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21日から横浜みなとみらいで開幕した「A&Vフェスタ2005」では、各社から新製品が出展され、多くの新製品が視聴室などで実際に体験可能となっている。 ■ ソニー
ソニーブースでは、32型液晶テレビとDVDプレーヤー、S-Masterデジタルアンプなどを一体化したシアターシステムを参考出展。スピーカー部が上下に移動し、音楽だけを聴く時はテレビ部が隠れるユニークな機構を採用している。 テレビを見るときにはアンダースピーカー型の普通の32型のテレビのようなデザインで、スピーカー上部にスロットローディング式のDVDドライブを装備。スピーカー上部のタッチパネル式操作パネルで再生/停止などの動作が行なえる。 欧州では展示会などでの評判が良く、2006年発売予定。価格は50万円前後となる見込み。日本での発売については今のところ予定はないが、展示会の反応次第では発売する可能性もあるという。
また、DVDプレーヤー一体型の23型液晶テレビも出展。DVDプレーヤーを内蔵しているため、奥行きは長めだが、独自のフロントサラウンド「S-Force」を搭載し、一台でDVDをバーチャルサラウンド視聴できるのが特徴。また、デジタルアンプ「S-Master」を内蔵している。日本での発売は未定。
プロジェクタ用のDVDプレーヤー内蔵フロントサラウンドシステムも参考出展。同社の「VPL-HS60」にデザインマッチしたDVDプレーヤー/アンプ/DSPユニットと、S-Forceフロントサラウンドユニット、サブウーファから構成されるシアターシステム。 プロジェクタの下にメインユニットを設置し、メインユニットからフロントサラウンドユニットに光ワイヤレス伝送の「S-DIAT」で転送、5.1ch音声を伝送する。フロントサラウンドユニットは、5基のスピーカーを内蔵しており、同社独自の「S-Force」のDSP演算により5.1ch音場を再現する。 デモでは、VPL-HS60の下部にメインユニットを設置し、HS60にコンポーネント経由で映像を出力。音声をフロントユニットに伝送するシアターデモもが行なわれている。2006年の発売を目指し、価格は10万円前後となる見込み。
新フラットテレビ「BRAVIA」もフルHD液晶モデル「KDL-46X1000」などを展示し、人気を集めている。また、BD-ROMプレーヤーも参考出展。CESに出展したプレーヤーと同じで、約12MbpsのMPEG-4 AVC映像の再生デモを行なっている。なお、ドライブはプレーヤー内蔵のものを使っているが、デコーダなどはプレーヤー外部の専用デモシステムを利用しているという。
ソニーはブースのほか、ホール奥に専用の視聴室を設置し、フルHD対応のSXRDプロジェクタ「VPL-VW100(1,365,000円)」や、20日発表のフラッグシップAVアンプ「TA-DA9100ES(682,500円)」とDVD/SACDプレーヤー「DVP-NS9100ES(273,000円)」などの新製品デモを行なっている。 21日にはプレス向けの説明会が開催され、開発者による製品解説が行なわれた。AVアンプの開発を担当したコンポーネントオーディオ事業部 商品設計一部 シニアエレクトロニクスエンジニアの金井隆氏は、独自のデジタルアンプ「S-Master」の特徴や「TA-DA9100ES」で搭載した、自動音場補正機能について解説。
自動音場補正機能については、「正直、業界最後になってしまったので、後から出す以上よりいいものを開発した」とし、実演デモを実施。最大の特徴は約30秒で測定が終了すること。最初のステップとして、トーンメロディを再生しながら、複数のスピーカーで同時発音することで、周波数解析とスピーカーの有無を判定。メロディの再生中に解析をスタートすることで高速測定を実現する。 さらに、インパルスの高域成分を遅らせたスイープ信号(TSP~Time Streched Pulse)を出力し、時間の遅れと、位相の判定を実施。また、2点マイクでの測定により、人間が感じない凹凸の無視や、正しいスピーカー角度判定が可能となるという。実際に測定も行なわれたが、30秒という測定時間の短さに加え、測定音が小さく、威圧感の無いことに驚かされた。 測定の結果は、1cm単位で修正(従来モデルの手動設定は10cm単位)され、レベル判定は各チャンネル0.5dB単位で補正。周波数特性は31バンドのグラフィックイコライザで行なうが、32bit精度で補正するため音質への影響は無いという。また、31バンドEQの採用により、壁や家具の反射による細かい凹凸も補正できる。 補正モードは全てのスピーカーの特性をフラットにするフラット・モードや、前方のスピーカー特性を基準にする「フロント・リファレンス」、同社が設計環境として使っている大きな部屋の音場を再現する「エンジニア・リファレンス」が選択できる。 測定前/測定後の視聴では、明確な音場の広がりや奥行き感に大きな差が出たが、金井氏によれば、定在波の影響を補正したことが聴感上の音の違いにつながっているという。
VPL-VW100については、プロジェクタ事業部門 井上達也副部門長が、開発テーマを「VWシリーズの復活」と紹介。新開発の光学系や0.61型SXRDデバイス、キセノンランプの搭載の理由などを解説した。 また、新開発のSXRDデバイスについては、同社セミコンダクタソリューションズネットワークカンパニー イメージングデバイス事業本部 マイクロディスプレイ事業部 SXRD開発部の橋本俊一統括部長が解説。画素ピッチを0.7μmまで微細化しながら、新規設計の反射膜構造の採用により反射率は10%向上、さらに配向膜や成膜プロセスの最適化によりコントラストも5,000:1まで向上したという。 さらに、ウエハ一括重ねプロセスの採用などで、生産性も向上。5月から生産を開始し、年間100万台(パネル300万枚)の生産体制を構築中という。
□関連記事 ■ 松下電器
松下電器のブースでは、65型のフルHDプラズマテレビ「TH-65PX500」を中心に新製品を出展している。参考出品こそないものの、20日発表のコードレスサラウンドヘッドフォン「RP-WH7000」や、SDムービーカメラ「SDR-S100」などが展示されている。 また、新720pプロジェクタ「TH-AE900」の視聴ブースも設け、多くの来場者の注目を集めていた。
■ パイオニア
パイオニアブースでは、高級スピーカー「EXシリーズ」や、最新プラズマテレビ、AVアンプ、DVDプレーヤーを出展。 また、「EXシリーズ」や、AVアンプ「VSX-AX4AVi」、ユニバーサルプレーヤー「DV-AX5AVi」を組み合わせた視聴室を設置し、人気を集めていた。
□A&Vフェスタのホームページ (2005年9月21日) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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