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光学部品など光産業技術の展示イベント「InterOpt ’06」が7月12日に幕張メッセで開幕した。主催は財団法人光産業技術振興協会で、会期は7月14日まで。光通信や計測、入出力、レーザ加工/生産といった光学技術を利用する機器装置及び関連部品など最新の光産業技術を展示するイベントで、入場料は無料。 ■ BD/HD DVD兼用ドライブ実現のための部品 株式会社リコーのブースでは、Blu-ray Disc/HD DVD/DVD/CD兼用ドライブを実現可能にする互換回折素子の技術展示を行なった。 この回折素子は、同心円状の溝を備える円盤状の部品で、レーザー光源と対物レンズの間に設置して利用する。素子内の構造をカスタマイズすることで、BD/HD DVD対応ドライブや、BD/HD DVD/DVD/CD対応ドライブなど様々な組み合わせの複合ドライブが設計できる。いずれの場合でも、対物レンズは1個搭載するだけで済む。 レーザー光を事前に分割してから照射して回折素子を通し、素子内でBDやHD DVDなどディスクに応じた補正を行なう。これにより各ディスク規格の記録層に対応するレーザー光が形成できるようになる。
ただし、現在の段階では、レーザー光の分割により出力が弱まってしまうため、読み込みドライブは作れても、記録型ドライブの設計は難しいという。 この回折素子の技術は、異なる位置からのレーザー光を同一方向に照射するための偏光用素子「3波長光軸補正素子」などにも応用が可能。 今回展示した回折素子は2006年内のサンプル出荷を目指す。量産開始は2007年末を予定している。 ■ 解像感を高めるプロジェクタ用位相差補償板 フジノン株式会社のブースでは、現在開発中のプロジェクタ用位相差補償板を展示していた。垂直配向(VAN方式)の液晶パネル用で、位相差板を備えることで、従来のプロジェクタよりも解像感や明るさが増すという。そのほかにも、プロジェクタ用投影レンズや、プロジェクタ用プリズムなどの部品の展示を行なった。光学ドライブ用レンズについても、現在はBD/HD DVD用レンズやミラー、プリズムなどを開発中だという。
また、ペンタックス株式会社のブースでも、BD/HD DVD用の対物レンズの参考展示を行なっていたほか、出荷済みのCD/DVD用レンズなどの展示を行なっていた。これら開発中のBD/HD DVD用レンズは量産出荷は開始していないが、協業のドライブメーカーなどからの依頼もあり、すでに少量の出荷を開始しているという。
NECブースでは、光通信ネットワークシステムの展示として、ハイビジョン映像のストリーミング放送のデモを実施。サーバー上に置かれたビットレート10Mbpsの映像を、光通信を利用して転送、テレビ上で再生を行なった。 現在NTT東日本などの光通信の上流部に採用されている「GE-PON」(IEEE 802.3ah)規格のシステムでは最大通信速度が1.25Gbps。同社では、現在「G-PON」(ITU-T G.984)規格を採用したシステムを開発中。これにより、最大通信速度は2.5Gbpsまで向上する。ただし、G-PONは国内での展開は予定しておらず、主に欧州や米国など海外での販売を予定しているという。
□光産業技術振興協会のホームページ ( 2006年7月12日 ) [AV Watch編集部/ike@impress.co.jp]
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