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デノンからDDFAヘッドフォンアンプ内蔵ネットワークプレーヤー、超小型BTイヤフォンも
(2015/12/19 19:55)
200ブランド以上が参加し、イヤフォン、ヘッドフォン関連製品の試聴ができるイベント「ポタフェス 2015」が19日に秋葉原のベルサール秋葉原で開幕した。会期は19、20日の2日間。入場は無料。ここでは、フォステクス、デノン、エミライなどのブースをレポートする。
フォステクス
目玉は、2016年1月中旬発売予定の新リファレンスヘッドフォン「TH900mk2」(178,000円)だ。既存のリファレンスをケーブル交換可能にしたモデルで、XLR端子のバランス接続用ケーブルもオプションとして販売する。
密閉型のヘッドフォンで、50mm径のダイナミック型ユニットを搭載。振動板にはバイオダイナを採用。磁気回路にはネオジウムマグネットを使い、磁束密度は1.5テスラを実現。ハウジングの仕上げは、創業110年の老舗・坂本乙造商店が手掛けた「漆・ボルドー仕上げ」となっている。
さらに、DSD 11.2MHz対応のUSB DAC搭載でバランス接続も可能なヘッドフォンアンプ「HP-A4BL」も展示。来年1月中旬発売で、価格は48,000円。TH900mk2とのバランス接続も可能だ。
'13年に発売したUSB DAC搭載ヘッドフォンアンプ「HP-A4」(45,000円)をベースに、新たにXLR 4極ケーブル1本でヘッドフォンとのバランス接続が可能になったモデル。DACチップはバーブラウンの「PCM1792A」。アンバランスは標準ジャックとなる。
デノンブース
デノンブースには、未発表のフルサイズのコンポが参考出品されている。型番は「DNP-X」となっており、詳細は不明。ネットワークプレーヤーのようだが、気になるのはヘッドフォンで試聴できるようになっているところ。
聞けば、ヘッドフォンアンプに、「PMA-50」や「DRA-100」に採用されているCSRのデジタルアンプソリューション「DDFA」(Direct Digital Feedback Amplifier)を使っているとのこと。ネットワークプレーヤーながら、ヘッドフォンアンプとしても注目のモデルになりそうだ。
フォーカルポイント
フォーカルポイントのブースでは、ATOMIC FLOYDの未発表イヤフォン2機種を初披露している。
「SuperDarts Black Titanium (For Audio Only)」(仮称)は、航空宇宙グレードのチタンを筐体に使った既存の「SuperDarts Titanium +Remote」(直販税込49,680円)をベースにしながら、リモコンを省いたモデル。それだけでなく、表面処理に腕時計などで使われている「PVD」技術を導入。よりシックな仕上がりになっている。価格はリモコンモデルと同程度の予定。
「New HiDefDrum +Remote」(仮称)は、HiDefDrumの筐体に開いている穴を塞いだモデル。音漏れを低減しながら、同時に開放的なサウンドも追求しているという。音質調整用のフィルタも同梱。価格は25,000円程度のイメージだという。
Westone
テックウインドブースでは、米Westoneの日本限定イヤフォン「Westone30」が注目を集めている。12月26日発売で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は49,800円前後(税込)。
Westoneのサウンドエンジニアであるカール・カートライト氏が日本のユーザー向けにサウンドデザインしたモデルで、高域/中域/低域用に各1基のBAユニットを搭載。「日本のマーケットに合わせた日本人好みのWestoneサウンド」に仕上げたというモデルで、アニメソングなども開発時に参考にされたという。ケーブル交換対応で、MMCX端子を採用している。
エミライ
カナダBCIC Designsのブランド、Resonessence Labsの新USB DAC「HERUS+」(ヒールス・プラス/品番:RSL-HRSP)を展示している。発売日は12月19日で、価格はオープンプライスで、店頭予想価格は6万円台後半。
スティック型USB DACの人気モデルが進化したもので、搭載しているDACは「ES9010-K2M」。PCMが352.8kHz/24bitのDXD、DSDは5.6MHz(DoP)までの楽曲に対応。新たにデジタルフィルタの切り替えが可能になっており、DACチップに標準搭載されている「Sabre Fast Roll-Off」フィルタに加え、オリジナル設計の「Minimum Phase IIR」、「Apodizing」の3種類を用意。ロゴの部分を押す事で、ユーザーが切り替えて音の変化を楽しめる。
MrSpeakersの平面駆動ヘッドフォン「ETHER」シリーズ向けに、2.5mm 4極ケーブルも新たに発売。「4極2.5mm端子付DUMケーブル(1.8m)」(MRS-4P-DAK18-C0136)で、価格は32,400円。12月25日発売。
さらに、OPPOの平面駆動型のヘッドフォン「PM-3」の新色チェリーレッド、スチールブルーも展示。
Fiio X7に注目のオヤイデブース
オヤイデブースの注目は、FiiO製ハイレゾ対応ポータブルオーディオプレーヤーのフラッグシップモデル「X7」だ。12月18日発売で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は99,900円前後。内蔵メモリは32GBで、1基のmicroSD/SDHC/SDXCスロット(最大128GB)も備える。
DSD 5.6MHzやPCM 384kHz/32bitなどのネイティブ再生が可能。DACチップはESS製「ES9018S」。底部にあるアンプモジュールを着脱できるのが特徴で、今後発売されるオプションモジュールに着け替えて音の違いを楽しんだり、バランス接続にも対応できるという。ヘッドフォン出力のほか、同軸デジタル/アナログ兼用の出力端子も装備する。
Android OSを採用し、音楽専用プレーヤーとして機能する「Pure Music」モードと、Androidアプリが使える「Androidモード」の2つを用意。Pure Musicモード時は他のAndroidアプリとシステム競合が起きないため安定性が高く、Androidモードは他のアプリへのスイッチングの柔軟性が高いという。
EARIN
モダニティブースの注目は、Bluetoothイヤフォン「EARIN」だ。12月下旬発売で、価格はオープンプライスで、店頭予想価格は29,800円前後。注目の理由は一目瞭然、世界最小というその小ささだ。
スウェーデンのEARINが開発し、クラウドファンディングサイトの「Kickstarter」で約150万ドルを集めて製品化を実現した。イヤフォン部分は14.5×20mm(直径×奥行き)、重量約3.5gと、ほとんど耳栓のようなサイズ。この中に、BAユニットやBluetoothチップ、アンテナ、バッテリなどが内蔵されている。そのため、左右のイヤフォン間を繋ぐケーブルなどは存在しない。
コンプライイヤーチップを標準で装備するほか、落下防止用のシリコンアタッチメントも付属。充電方法もユニークで、ペンのような形状のカプセルにイヤフォンを格納して充電する。カプセルには600mAhのバッテリを内蔵。カプセル自体はUSB経由で充電する。
ゼンハイザー
密閉型ヘッドフォンのハイエンドモデルとして、12月16日から発売している「HD 630VB」を紹介。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は66,000円前後。低音域の量感を調整できる「VARIABLE BASS BOOST」機能を備えているのが特徴で、ハウジングに調整用のダイヤルを装備し、回す事で音の変化を楽しめる。
「MOMENTUM」シリーズのBluetooth/アクティブノイズキャンセリング搭載モデル「MOMENTUM Wireless」も12月16日に発売したばかり。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は6万円前後だ。
AUDEZE
finalブランドとJのブースでは、finalの新ヘッドフォン「SONOROUS III」、「SONOROUS II」を参考展示。来年の3月頃の発売を予定しており、価格はIIIが4万円台半ば、IIが3万円台半ばのイメージ。搭載するユニットは同様だが、より厳選したものを使っているのが「SONOROUS III」だという。
また、今後取り扱い予定のQuestyleのハイレゾプレーヤー「QP1R」も参考展示。192kHz/24bitまでのFLAC/WAV/AIFF/ALAC(Apple Lossless)が再生でき、DSD 5.6MHzもサポートするプレーヤー。純A級フルディスクリート回路の電流モードアンプ技術を採用し、ヘッドフォン出力はステレオミニ。ライン出力兼光デジタル出力も備えている。メモリ容量は32GBで、128GBまでのmicroSDXCカードを利用することもできる。
その他
ロジクールのブースでは、Ultimate Earsブランドのカスタムイヤフォンの新モデルとして、レコーディングスタジオのキャピトル・スタジオと共同開発した、「UE Pro Reference Remastered」が試聴できる。12月19日から、正規販売代理店の「e☆イヤホン」でオーダーの受付を開始。価格は129,800円(税込/別途耳型採取が必要)。高域の伸びの良さと、空間表現の広さが特徴だ。
城下工業のブースでは、Sound Warriorブランドの小型オーディオ「SW Desktop Audio」シリーズの新モデル、クロックジェネレータ「SWD-CL10」に、OCXO(恒温槽付高精度水晶発振器)を追加搭載した数量限定モデル「SWD-CL10OCX」を展示。12月下旬発売で、価格は9万円。
「秋のヘッドフォン祭 2015」でも参考展示された、SW Desktop-Audioの今後のラインナップも参考展示。真空管バッファを採用したヘッドフォンアンプ「SWD-HA10(仮称)」、DAC「SWD-DA20(仮称)」などで、来年3月頃からの製品化を予定。ヘッドフォン「SW-HP10」をハイレゾ再生に対応させ、バランス接続もサポートする「SW-HP20(仮称)」も参考展示しており、バランス接続端子について来場者からの意見を集めている。
Deff Soundのブースでは、背面にRCAのアナログ入力、前面にステレオミニのアナログ入力を備えた小型のスピーカードライブ用アンプを参考展示。モデル名は「DDA-AMP1(仮)」。ハイレゾポータブルオーディオを、帰宅後にホームオーディオとして使う事をコンセプトに開発しているもので、出力は30W×2ch。5~6万円程度になる見込みだという。
Acoustic Researchのハイレゾプレーヤー「AR-M2」用アクセサリとして、インピーダンスケーブルも参考展示された。高出力なAR-M2とカスタムイヤモニターなどを組み合わせるとホワイトノイズが目立つ事もあるため、そうした際に間に挟むように接続して利用するという。