ミニトピ

カッコ良くて1万円程度!? 気軽に買える注目ヘッドフォンをピックアップ

 気温も下がり、ポータブルヘッドフォンを装着して出かけたくなる季節。音も重要だけれど、人目につくポータブル機器だからこそデザインにもこだわりたいもの。そこで、“個性的でカッコイイデザイン”のヘッドフォンをチョイス。各モデルの特徴と音質を紹介する。

 価格は購入しやすい1万円前後をメインにピックアップ。5,000円以下のモデルも含まれている。

KOSS「PORTAPRO PREMIUM RHYTHM BEIGE」

 ティアックから発売される、米KOSS製のヘッドフォン「PORTAPRO PREMIUM RHYTHM BEIGE」。11月下旬発売で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は5,500円前後。国内5,000台の限定販売となる。

PORTAPRO PREMIUM RHYTHM BEIGE

 「PORTAPRO(ポータプロ)」と言えば、AV Watch読者には既にお馴染みだろう。1984年(日本では1988年)から発売され、“KOSSの代名詞”とも言えるオープン型のヘッドフォンだ。だが、Comfort Zone機構でヘッドバンドの側圧を3段階から調整でき、本体をコンパクトに折り畳める機構は今なお斬新だ。

 「PORTAPRO PREMIUM RHYTHM BEIGE」は、その限定カラーとしてベージュを採用したもの。単なるベージュではなく、プロ向けのモニターヘッドフォンの定番機「PRO/4AA」と同じカラーを採用しているのがグッとくるポイント。レトロな雰囲気が最大の魅力だ。

右がプロ向けのモニターヘッドフォン「PRO/4AA」

 音質は既存モデルと同じだが、ケーブルの途中に、スマホ向けのマイク付きコントローラを備えているのが異なる点。周波数特性は15Hz~25kHz、感度は101dB、インピーダンスは60Ω。歪率は0.2%以下。重量は66g。

 音質はまさに「外観からは想像できない低音」の一言に尽きる。オンイヤーでオープンタイプでありながら、強烈な低域が楽しめる。その低音も、モワモワと膨らまず、適度な締りがあり、シャープな気持ちよさも備えているのがKOSSらしいところ。豊富な低音に、高域はややマスキングされるが、それも吹き飛ばすような低音の気持ち良さだ。音漏れするので電車内など近くに人がいる場所では使えないのも難点だが、価格も手頃なので、カッコイ個性派モデルとして1つ手元に置いておきたい製品だ。

AKG「Y50」

 ハーマンインターナショナルから発売されている、AKG製のヘッドフォン「Y50」。価格はオープンプライスで、直販価格は9,380円。ブラック、イエロー、ティールブルー、レッドに加え、日本限定のカラーバリエーションとしてピンク、オレンジ、グリーンの3色も9月から追加されている。

AKG「Y50」。左からブラック、イエロー、ティールブルー、レッド

 ド直球に“AKGのヘッドフォンだ”と主張するハウジングデザイン。このシンプルさ、思い切りの良さが最大の魅力だ。長年モニターヘッドフォンを手掛け、コンシューマ向けにも名機を送り出している老舗“AKGブランド”への自信が、そのままデザインになっているとも言えるだろう。でありながら、古臭くなく、現代的でスタイリッシュな外観に仕上げられているのがユニークなポイントだ。

レッドモデル

 密閉型で、40mm径のドライバを搭載。ポータブルとしてはハウジングを大きくする事で、余裕のあるワイドレンジ再生を追求している。再生周波数帯域は16Hz~24kHz、インピーダンスは32Ω、感度は100dB/mW。重量は211g。スマートフォン用のマイクリモコン付き4極プラグのケーブルを採用している。

日本限定カラーのグリーン、オレンジ、ピンク

Beats by Dr.Dre「Beats EP」

 Beats by Dr.Dreの「Beats EP」は、直販9,800円とリーズナブルな価格でBeatsのサウンドが楽しめるモデルだ。カラーはホワイト、ブルー、ブラック、レッド。

Beats by Dr.Dre「Beats EP」ブラック

 フレームにステンレススチールを使っており、手にすると見た目より軽量だ。シンプルながら目を引くデザインはまさにBeats。ハウジングのマークを電車内などで目にする機会も多い。ケーブルにはマイクリモコンを備えており、ハンズフリー通話やiPhoneの音楽操作なども可能だ。

 音が出た瞬間に、思わず「おおっ!」と声が出てしまうほどの低音。量感が豊富なだけでなく、適度な締りもあり、ベースの音の輪郭は明瞭。パワフルかつソリッドな低音が、ブルンブルンと前へ飛び出し、頭蓋骨を揺すられるような迫力。決して“原音に忠実なサウンド”ではないが、抗えない気持ちよさを魅力として感じるのも事実。ボリュームを上げてコーネリアスの「Beep It」を聴いていると、低音の渦に意識が持っていかれそうになる。

 ロックなども爽快だ。逆に、アコースティックな楽曲やクラシックなどには向かない。ハイファイ的な感覚からすると“味が濃すぎる”ヘッドフォンだが、個性が強いほど面白いのも事実。「Beatsで聴きたい楽曲」があるのが、このメーカーの大きな強み。そんなBeatsのサウンドを、手軽に楽しめる入門機が「Beats EP」だ。

Skullcandy「GRIND ON-EAR」

 デザイン性の高いヘッドフォンと言えばSkullcandy。「Grind(グラインド)」(S5GRHT)は、ラインナップの中でも直販8,618円~9,590円(税込)と、比較的リーズナブルな製品だ。

Skullcandy「GRIND White/Black/Red TTech」

 オンイヤー型で、ドライバは上位モデルで使われている40mm径の「REX40」を搭載。ヘッドバンドは極薄メタル素材により軽量化している。再生周波数帯域は20Hz~20kHz、インピーダンスは35Ω。ケーブルは片出し/着脱式で、長さは1.2m。

 ハウジングにボタンとマイクを内蔵し、リモコン付きケーブルでなくてもスマホの操作やハンズフリー通話を可能にしている。

「GRIND LocalsOnly/Yellow/Black TTech」
「GRIND Americana/Plaid/Gray TTech」

 チェック柄やカラフルなモデル、ベーシックなカラーなど豊富なカラーバリエーションがある。アームに配置されたSkullcandyの骸骨マークが、ピンクやイエローなどキャッチーなカラーで表現されたモデルもあり、ハードな雰囲気だけでなく、ポップででレトロな印象の製品も含まれている。

 音を聴くと、まず驚かされるのが中高域の突き抜けの鋭さ。低音が豊富で、モコッと膨らむタイプだが、それに負けじと、鋭く中高域が突き抜けるため、モワッと不明瞭な音にはなっておらず、クリアで気持ちが良い。

 全体のバランスに目を向けると、低域と中高域だけが元気が良い、いわゆる“ドンシャリ”系だが、それを思い切って突き詰めているため、一回りして気持ちがよく、カッコイイサウンドだ。ただ、音場はあまり広くなく、音が前へ前へとせり出すタイプなので、長時間聴くと疲れるかもしれない。

パナソニック「RP-HTX7」

 2006年から発売されている「RP-HTX7」は、レトロデザインヘッドフォンの先駆者的なモデルと言っていいだろう。価格はオープンプライスで、実売は4,000円前後。女性人気も高く、まだまだ現役のモデルだ。

「RP-HTX7」プレピィベージュ(C)

 豊富なカラーをラインナップしているが、プレピィベージュ(C)とホワイト(W)が「RP-HTX7」らしいカラーだ。可愛く、シンプルな丸いハウジングと、レトロな雰囲気のアームやヘッドバンドの組み合わせが魅力。ヘッドバンドにはピアノ線を採用し、軽量化や堅牢性を向上させている。

 ユニットはネオジウムマグネット搭載の40mm径。再生周波数帯域は7Hz~22kHz。音圧感度は99dB/mW。プラグはステレオミニで、6.3mm径プラグ用アダプタも付属。ケーブル長は約1.2m。ケーブルを含む重量は約165g。

「RP-HTX7」ホワイト(W)

 サウンドは、容積のあるハウジングを活かした空間の広い描写が特徴で、中低域が肉厚で迫力がある。やや残念なのは、ハウジング内の響きが多く、明瞭度が今ひとつなところ。外観と同様に、やや懐かしさを感じるサウンドと言えるかもしれない。

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山崎健太郎