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【CEATEC 2013】将来の4K映像再生にはHDCP 2.2が必須に

シリコンイメージがMHL 3.0/HDMI 2.0対応レシーバ発表

 シリコンイメージは既報の通り、4K映像と著作権保護のHDCP 2.2をサポートしたMHL 3.0/HDMI 2.0対応のレシーバIC「SiI9679」を発表。2013年第4四半期よりサンプル出荷し、量産は2014年第1四半期より開始する。同社は、10月1日に幕張メッセで開幕した「CEATEC 2013」に合わせて会場近くにプライベートブースを設け、新チップの特徴などの説明を行なった。

テレビでの4Kプレミアムコンテンツ再生にはHDCP 2.2対応が必須に

シリコンイメージのMHL 3.0/HDMI 2.0対応レシーバIC「SiI9679」

 MHL 3.0の仕様は8月20日にMHLコンソーシアムから発表済みで、4K/2160p30(30p)映像や、著作権保護の最新バージョンであるHDCP 2.2、ドルビーTrue HD/DTS-HDの7.1chサラウンド音声、最大10Wの給電などをサポートする。

 発表された新レシーバICは、テレビやAVアンプ、プロジェクタなどへの搭載が見込まれており、HDCP 2.2に対応。さらに、HDMI 2.0でサポートしているフォーマットの一つである4K/60p映像にも対応し、搭載機器でHDMIケーブル1本で伝送可能。MHL 1.0とMHL 2.0、HDMI 1.4、HDMI 2.0との互換性も持つ。

BDプレーヤーからの1080p映像を4Kにアップコンバート、HDCP 2.2の著作権保護を掛けて再生するデモを行なった

 HDCP 2.2の採用については、ハリウッドメジャー6社のSPE、パラマウント、ワーナー、20世紀FOX、ディズニー、ユニバーサルで構成するMovieLabs(Motion Picture Laboratories)が、4K映像などの「プレミアムコンテンツ」に対応するデジタル機器のプラットフォームとして、HDCP 2.2の採用が必須であると9月中旬に要求したことに応えたもの。この要求により、今後の4K対応製品では、HDCP 2.2をサポートしていなければ、将来の動画配信サービスやパッケージメディアで提供される4Kプレミアムコンテンツが表示できなくなると見られる。

 HDCP 2.2にソフトウェアのバージョンアップで対応するのは難しいことから、シリコンイメージでは新しいレシーバICの「SiI9679」を、プレミアムコンテンツをサポート済みの製品として訴求する。また、MHLは多くのスマートフォンでも採用されていることから、「モバイル機器でも4K/60pコンテンツを視聴できる環境が整った」としてモバイルでの4K対応サービスの実現にも期待を寄せている。

既存のMHL対応機器のデモ。スマホ用のスピーカー
ディスプレイやBluetoothキーボードをつなげて、スマホをパソコンのように使うというデモ
右側の白い端末はノートPCに見えるが、これはスマホ(左)をMHL接続して使うディスプレイ兼キーボード
ゲームのコントローラとしてMHL接続したスマホを使用
Wireless HDを使ったゲームコントローラのデモも
HDMI接続(右)とWireless HD接続(左)を比較して、ワイヤレスでもほぼ遅延が無いことをアピール
HDMI接続したBDプレーヤーなどの映像を、HDMI入力切替する前にプレビュー表示する「InstaPrevue」のデモ。前述のMHL 3.0レシーバICと組み合わせて利用することも可能
プレビュー画面のサムネイル表示
使用チップ

(中林暁)