーは数量前年比18%減、デジタルビデオカメラは同13%減と縮小。スマートフォンでも代用可能な機能を有していることや、同様の機能を備えた他製品が台頭したことも要因として挙げられるとする。一方、ICレコーダは同3%増とプラス成長を維持。ヘッドホン/ヘッドセットは数量ベースでは前年比3%減となったものの、平均価格の上昇により金額ベースでは同4%増となった。

 2013年上半期の携帯電話は前年比4%減の1,823万台で、3年ぶりのマイナス。スマートフォンは前年比16%増の1,350万台となり、携帯電話販売における数量構成比は74%に達した。タブレット端末は前年比約2倍の262万台。リテール市場は、家電量販店、携帯電話専門店ともに前年から販売が大きく伸長し、数量前年比111%増となった。家電量販店は7インチクラス(7-7.9インチ)モデルを豊富に取り揃え、携帯電話専門店はWi-Fiモデルの取扱いを拡大。結果として、7インチクラスの数量構成比は2012年通年から33%ポイント拡大し61%に達した。Wi-Fiモデルの数量構成比は62%へ上昇した。

 イメージング市場では、デジタルカメラが前年比2%減の444万台と、販売台数ベースで減少が継続。コンパクトカメラが同12%減の328万台と縮小する一方、レンズ交換式カメラは同46%増の116万台と拡大。これにより全体の販売金額は前年比11%増となった。レンズ交換式カメラの内訳では、ミラーレス一眼は同30%増の46万台と好調を維持、2007年をピークに伸び悩んでいた一眼レフも同59%増と大幅な伸長を記録した。GfKでは「ミラーレス一眼の台頭により、レンズ交換式カメラに対するユーザーの裾野が広がっている」と分析。レンズ交換式カメラの好調な販売に伴い、交換レンズも前年比26%増の44万本と大きく拡大している。

(臼田勤哉)