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ソニーは、新映像エンジン「CREAS(クリアス)」で再生画質向上を図り、1,920×1,080ドットでのMPEG-4 AVC/H.264記録に対応した新「ブルーレイレコーダ」6機種を9月27日より順次発売する。また、BDプレーヤー2機種も12月6日に発売する。価格は、BDレコーダとBDプレーヤー1モデルがオープンプライス。BDプレーヤーの最上位機は294,000円。
BDレコーダは、Xシリーズはシアターモデル、Lシリーズはビデオカメラとの連携強化、Tシリーズは番組を楽しむスタンダードモデルと、利用スタイルに合わせたシリーズ展開を図る。 レコーダには、新映像エンジン「CREAS」を搭載。テレビとHDMI接続することで、独自のHDリアリティエンハンサーとビット拡張技術「Super Bit Mapping for Video」により滑らかさや階調表現を向上する。最上位モデルのX100/X95シリーズでは、高画質化回路「DRC-MFv3」も内蔵し、すべての映像を1080pで処理して、より精細感ある映像を作り出すほか、HDMI出力を2系統装備している。 録画機能では、新たにMPEG-4 AVC/H.264の1,920×1,080ドット記録に対応したほか、記録プロファイルもHigh Profileに変更した(従来は1,440×1,080ドット/Main Profile)。また、新開発のテレビ雑誌風にお勧め番組を表示する「x-みどころマガジン」を搭載するなど、話題の番組のチェック機能を強化している。
■ CREASで全てのHDTVを高画質に。「2011年画質」
ソニー 業務執行役員SVP オーディオ・ビデオ事業本部 根本章二本部長は、映像と音声の「HDクオリティ」という性能をベースに、Blu-rayを展開していく方針を説明。「ソニーは、再生機、レコーダ、ゲーム、メディア、さらにキーデバイスであるレーザーなどBlu-rayについてのバリューチェーンを一貫して手がけてきた。今回の新製品でさらにバリューチェーンを強化していきたい」と訴えた。 また、北米におけるBDプレーヤー市場がDVDに匹敵するペースで伸張していることに言及。2010年には1,200万台を突破すると予測しており、日本でもレコーダにあわせてプレーヤーの市場の伸張を予想、欧州でもBlu-rayの拡大を期待しており、「ワールドワイドで(DVDから)Blu-rayに置き換わるのも時間の問題」との認識を示した。 日本市場の将来像については、「地上アナログ放送の停波は2011年。デジタル一本化に伴い、ハイビジョンが“当たり前”の時代になる。当たり前になり、日常的に体験するレベルが向上すると、見慣れたハイビジョンの中に、“はっきりした画質の優劣が存在する”ということをお客様が理解するようになる。そこでより美しい、自然なハイビジョン映像を求める声が大きくなる」と予測する。 その上で、「ハイビジョンやBDをも上回る素材が存在する。それはオリジナル素材、プロフェッショナルの領域。それを家庭で再現することを目指した」と、新モデルで高画質化にこだわった理由を説明。14bit処理により高画質化する「CREAS」のHDリアリティエンハンサー、Super Bit Mapping for Videoなど、新技術のコンセプトを紹介。CREASにより、「14bit相当の階調表現と、くっきりなめらかな映像を、すべてのHDMI搭載テレビで体験できる」とアピールした。 さらに、レコーダに搭載した番組紹介機能「x-みどころマガジン」についても言及。流行のトピックや番組をEPGの情報を元に、テレビ情報誌のようなマガジン形式で紹介するものだが、「EPGからの録画予約と違って、今の流行を敏感にキャッチして記録できる」と、その魅力を訴えた。
ソニーマーケティング 粟田伸樹副社長は、番組を楽しむ「T」、思い出を残す「L」、シアターを楽しむ「X」というスタイル展開を、2007年モデルから展開していることを紹介。「お客様、販売店様から大変わかりやすいと、評価をいただいている。2007年末はシェアNO.1を獲得した」と報告。 このスタイル展開と、矢沢永吉さん起用したプロモーションとあわせて、「“ブルーレイといえばソニー”が定着した。リーディングカンパニーとしてこれまで以上にBDを牽引していきたい」と意気込みを語った。 すでにレコーダについては、DVDモデルを廃止し、BDに一本化しているソニーだが、「2008年末にはレコーダ市場の5割をBDに、2009年末には9割をBDに変えていく」とし、さらにBD化を加速することを強調。
一方、同社のBDレコーダ購入者調査では、DRモード利用が4割で、6割のユーザーが初期設定より高画質な録画モードを利用しており、長時間モードより高画質モードが求められているという。そのため、粟田副社長は「実際に必要とされているのは美しいハイビジョン画質」とし、今回高画質化を強化した理由を紹介。 さらに、「HDMIでつながるすべてのハイビジョンテレビを美しくする」というCREASのコンセプトとともに、「BRAVIAのセット販売を推進するだけでなく、他社テレビの購入者や、すでにハイビジョンテレビをお持ちの方にも積極的にアピールしていきたい」と、幅広いユーザー獲得に取り組むことを宣言した。 また、X/L/Tの各スタイルの魅力についても説明。ビデオカメラやデジタルカメラとの連携など、さまざまなニーズに合わせて、店頭での「体験」を中心に訴求するという。 BDプレーヤーの投入については、上位モデルBDP-S5000ESを「最も美しいソニーのブルーレイ」、BDP-S350を「最も身近なソニーのブルーレイ」と紹介。BDレンタルの開始や、タイトル数が年内に600本を越えることが予想されることから、特にS350について、「ブルーレイが当たり前の時代を築く起爆剤となる」と、期待を語った。 福田副社長は、レコーダ6製品、プレーヤー2製品のラインナップのプロモーションキーワードを、「2011年画質」と紹介。デジタルハイビジョン環境がスタンダードとなる2011年を見据え、CREASがもたらす高画質を訴求。「ハイビジョンテレビを所有するすべての方にアピールしていきたい」と語った。
CMキャラクターには、矢沢永吉さんを引き続き起用。矢沢さんは、「テクノロジは日進月歩。すごいブルーレイがでてきた、ハイビジョンテレビの画質がより一層あがるということで、すごい楽しみにしています」とビデオコメントを寄せた。 2008年の国内レコーダ市場の目標シェアは40%。台数目標は60万台。プレーヤーが中心となるワールドワイドでも、シェア40%、台数目標として310万台を掲げている。 □ソニーのホームページ ( 2008年9月3日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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