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ソニー、4K画質/音質強化+快速設計の「BRAVIA X9200B」

スリムなX8500Bは49型32万円から。本質価値向上で4K普及

 ソニーは、液晶テレビ「BRAVIA」の4K対応モデルを一新し、サイドスピーカーを搭載し音にもこだわった中核シリーズ「X9200B」、アンダースピーカー型で49~70型まで揃えた「X8500B」、直下型LEDバックライト採用の最高画質/最上位「X9500B」の3シリーズ10モデルを5月24日より順次発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は32万~200万円。

KD-65X9200B
KD-65X9200B

 いずれも、4K/3,840×2,160ドットパネルを搭載しているほか、映像エンジン「4K X-Reality PRO」や、色域や階調表現を向上した「トリルミナスディスプレイ」を搭載し、4Kの臨場感、高画質を追求。中核モデルとなる「X9200B」では、新たに高輝度技術「X-tended Dynamic Range」により、黒の沈み込みやコントラスト感を強調。加えて、最高画質モデル「X9500B」では、直下型LED(ほかはエッジ型LED)と「X-tended Dynamic Range Pro」により、さらに高輝度/コントラスト性能を向上している。

 新4K BRAVIAで追求したのは、新開発の画質処理による「画質の向上」、「音質の向上」、「快速設計」の3点。4Kというキーワードだけでなく、画質、音質、操作性といったテレビの本質価値の進化を追求したという。操作性については、電源ONの高速化やテレビ番組/録画番組/YouTube/写真などの各コンテンツに直感的にアクセスしやすくした新UIも特徴となる。

新4K BRAVIAは3シリーズ
X9500B、X9200B、X8500Bの3シリーズ展開
新4K BRAVIA進化のポイント

 新4K BRAVIAにより、ソニーは4Kへの移行を積極的に進める。中核シリーズとなる「X9200B」は、2013年の「X9200A」で好評を博したサイドスピーカーを継承しながら強化し、画質も向上。55型「KD-55X9200B」と65型「KD-65X9200B」の2サイズで展開する。店頭予想価格は55型が45万円、65型が65万円。

 「X8500Bシリーズ」は薄型デザインとともに、基本性能を充実。49型「KD-49X8500B」、55型「KD-55X8500B」、65型「KD-65X8500B」、70型「KD-70X8500B」の4モデルをラインナップし、4Kの支持層拡大を狙う。店頭予想価格は49型が32万円、55型が36万円、65型が56万円、70型が65万円。

 X9500Bシリーズは直下型LEDを採用した最高画質フラッグシップとして、65型「KD-65X9500B」と85型「KD-85X9500B」の2モデルを展開する。店頭予想価格は65型が80万円、85型が200万円。

新BRAVIA 4Kシリーズ。「KD-65X9500B」(左)、「KD-65X9200B」(中央)、「KD-65X8500B」(右)
KD-65X8500B
最上位モデル「KD-65X9500B」
型番サイズ特徴発売日価格
KD-85X9500B85型直下型LED
最高画質
7月26日200万円
KD-65X9500B65型5月24日80万円
KD-65X9200B65型サイドスピーカー
中核モデル
65万円
KD-55X9200B55型45万円
KD-70X8500B70型スタイリッシュ4K6月28日65万円
KD-65X8500B65型6月14日56万円
KD-55X8500B55型36万円
KD-49X8500B49型32万円

 ここでは中核モデルのX9200Bシリーズと4KスタンダードX8500Bシリーズについて紹介する。最高画質のX9500Bシリーズは別記事を参照してほしい。

サイドスピーカーの4K中核モデル「X9200B」

ウェッジシェイプデザインを採用

 4Kの中核シリーズであるX9200Bは、横から見るとくさび形に見える新デザイン“ウェッジシェイプデザイン”を採用。低重心でスタンド幅が短いため、省スペースな設置が可能となるほか、下部にスペースができるため大容量スピーカーが搭載可能になったという。スタンド位置はラック幅にあわせて外側と内側の2通りが選択できる。

 65/55型の3,840×2,160ドット4Kパネルと、エッジ型のLEDバックライトを採用。エリア駆動にも対応(エリア数は非公開)。120Hzの倍速駆動パネルとLED部分制御により、4倍速相当の残像低減を可能とする「Motionflow XR240」を搭載する。広色域パネル「トリルミナスディスプレイ」や、前面ガラスと本体を一体化した板のようなオプティコントラストパネルを採用。映像エンジンは「4K X-Reality PRO」で、超解像のアルゴリズム改善などで、従来モデルより高画質化した。

KD-65X9200B
KD-55X9200B
KD-65X9200B
KD-55X9200B
KD-65X9200B

 X9200Bの画質面の特徴は、光の煌きを忠実に再現し、高輝度な映像表現を行なうという「X-tended Dyanmic Range(XDR)」を搭載したこと。LED部分制御技術の進化させ、部分的にバックライト電力を2倍にすることで、従来のエッジ型LEDバックライト搭載機では困難だった「輝き」や「艶やさ」を映像にもたらすとする。

 なお、上位モデルの9500Bシリーズは、直下型LEDと、より積極的なLED駆動/輝度制御による「X-tended Dynamic Range PRO(XDR PRO)」を搭載。さらなる映像臨場感の向上を図っている。

 4Kの高精細、トリルミナスの広色域とともに、XDRの高輝度を活かし、臨場感の向上を図っている。4K X-Reality PROは、ネイティブ4K映像だけでなく、フルHD映像も高精細にアップコンバートし、高精細に4K表示。ノイズ低減のほか、複数枚パターン分析処理や独自の複数枚データベース型超解像処理を行なった後で、4K出力時にもデータベース型超解像処理を適用し、高精細な4K映像を出力する。

 3Dにも対応。別売のアクティブシャッター方式の3Dメガネ「TDG-BT500A」により3D立体視が可能となる。

ウェッジシェイプデザインは高音質化にも寄与

 2013年モデルのX9200Aシリーズは、大型のサイドスピーカーと音質を特徴とし、支持を集めた。'14年のX9200Bではさらに音質を強化。ウェッジシェイプデザインの採用により、大容量スピーカーを内蔵可能となったほか、従来はテレビ背面側に設置していたサブウーファを前面に配置できるようになり、さらにクリアで聞き取りやすい低域表現が可能になったという。

 ツィータユニットは新たにグラスファイバー製のユニットを採用(従来はプラスチック)し、応答速度を向上。更にクリアな音質を実現したという。ウーファには磁性流体ユニットを採用。スピーカー出力は合計65W(12.5W×2+20W×2)。

大型のサイドスピーカーを搭載
グラスファイバーユニットを採用

 高音質処理技術「ClearAudio+」を搭載。複数の高音質技術を統合したもので、BRAVIA X9200Bでは、新たにフロントサラウンド技術「S-Forceフロントサラウンド」を改善した。従来はマルチチャンネル音声の入力時に、ステレオにダウンミックスしてからサラウンド処理を行なっていたが、X9200Bではマルチチャンネル信号から直接サラウンド処理を行なうようにしたことで、より自然なサラウンドの広がりを実現できるという。

 音声の聞き取りやすさを向上する「ボイスズーム」や、サッカースタジアムの臨場感を演出する「サッカーモード」などをリモコンからワンボタンで選択できる。

スタイリッシュ4K。49型から選べる「X8500B」

KD-65X8500B

 X8500Bシリーズは、アンダースピーカー型で、スタイリッシュかつ省スペースな4K BRAVIA。49型から70型までの4モデルを展開し、4K支持層の拡大を図る。

 4K/3,840×2,160ドットパネルと、エッジ型のLEDバックライトの採用、広色域「トリルミナスディスプレイ」、映像エンジン「4K X-Reality PRO」などの基本性能はX9200Bシリーズと共通。ただし、高輝度/高コントラスト技術の「X-tended Dyanmic Range(XDR)」やLEDの部分駆動などを省略。また、パネルの前面はオプティコントラストパネルではなく、通常の低反射パネルとなる。

KD-70X8500B
KD-55X8500B
KD-49X8500B
KD-65X8500B

 3Dにも対応するが、3Dメガネは別売となる。70型はアクティブシャッター方式の3Dメガネ「TDG-BT500A」を利用、65/55/49型は偏光パッシブ方式の「TDG-500P」を利用する。

 アンダースピーカーの採用により、省スペースでも設置が可能な点が特徴。スタンドは内側/外側で選択可能となっており、狭額縁のベゼルもアルミの素材感を活かしたブラック/シルバーのシックな佇まいとなる。

KD-40X8500BとHT-CT370

 スピーカーは70型がウーファ×2とツィータ×2によるロングダクトスピーカー、65/55/49型がフルレンジユニット×2のバスレフタイプとなり、出力は10W×2ch。X9200Bシリーズと同様に、高音質化技術「ClearAudio+」を搭載し、サラウンド性能などを高めている。

 また、14日発表の新サウンドバー「HT-CT370」との組み合わせも提案。HT-CT370は、X8500Bの画面を邪魔しないように低背デザインを採用しており、スッキリと設置できる。

SWF-BR100

 BRAVIA専用オプションとしてワイヤレスサブウーファ「SWF-BR100」も用意。5月24日より発売する。店頭予想価格は3万円前後。出力は100Wで、5GHz帯でBRAVIAとワイヤレス接続し、迫力ある低音再生が行なえる。BRAVIAに接続するためのUSBワイヤレスユニットが付属する。

 BRAVIAに合わせたサウンド設定を持っているため、メニューから選ぶだけで最適な音質で楽しめるとする。対応BRAVIAは、X9200B/X9500B/X8500Bシリーズや、2KのW800B/W700B/W600Bシリーズ。

KD-40X8500BとSWF-BR100
SWF-BR100は電源ケーブル以外はワイヤレスで接続できる
BRAVIAのGUIからサブウーファの設定が可能
USBワイヤレスアダプタを背面に接続

快速設計でシームレスな番組検索。4Kドットバイドット表示

快速設計

 X9200B/X8500Bシリーズのいずれも、チューナは地上/BS/110度CSデジタルを2系統装備。別売のUSB HDDへの録画が行なえる。Ethernetと無線LANを搭載し、Wi-Fiダイレクトモードに対応。DLNA/DTCP-IPクライアントの「ソニールームリンク」にも対応する。

 操作性にこだわった「快速設計」も特徴で、電源ONから起動までの時間を高速化。一日の利用時間のうち、利用頻度の多い約6時間を学習し、その時間帯の起動を高速化した「パッと電源オン」を新搭載した。

新デザインのタッチパッドリモコン

 ユーザーインターフェイスも一新し、タッチパネル操作の新リモコンによる上下スクロール操作で、「見どころ」、「地デジ」、「BS」、「CS」、「お気に入りチャンネル」、「キーワード」、「録画番組」、「YouTube」、「PlayMemories Online(写真)」など、様々なコンテンツをシームレスに検索できるようになった。

 ホーム画面にも関連番組を網羅的に並べる新デザインを採用。また、DLNAや写真再生も高速化。写真は「αカフェ」や、世界有数の写真投稿サイト「500px」などから4K解像度でブラウズできるほか、USBやDLNA経由で読みだした4K以上の高精細画像から、4K(829万画素)部分を切り出してドットバイドット(オリジナルサイズ)で表示する「オリジナルサイズ再生」に対応。これにより、写真のピント感やボケ感をよりしっかり把握できるという。

デジタルカメラから4K出力
オリジナルサイズで表示可能
ハンディカムなど4K対応製品との連携も
2種類のリモコンが付属
通常のリモコン
前のリモコン(左)と新リモコン(右)。[3D]ボタンがなくなるなど、リモコンからもBRAVIAの設計思想の変化が見て取れる

 HDMIは4系統装備し、4K/60p入力(HDMI 2.0)対応。4Kハンディカム「FDR-AX100」や「α7」などから4K動画や写真を出力可能となっている。

Skypeカメラを内蔵

 本体上部にはSkypeカメラを搭載し、離れた場所のSkypeユーザーとテレビ通話しながら、同じテレビ番組をライブ視聴したり、Skypeとテレビ番組にあわせて、Twitterのタイムラインを同時に表示、ソーシャルや友人とのライブでの感動共有が可能という。

 NFC対応のリモコンが付属。NFC対応のXperiaなどと連携し、対応スマートフォンの画面をBRAVIAに出力できる「ワンタッチミラーリング」に対応する。ネットワークサービスの「Sony Entertainment Network(SEN)」では、HuluやYouTube、Video Unlimitedなどのネット動画コンテンツや、Twitter、Facebook、Skype、ニコニコ実況などのコミュニケーション、写真共有サービスPlayMemories Online、ショッピング、情報検索などのサービスが利用できる。タブレット/スマートフォンアプリ「TV SideView」からのテレビ操作や番組検索も可能。

 HDMI以外の入/出力端子はD5×1、コンポジット×1、ヘッドフォン出力×1、光デジタル音声出力×1、USB×3。

 X9200Bシリーズの消費電力は65型が319W(待機時0.15W)、55型が236W(同0.15W)。年間消費電力量は65型が282kWh/年、55型が265kWh/年。スタンドを含む外形寸法/重量は65型が171.6×32×91.6cm(幅×奥行き×高さ)/46.6kg、55型が149.4×32×79.1cm(同)/38.1kg。

 X8500Bシリーズの消費電力は70型が310W、65型が290W、55型が262W、49型が204Wで、待機時は各0.15W。年間消費電力量は70型が283kWh/年、65型が255kWh/年、55型が221kWh/年、49型が195kWh/年。スタンドを含む外形寸法/重量は70型が157.2×36.4×98.3cm(幅×奥行き×高さ)/44kg、65型が144.8×28.5×91cm(同)/33.3kg、55型が123.2×28.5×78.5cm(同)/24.1kg、49型が109.4×22.5×70.4cm(同)/18.6kg。

(臼田勤哉)