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松下電器産業株式会社は、薄型テレビ「VIERA」の最上位シリーズ「PZ600」の発表会を開催、9月1日より発売予定のフルHD解像度のプラズマテレビ4モデルを披露したほか、同社の製品戦略について説明した。 ■ VIERA Linkでセット販売率が向上。大画面化が加速
パナソニックマーケティング本部の牛丸俊三本部長は、同社の薄型テレビ戦略について説明した。 まず、3月に発売した春モデル「PX600」シリーズに言及し、好調な販売状況を報告。特に、同シリーズで初搭載し、DIGAや対応AVアンプをVIERAのリモコンから制御できる「VIERA Link」については、「操作性が大変好評をいただいている。あわせてHDMIケーブルが30万本売れるなど、隠れたヒットになっているほか、シアターシステムやDIGAのセット販売率も向上した」という。 37型以上の大画面テレビは、2005年には約250万台の市場を形成しているが、「40型以上ではプラズマが7割。大画面はやはり“プラズマ”だ」とし、「直近のプラズマ市場では7割がパナソニック製品」とアピール。さらに、地上デジタル放送の全国普及などにあわせた需要の拡大を予測し、「デジタルテレビの普及台数は1,200万台。まだ、日本には9,000万台近くのアナログテレビがある。アナログ停波まで、あと5年。とてつもない巨大マーケットになる。薄型テレビは2006年には1兆円を超える産業になる見込みで、2011年までの間に11兆8,000億円の需要を創出すると言われている。生産波及効果を考えると名目GDPを0.4%引き上げるとの意見もあり、日本を牽引する産業になる」と、市場拡大への期待を語った。
市場動向については、さらなる大画面化傾向を予測。37型以上の薄型テレビの出荷台数は約400万台で、「世帯普及率は10%をまもなく超える」という。「DVDレコーダが2004年に普及率10%を突破した際にも、約2倍の勢いで急拡大した。まもなく同じことが薄型テレビで起こるだろう。特に50型以上の薄型大画面が大きく伸びており、前年比200%以上となっている。これは、ユーザーが大画面化を求めている証拠。PZ600シリーズはそのニーズに応える商品だ」と新製品を紹介。「パナソニックは新しい市場を創出していく。“百聞は一見にしかず”、是非新しいVIERAを体験して欲しい」と呼びかけた。
■ 画素数以外でも従来のプラズマを超えた
松下電器産業 PDPテレビビジネスユニット 藤田正明ビジネスユニット長は、新パネルやプロセッサの新機能について説明し、「VIERAでは、“大画面”、“高画質”をキーワードに製品展開していく」とアピール。フルハイビジョンPEAKSドライバ/パネルなどについて解説し、「業界にさきがけて、プラズマの高画質化、フルHD化を推進していく」と訴えた。 なお、同社では従来、プラズマのフルHD製品化については、「(フルHDをキーワードに販促をかける液晶テレビに対し)動画性能など、トータルの画質で勝負する」、「50型以下では不要」との説明を行なっていた。これに対し、藤田ビジネスユニット長は、「市場の強い要望もあったが、われわれがフルHD製品を出すなら、従来のハイビジョンタイプを超える製品が必要。色再現や輝度性能など、画素数以外でも従来のプラズマを超える製品を求め、PZ600ではそれらを達成できた」と説明した。 なお、42型以下については、「フルHDが画質的にもコスト的にも必要とされるのは50型以上という認識」としながらも、「開発は進めており、目処も立っている」という。
画質以外のセールスポイントとして、牛丸本部長はVIERA Linkや、デジタルカメラ画像を活用する「テレ写」をアピール。 VIERA Linkについては、「カンタン操作革命」、ケーブル一本の「簡単接続革命」、デジタル伝送による「高画質、高音質革命」をキーワードにあげ、使い勝手と画質面でのメリットを強調。さらに、価格下落の激しい、薄型テレビの差別化要素として、VIERA LinkによるDIGAやシアターシステムなどのセット販売を見込んでおり、「システムで売り上げを増やし、トータルの売価を上げていきたい。流通にもお願いしている」という。 なお、「消費者としてもデジタルデバイド解消などが見込める。メーカーや流通の身勝手にならないよう、メーカー、流通、消費者のそれぞれに良い方法となるよう努力していきたい」と、単に機能面でユーザーを囲い込む戦略ではないことも強調した。 また、SDメモリーカードについても、新たにSDHCに対応したことなどを紹介。SDムービーカメラやデジタルカメラ画像の再生の中心としてVIERAを定義し、「VIERAをデジタルネットワークの中心に据え、テレビの文化を変えていく」と意気込みを語った。
マーケティング戦略については、世界最大の103型を用意したこともあり、地上最大の生物である“鯨”をモチーフにしたCMを制作中で、キャッチコピーは「地上のビエラ」。広告キャラクターは引き続き小雪さんを起用する。 発表会に登場した小雪さんは、「ここまで大きくなっても高画質で凄い」。103型の画面に映った等身大の画像については、「ここまでリアルだと怖いですね」と感想を語っていた。制作中のCMについては「皆さんの私のイメージが変わるかも……」とアピールしていた。
□松下電器のホームページ ( 2006年7月19日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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