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マイクロソフト、Vista搭載PCによる家電連携戦略を説明
-DRM機能拡張を検討。IPTV事業の展開も


10月5日開催

会場:幕張メッセ


 3日より幕張メッセで行なわれているCEATECで5日に開催されたマイクロソフト株式会社のセッションでは、PCによるホームネットワークや、ポータブルメディアプレーヤー、Xbox 360などの同社の戦略について講演。新OSのWindows VistaやWidows Media Player 11(WMP 11)の同分野における役割を通して、家庭内でのPCの位置づけ、今後の見通しなどについて説明された。


■ 「Media CenterのUIで家電メーカーとテレビを作りたい」

デジタルエンターテイメントパートナー統括本部の三原寛司氏

 同社デジタルエンターテイメントパートナー統括本部の三原寛司氏は、2007年1月より発売予定の次世代OSであるWindows Vistaのデジタルメディア機能について、標準添付のWMP 11における検索性の向上や、オンライン配信との統合UI表示などについて紹介。また、VistaではDRM付きコンテンツについてもトランスコード機能や機器間のストリーミング再生、コピーといった連携が強化されるという。

 現在、STBなどの家電機器でもWM DRMによる暗号化やライセンス発行を可能にする機能も開発中で、年内には移植キットをリリースするとしている。そのほか、携帯電話で購入した楽曲もPCで再生できるといったシームレスな連携機能を実現すべく、携帯電話向けのDRM機能拡張も計画しているという。

Widows Media Player 11 ライブラリ表示


 Windows Media Centerについては、従来のようにMedia Center Editionとしてのリリースはないが、Vistaの上位バージョンに機能として盛り込まれる。PC内のコンテンツをLAN内で共有するMedia Center Extender(MCX)機能についてもVistaに合わせた「Playsforsure 2.0」採用で、DRM付きのコンテンツが再生可能となる。

Media Center機能でのYahoo!動画との連携表示をデモ Media Centerでの音楽のライブラリ表示


 三原氏は、「『最近はマイクロソフトがリビングに進出する』といった言われ方をすることも多いが、我々はテレビを作っているのではない。テレビを中心としたシンプルなソリューションを否定はしないが、PCというオープンなプラットフォームで細かい編集などを行なうといった役割が今後も増えるだろう」と述べた。

 また、Media CenterのUIをテレビに利用することで、「家電メーカーには、テレビにはネットワーク機能とデコーダ部さえあれば、複雑なGUIはPCがやる、といった機能の製品を一緒に作りませんか?とはたらきかけている」と述べた。

Vistaで搭載されるオーディオ新機能


講演では、Xbox 360のHD DVDプレーヤーや、新ポータブルプレーヤー「Zune」についても紹介された



■ WMA Lossless 24bit/88.2kHzの5.1chをデモ

デジタルエンターテイメントパートナー統括本部の川手雅之氏

 Windows Media Lossless(WMAロスレス)フォーマットを利用したPCとオーディオの連携や、Vistaにおけるオーディオ新機能については、同じくデジタルエンターテイメントパートナー統括本部の川手雅之氏が説明。

 「ポータブルプレーヤーの普及により、非可逆圧縮方式のファイルに触れる機会が増えているが、ロスレス(可逆)圧縮では、CD音源の約1/2で理論上は原音からの欠損がないとされる再生が可能になる」とし、既にオンキヨーが始めているWMAロスレスでの音楽配信サービス「e-onkyo music store」を紹介した。

 同サイトは、24bit/96kHzの楽曲を中心とした高品質楽曲配信を特徴としているが、4日に発表された、「米Music Giantsとオンキヨーがロスレス配信事業で協議」というトピックにも触れ、国内の配信にも期待を寄せた。

 川手氏は、「全ての人がロスレスを求めているとは思えない。マイクロソフトは、現在主な配信サービスが採用している非可逆圧縮も推進する。趣向に応じて様々な配信や共有ができることに意味がある」とした。

オンキヨーは米Music Giantsと配信事業で協議 Music Giantsで配信している24bit/88.2kHzの5.1ch再生デモも実施。なお、現在国内から同サイトで楽曲を購入することはできない




■ IPTVの英国導入例などを紹介

Microsoft TV Business Development DirectorのMonique Barbanson氏

 IPを利用してテレビ映像を受信するIPTVの推進について、Microsoft TV Business Development DirectorのMonique Barbanson氏が、先行する欧州の例を挙げて説明。

 「従来のテレビではVODはプラスα的な存在だったが、双方向性を特徴とするIPTVでは、オンデマンドでの視聴が必須の要素。統合されたEPGや検索機能で番組を探し、昔のドラマなどニッチなコンテンツにもアクセスしやすい」と述べた。

 既に、英British Telecomが地上デジタルとIPTVのハイブリッドチューナを家電小売店で販売しているほか、独Deutshe Telekomがドイツ、フランスで展開予定。国内の家電メーカーでも、「レンタルのSTBではなく小売モデルに関心が高い印象がある」(Barbanson氏)という。

IPTVのEPG画面 世界展開 小売展開での店頭イメージ



□マイクロソフトのホームページ
http://www.microsoft.com/japan/
□CEATEC JAPAN 2006のホームページ
http://www.ceatec.com/2006/ja/visitor/
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(2006年10月5日)

[AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]


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