ニュース
「圧倒的ナンバーワン4K」。ソニー新4K BRAVIA発表
プレミアム4Kを掲げるソニーテレビ戦略
(2014/4/15 21:41)
ソニーは15日、4K BRAVIA新製品の発表会を開催した。最上位/最高画質X9500Bシリーズと、サイドスピーカーを搭載し、音にもこだわった中核機「X9200Bシリーズ」、アンダースピーカー型で49~70型までの「X8500Bシリーズ」の3シリーズ8モデルで展開し、「プレミアム4K」をキーワードに、4K体験を中心にプロモーションを展開。4Kテレビ市場の拡大を図る。
X9500Bシリーズと、X9200B/X8500Bシリーズの詳細については、別記事を参照してほしい。
型番 | サイズ | 特徴 | 発売日 | 価格 |
---|---|---|---|---|
KD-85X9500B | 85型 | 直下型LED 最高画質 | 7月26日 | 200万円 |
KD-65X9500B | 65型 | 5月24日 | 80万円 | |
KD-65X9200B | 65型 | サイドスピーカー 中核モデル | 65万円 | |
KD-55X9200B | 55型 | 45万円 | ||
KD-70X8500B | 70型 | スタイリッシュ4K | 6月28日 | 65万円 |
KD-65X8500B | 65型 | 6月14日 | 56万円 | |
KD-55X8500B | 55型 | 36万円 | ||
KD-49X8500B | 49型 | 32万円 |
4Kは若者にも浸透。新BRAVIAの正常進化
ソニーマーケティング プロダクツマーケティング GP ホームエンタテインメントプロダクツマーケティング部 統括部長の本多健二氏は、報道向けの「体験会」であると切り出し、各ブースで画質や音質を体験できるような会場設定としたことを強調。販売の現場でも4Kの画質や音質の“体験”を強く打ち出していく姿勢を示した。
国内のテレビ市場は、2011年の地上アナログ放送停波以降大幅な落ち込みとなっていたが、2013年度は大型化や高付加価値モデル商品のシェアが拡大するなど回復傾向を見せた。中でも、大画面化/高付加価値化が進んでおり、市場全体で46型以上の金額構成比が約40%となった。こうしたトレンドの背景を本田氏は「2005~8年ごろの早期に薄型テレビを導入した層の買い替え需要」と分析する。
さらに、金額構成比の17~18%は4Kテレビで、「2-3月に限れば、25%を超えている」という。こうした状況から、「大型の成長牽引には4Kも含まれており、2013年に4Kテレビがしっかり市場に定着した」とし、同社が“4K元年”に位置づけた2013年の4Kテレビ販売の成果をアピール。4Kテレビにおけるソニーの金額シェアは約7割となったとする。
また、本多氏が強調したのは、20~30歳台の若い世代の購入が増えている点。'13年8月は20~30台が31%だったが、'14年1月には44%まで拡大した。「4Kが“特別なもの”ではなく、若い方から見ても、通常の付加価値の高いテレビとして選択いただけているのではないか」(本多氏)と分析した。
2013年には4Kテレビで金額シェア約70%(ソニー調べ)と高いシェアを獲得。この成果について、「付加価値がしっかり受け入れられた。この路線を拡大していきたい」とし、市場拡大にあわせて、X9500B、X9200B、X8500Bの3シリーズで展開することを説明した。
最上位X9500Bシリーズについては、「(2013年の)X9200Aシリーズでは、いろいろなリクエストを頂いたが、その中でも“直下型”(LED)が欲しいという声が非常に多かった。そのために最高画質を求めた製品」と紹介。
X9200Bシリーズについては、「4K BRAVIAの代名詞である大型スピーカー」と、性能とデザインを両立したという「ウェッジデザイン」を強調。ウェッジデザインについては、重心を下に持っていくことで、スタンド幅を狭める省スペース化を図ったとともに、スピーカー容量向上による音質強化も実現するなど、“機能美”を体現したデザインであることをアピール。また、サブウーファを前面に配置し、低音のレスポンスを改善したほか、グラスファイバーユニットの採用により、よりクリアな音を実現したことなど、音へのこだわりを強調した。
X8500Bについては、49~70型までの豊富なバリエーションで、4K市場の拡大を後押しする。
新4K BRAVIAの画質は、X-tended Dynamic Rangeによる「つややかさ」、「輝き」などが最大の強化ポイント。X9200Bに同機能を搭載するほか、X9500Bでは更に強化したX-tended Dynamic Range Proを装備する。本多氏は、2012年に4Kの「高精細」、2013年にトリルミナスの「広色域」、そして2014年はX-tended Dynamic Rangeによる「高輝度」と、BRAVIAの画質の進化を説明した。
本多氏は、これまでの4K BRAVIAで「画面にのめり込むような臨場体験」を訴求しいてたとするが、新BRAVIAでは、そのための「画質」、「音質」の強化に加え、「3つめの基本機能」も強化。それが「快速設計」だ。
「朝起きて、テレビを点けても、しばらく操作できない……」といったテレビでは、いくら画質が良くても満足度は低い。そこで、新BRAVIAでは、電源ONやコンテンツ再生速度の向上に取り組んだ。また、テレビや録画番組、YouTubeなどをシームレスにダイレクトにアクセスできるようにインターフェイスも一新。これらを、新BRAVIA3シリーズに最適な形で盛り込んだとする。
「ソニーは、プレミアム4K」。HEVC、HDCP 2.2対応で安心して購入
新BRAVIAのコミュニケーションメッセージは、「ソニーは、プレミアム4K」。その狙いを本多氏は「単に画素が4倍になっただけではなく、画と音が一体になった臨場感、それを快適に使える、将来も安心して使える。その3つが入って初めて4Kの良さになる。そこを訴求して、『ソニーは、プレミアム4K』として、付加価値路線を継続する」と解説した。
また、マス広告だけでなく、店頭での体感展示や街頭イベントなど「体感」を重視したプロモーションを行なう。「昨年いろいろな活動をしたうえで実感したことは、体感の重要性。皆さん『4Kテレビってコンテンツが無いでしょ?』と言われるのですが、確かに今は無いかもしれませんが、テレビでもBDでも写真でも、フルHDより良い画質で、テレビが楽しくなる。いろいろなものを楽しめるテレビということが、昨年の活動を通じてわかっていただけてきた。イベントなどで、4Kの価値をしっかりわかってもらえる機会を増やしていきたい」(本多氏)
なお、4K放送への対応については、「NexTV-Fから今後発表があると思うが、それが発表されない限りまだ何も言えない。ただし、今回のテレビでは、HDMI 2.0、HDCP 2.2対応、HEVCデコーダを搭載している。それらが必要とされれば、すでに対応済みといえる。しっかりと情報提供していく」とした。
また、ソニーはテレビ事業の分社化を発表しているが、この影響については「営業の活動には影響はない。今までどおりで、ご安心して、ご購入いただければ」と語った。価格戦略については、「競合が増えてくるので、自然に価格は下がる。ただ、変な価格競争はしたくない。49型が約32万円は、安くなったようにみえるかも知れないが、フルHDの中級機の倍で、フルHDハイエンドよりも高い。価値を伝えながら、市場を大事に育てていきたい」とした。
ソニーとしてのシェア目標は公表していないが、「大型が伸びており、(テレビ市場全体で)金額シェアが40%になっている。これを半分以上にしていきたい。4K比率は直近25%だが、ここも2倍以上を目指していきたい。4Kの市場を育て、その中でBRAVIAで市場をけん引したい」と説明。「(2013年の)7割という数字は異常で、こういう状態が続くのは良くない。目指すのは4K市場の立ち上げだが、やはり『4KといえばBRAVIA』といっていただけるような、圧倒的ナンバーワンは目指す」と意気込みを語った。