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デジタル放送推進協会(Dpa/ディーピーエー)は13日、4月に実施された社団法人地上デジタル放送推進協会(D-pa)と社団法人BSデジタル放送推進協会(BPA)の統合後初めての総会を、明治記念館で開催した。 総会では2006年度決算報告、事業報告が承認されたほか、任期満了に伴う役員の改選により新役員を選出。新理事長に間部耕苹氏(日本テレビ放送網株式会社 代表取締役 相談役)、専務理事兼事務局長に高嶋光雪氏が選任された。
● 金銭面で補助するような施策が必要。“戦うDpa”
就任後会見を行なった間部耕苹理事長は、「デジタルによる放送の未来を切り開くのがDpaの役割」として、「総務省が発表した、デジタル放送の認知度が99.4%。しかし、2011年4月24日に地上アナログ放送が停波することを知っている人が60.4%。国民にきちっとした形では、受け入れられていない」との現状認識を示した。
「しかし、2年前には地上アナログ放送の停波の認知度は9.2%で、去年は32.1%だった。急カーブで認知度が向上しているともいえる。もちろん、100%を目指しているので、今後もきめ細かい活動を続けていく。急カーブを実現するのが私の責務だと考えている」と意気込みを語った。
さらに、総務省がまとめた、海外の補助金動向を紹介。「米国は2009年にアナログ放送終了予定で、低所得者などへの補助として、デジタル-アナログコンバータ購入用に一世帯に40ドルのクーポンを2枚配布。つまり、一世帯2台分を支援する。予算額は9億9,000万ドル」。 「フランスではアナログ放送が2008年3月31日~2011年11月30日の間で、段階的に終了。低所得者には、受信機設置の基金を創設し、日本でいうところの電波利用料を使用すると聞いている。予算は日本円に換算すると24億5,000万円程度」。 「英国では、2008年~2012年の間に地区ごとに段階的に終了する。低所得者に対しても、受信機の設置とアフターサポートを実施。予算額は6億ポンド。低所得者は無料、そのほかの世帯は40ポンドを補助する」という。 これを受けて、「日本でも、アナログ放送の終了に向け、低所得者に対する補助を政策課題にすべき時期が近づいていると感じている。デジタル化は国策として実行されているので、諸外国並みの公的支援などの検討を促し、真のデジタル放送の普及促進を進めていかなくてはならない」とした。 さらに、「フランスや英国のように、準備が整った地区から段階的に順次、アナログ放送を終了することについてのメリットの検討や、実証することも必要があるではないかと思っている」と語り、キャッチフレーズに「戦うDpa」を掲げた。 一方で、ハードウェア面でも「コストの安い、デジタルチューナ内蔵テレビと同時に、現在のアナログ受信機に簡単に接続できる、安価なSTB供給の生産体制の確保が急務」として、STBの価格については、「現在1万円台ぐらいで売られているが、5,000円以下にならないといけないだろうと思う」とメーカーへの希望を示した。 生産体制についても、「日本のテレビは1億台あるが、現在デジタルチューナ内蔵テレビが既に2,129万台、STBも既に販売されているので、おそらく後4年で残り5,000万台ぐらいは用意しなくてはならない。生産体制を確立するためにも、日本方式を採用したブラジルなどと同じSTBにできれば、コストも安くなり、数も用意できるのではないかと思う」と私見を語った。 ● 「レッツ! Dpa」。テレ朝の新地デジ大使は野村真季アナ
間部耕苹理事長の会見後、新旧役員、会員各社、関連省庁など関係者約680名が出席して、別会場で懇親会「レッツ! Dpa」が開催された。
来賓として、日本放送協会会長の橋本元一氏、日本民間放送連盟会長の広瀬道貞氏、JEITA会長の町田勝彦氏の代理としてシャープ副社長の安達俊雄氏が、新Dpaへの期待を語った。
ステージ上では、BSデジタル放送8局共同の「夏のホットBS! 2007」のキャンペーンが紹介されたほか、地上デジタル推進大使が登場。テレビ朝日の推進大使だった、丸川珠代アナウンサーが、参院選に立候補するため、テレビ朝日を退社。新大使の人選に注目が集まっていたが、野村真季アナウンサーが起用された。 それ以外の5人の大使は続投で、NHKの島津有理子アナウンサー、日本テレビの馬場典子アナウンサー、テレビ朝日の野村真季アナウンサー、TBSの竹内香苗アナウンサー、テレビ東京の森本智子アナウンサー、フジテレビの中村仁美アナウンサー(リモコンチャンネル順)の6人となった。なお、野村真季アナウンサーは島津有理子アナウンサーに続いて、「2人目のミセス大使」(馬場アナウンサー)とのこと。
大使就任に当たって、野村真季アナウンサーは、「地上デジタル推進大使としては、今日が初仕事でございまして、ちょっと緊張しております。大使としては若葉マークがついておりますけれども、地デジの見所を伝えるという大使としての仕事を精一杯がんばってまいります」と抱負を語った。
CMについては、「特に朝方に全局ですごい流れてまして、正直うれしい。CMを自分が独り占めているような気分で、『抜擢してくれてありがとう』と、朝4時ぐらいに感謝しています。朝4時は僕が制覇しています」と喜んでいた。 また現在制作中のスポットも紹介。キーワードは「地デジにするにはワケがある~知ってください地デジのこと」と、「あっち、こっち、地デジ」の2つ。「まず理解していただく、そして支持していただくことを目的として放映する」という。
さらに、7月20日に名古屋ビッグウェーブ2007からスタートして、北海道から沖縄まで40箇所以上を回る「“地デジ体感”キャラバン」の計画の概要も明らかにされた。キャラバンカーには、地デジ対応65型テレビ、アンテナ、チューナ、レコーダ、ワンセグ機器などが搭載されており、地デジの魅力が体感できるようになっているという。
□Dpaのホームページ (2007年6月14日) [AV Watch編集部/furukawa@impress.co.jp]
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