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社団法人日本オーディオ協会(JAS)は5日、9月21日から24日まで開催するAV機器の総合展示イベント「A&Vフェスタ2006」の開催概要を発表した。会場は横浜みなとみらいのパシフィコ横浜展示ホールDとアネックスホール。入場は無料となっている。
A&Vフェスタは、同協会が主催するAV機器の総合展示会。2001年を最後に終了した「オーディオエキスポ」の後を受け、2003年に「A&Vフェスタ」として第1回を開催。第2回目の2004年より、当日券1,000円、前売り券800円だった入場料が無料となっている。 第4回目となる2006年のテーマは「感動! それぞれのA&Vスタイル」。新たに、社団法人インテリア産業協会が後援として参加。協会に認定されたインテリアコーディネーターの提案などもブースに反映されるという。また、従来行なわれている工作体験に加え、応募された自作スピーカーやアンプなどの審査や発表が行なわれる「自作オーディオ自慢大会」も実施する。 出展予定の企業や団体は7月5日現在で68。来場者数は、2005年の66,240人からの増加を見込み、7万人を予想している。なお、それ以前の来場者数は第1回が62,842人(楽器フェアと同時開催)、第2回が65,948人となっている。
■ モーツァルト・イヤーにちなんだセミナーなど
今回のテーマやコンセプトについては、実行委員会の粟飯原隆雄委員長が紹介。キーワードとして「提案・体験・参加」の3つが掲げられており、"提案"では「テレビとサラウンドシステムの組み合わせや、ワンセグ対応のモバイル機器をいい音で聴く工夫」などを企画。"体験"では、「最近店頭では減っているように感じる、ハイエンド機器の視聴や、技術者との会話により納得できるまで体験できる」とした。"参加"では主催者イベントのトークイベントや、親子で参加できる工作などを指しているという。
会場全体は、3種類のテーマで構成。専門性や趣味性の高い「アドバンスドステージ」と、最新製品などのブースが中心の「グランドステージ」、インテリア提案や、体験コーナーなどを含む「ファンステージ」で展開される。 「アドバンスドステージ」は、2階のアネックスホールや付帯する会議室が中心で、主催者企画や専門誌とのタイアップなどによるセミナーや視聴イベントを行なうエリア、アクセサリーなどの展示や販売を行なうエリア、会議室を用いたリスニングルーム、一定のタイムスケジュールでデモを行なうピュアオーディオ展示視聴エリアが用意される。
2006年は、モーツァルト生誕250年を記念した“モーツァルト・イヤー”とされているが、これにちなんで、「モーツァルトサロン」と題したセミナーを日本モーツァルト協会の協力を得て企画。讀賣新聞や「レコード芸術」などで音楽批評などを執筆する国立音楽大学非常勤講師の安田和信氏を招き、オーディオ機器と、名演の変遷などをたどる。 また、映画音楽パーソナリティやDJなどを務める襟川クロ氏による「ホームシアターを10倍楽しむ10の名作」(仮)や、元NHK解説委員で作新学院大学教授の小林和夫氏がロシア音楽をテーマとした「名指揮者とオーディオの世界」も行なわれる。そのほか、協会特別企画として、「立体音響の進化」(仮)と題した放送の最先端技術紹介も9月21日と22日に各日3回ずつのスケジュールで行なわれる。 なお、2005年のセミナーイベントにはAVマニアとして知られる漫画家のモンキー・パンチ氏やタレントの小倉智昭氏なども参加し、人気を博していたが、主催者企画以外のセミナーイベントのゲストについては現在折衝中としている。 そのほか、A&Vフェスタで初の企画として、9月23日には試写会も実施。ワーナーの協力により、今秋DVDがリリースされるアメリカのテレビシリーズ「SUPERNATURAL」(スーパーナチュラル)の試写が行なわれる。
1階の展示ホールDで展開される「グランドステージ」は、AVメーカーやオーディオ専業メーカーなどによる製品展示やデモを中心に実施。ホームシアターに特化したエリアや、カーAV実装のデモカーを展示、試乗できるエリアなどで構成される。
■ インテリアから見たAV展示も重視
「ファンステージ」は、「アドバンスドステージ」と「グランドステージ」内の各所に展開。インテリアコーディネーターが考える視聴環境を表現したモデルルームなど、提案やホスピタリティを目的とした企画となっている。 新たに加わった「自作オーディオ自慢大会」では、一般応募により集められた自作のスピーカーやアンプの中から、1次審査を通過した作品を会場で展示・視聴できるスペースを用意。展示される数は30作品前後を見込んでおり、製作者と会話などもできるスペースを計画、一般選考も行なわれる。最終日の9月24日には、実行委員会選定作品の発表や賞の授与式も予定。 作品はスピーカー部門とアンプ部門に分かれており、既に応募受付を開始、8月11日まで受付ている。応募資格や申込み方法などの詳細はサイトで紹介されている。 また、毎年行なわれている、家族で参加可能な工作教室も実施。フォステクスの協力によるスピーカー工作や、学研が協力する「レコード盤録再蓄音機工作」が予定されている。さらに、アンケートに答えるとメーカーから提供されたAV機器がもらえるプレゼント企画や、期間中毎日先着500名にオリジナルトートバッグがプレゼントされる企画も予定している。
今回より後援として参加するインテリア産業協会の加藤知成会長も挨拶。「AVを取り入れたリビングは増えているというのが実感。インテリアはあらゆる業界とコーディネートでき、関係ないものはない。今回の参加は大きなチャンスで、コーディネーターの面々も張り切っている」とした。 また、「AV製品の単価が下がった、影が差したなどという話題もあるが、多くの男性が家の中のことを放っておいていることも原因」として、「協会が認定するコーディネーターの8割が女性。女性の感覚を取り入れることで解決されることもあるのでは」と述べた。 ■ 協会も情報提供の注力など運営方針を転換 日本オーディオ協会の鹿井信雄会長は、開催中のサッカーワールドカップに触れながら最近のAV市場について所感を述べ、「薄型テレビやHDD/DVDレコーダの伸びなどによって、昨今の値段下落などで疲弊もあったエレクトロニクス産業にとって全体的に良い影響があった」とした。
また、「国内でも様々な会場で観戦できるイベントなどがあったため、参加したサポーターがサラウンドなどに関心を持ち、業界にもプラスとなるだろう」と述べた。そのほか、「デジタルオーディオプレーヤーの普及や携帯電話の音楽機能、ワンセグなどによりオーディオの存在が見直されているのでは」とした。 こういった流れから、鹿井会長は「今後はカスタマーと技術をつなげるプラットフォームが必要。リモコンで100回やらないと覚えないような操作ではなく、複雑な技術を人間の感性とどのようにつなげるかということが大きなテーマ」と述べた。 そのほか、同協会が2007年で創立55周年となることで、「今年から運営方向を変更し、ネット配信による情報提供を推進するなど普及啓発活動に注力する」とした。4月1日より個人賛助会員の年会費が従来の3,000円から無料になるなどの変更も行なわれている。 □日本オーディオ協会のホームページ ( 2006年7月5日 ) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
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