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Android TVで進化した4K BRAVIAは「日常を変える」
自宅で楽しめる4K。ピエール瀧「ぱっと見いい感じのロボ」
(2015/5/13 22:34)
ソニーは13日、4K BRAVIAを中心としたテレビ新製品発表会「BRAVIAカンファレンス」を開催し、新X9400C/X9300Cシリーズの高画質や4Kチューナ内蔵による4Kコンテンツ対応強化、Android TVやネットワークサービス連携による新たな用途提案を行ない、国内4Kシェアトップの堅持をアピールした。
サイドスピーカーを搭載し、音にもこだわった中核機「X9400C/X9300Cシリーズ」、アンダースピーカー型で43~65型までの「X8500Cシリーズ」の2シリーズ7機種を新発売。'14年発売の最高画質「X9500シリーズ」を加え、3シリーズ10モデルで4K BRAVIAを展開する。
また、2K BRAVIAでAndroid TV対応の50/43型「W870Cシリーズ」、32~48型フルHD「W700Cシリーズ」も5月23日より順次発売する。
X9400C/9300CシリーズとX8500Cシリーズ、W870C/W700Cシリーズの詳細については、別記事を参照してほしい。
4Kコンテンツ対応を強化。自宅で楽しめる4Kに
ソニーマーケティングの河野 弘 代表取締役 社長は、新4K BRAVIAについて、「人々の『好奇心』にこたえるテレビ」、「日常を変えるテレビ」と切り出し、X9400C/X9300Cシリーズを中心に、画質や音質、使いやすさなどをアピールした。
市場動向については、地上デジタル完全移行前の“特需”の反動から、徐々に立ち直りつつあり、2015年以降は国内テレビ市場の拡大を見込む。その牽引役としてテレビへの期待を語った。
2014年度は46型以上の大型テレビの1/4が4Kテレビとなり、「4K化のトレンドは着実に進行している」とし、その中でも危惧されていた4Kコンテンツの不足について、X9400C/X9300C/X8500Cにおいては、4Kチューナの内蔵やNetflix、スカパー! プレミアムサービス光、YouTube、アクトビラ 4K、ひかりTV 4Kなどのサービス対応により、“自宅で楽しめる4K“を強化したと訴求。'15年度は46型以上の大型テレビの半数が4K化すると見込み、その中でトップシェアを狙っていくとした。
「2014年度の国内4Kテレビでは、金額/台数ともにソニーがトップとなった。'15年度の販売台数目標などは公表していないが、台数/金額ナンバーワンは'15年度も取り続けていきたい。そのためにも付加価値の高い4Kラインを拡充し、お客様に伝わるような製品を用意した」(河野社長)。
特に2014年度のBRAVIAユーザーに評価が高かったというのが、「画質」と「音質」。河野氏は、その両面の進化を紹介し、2011年からアルゴリズム開発を進めてきたという新映像プロセッサ「X1」や、ハイレゾに対応した音質などをアピール。音質訴求デモでは音が出ないトラブルに見舞われたが、「『音質をご体感いただけたのではないでしょうか? 』、というスクリプト(原稿)なのですが、後ほどじっくり体感してください」と続け、デモコーナーでの視聴を促し、画、音にこだわった「人々の好奇心にこたえるテレビ」とX9400C/X9300Cシリーズを紹介した。
特別ゲストとして、6月20日に最新作「攻殻機動隊 新劇場版」を公開予定のProduction I.G.石川 光久社長が登壇。ソニー側で画質設計を担当し、攻殻ファンというソニービジュアルプロダクツ 商品設計一部の高橋慎一郎氏とともに、新BRAVIAと攻殻最新作の魅力を紹介した。
「リアリティと美しさにこだわる」という石川氏に、高橋氏は、「新しいX1プロセッサで、色、コントラスト、解像度の3要素をそれぞれ伸ばすように開発した」と述べ、リアルタイムにコンテンツを解析し、最適な画質処理を適用していくというBRAVIAの特徴を紹介。「新劇場版」はまだ仕上がっていないとのことで、攻殻機動隊BDの映像を見ながら、細い線の表現力の向上や手描きの質感の再現、壁の汚れのディテール再現などのポイントを解説した。
Android TVにピエール瀧も「いい感じ」
新4K BRAVIAの特徴といえるのが、「Android TV」の採用。OSをスマートフォンと共用化することで、Androidベースの豊富なアプリケーション資産の活用や熟成された音声検索、スマートフォンと親和性の高い操作性などを実現する。
カンファレンスには、電気グルーヴのピエール瀧氏が登壇し、河野社長が瀧氏にKJ-65X9300CのAndroid TV関連の特徴を紹介した。
デジタルガジェットに詳しいピーエル瀧氏。スマホの好きな使い方として、「どこに行くとかも音声でやっています。かっこいいですしね」と語ると、河野社長が「実はこの新しい4K BRAVIAも音声検索が出来ます」と応答。Android TVによる音声検索で、品川の天気を表示してみせると、瀧氏は「ぱっと見いい感じの家庭用ロボットみたいですね」との感想。
もっとエンタメ向けの機能として、俳優名からの音声検索をテスト。映画「アニー」を見たという河野社長が[ジェイミー・フォックス]と音声入力すると、Google Playの「スパイダーマン」などの関連動画が表示された。河野社長が「ネットワークに繋がり、検索精度が高いとこういうことができるようになる」と紹介すると、瀧氏も「『ちょっとテレビに聞いてみよう』」となりますねぇ。テレビというか情報基地という感じですね」と応答した。
さらにGoogle Castについても紹介。アニーのYouTube動画をXperiaスマートフォンのアプリからCastしてみせると、瀧氏は「あ、ミラーリングですね」と応答したが、河野氏は「ちょっと違います。スマホからCastすると、テレビ側で映像再生できるのでスマホ側は自由に使えるようになります」と、テレビにスマホから指示を出し、テレビ側で受信できるというGoogle Castの機能をアピール。ピエール瀧氏は「おもしろ映像合戦ができるわけですね」と応答していた。
さらに、iPhoneユーザーである瀧氏でもGoogle Castを使えることや、新しいAndroid TVアプリである「クックパッド」なども紹介。ピエール瀧氏は、「テレビだけでなくモニターになるので、使い方も変わってきますねぇ。頼もしい感じですね。(サイドスピーカーを指さしながら)このステータス感。(壁にかけて)壁がもげなければいいなとおもっています」と感想を語った。
Android TV採用の理由について、BRAVIAの商品企画を担当する長尾和芳氏は「これまでの垂直統合型の開発ではサービスの進化などのスピードについていくことが難しい。ワールドワイドのスマートフォンでは8割を占めるAndroidのプラットフォームを使うことで、開発者や提供されるアプリケーションが増え、お客様が求めるタイミングで提供できるようになる」と説明。過去のGoogle TVとの違いについては、「Google TVは発展途上のAndroidの上でBRAVIAと異なる特殊なテレビのラインとして販売した。今回はAndroidが安定し、メインストリームとしてTVのプロファイルができた。ネットワーク速度やCPUの速度なども安定したものになっている。ほぼ全てのラインにAndroidをいれて、スケールメリットを出していく。Android TVの中でのソニーの特徴はPlayStation Videoへの対応であったり、タッチパッドリモコンの操作性、使いやすさを全面に押し出して、ソニーの独自性を出している。もちろん、画質や音質はOSに依存しないので、これも差異化点だ」とした。
なお、Androidのバージョンアップについては、「今後検討していきたい。具体的な予定などは改めてご案内する」(長尾氏)とした。また、Googleのアカウントが無くても、ブラウザや音声検索、YouTubeなどの主要機能が利用できることや、夏に向けて「制限プロファイル」の導入を予定。これにより、子供が誤って課金コンテツをダウンロードするなどのトラブルを防ぐなど配慮しており、「安心して使ってくテレビとして設計されている」とアピールした。
なお、ネットワークサービスの今後の戦略について、Google PlayとPlayStation Videoの競合関係などについても質問が及んだが、「ソニーのハードとコンテンツを連携、販売する戦略に変更はない。ただ、ユーザーニーズは広がっているので、そこは両立していきたい」(長尾氏)と言及。また、海外で対応が始まっているゲームのストリーミングサービス「PlayStation Now」の国内展開については「コメントは控える」とした。