アイ・オー、DTCP-IP対応メディアプレーヤーとLAN HDD
-AVeLはアクトビラ対応。REGZAからLAN HDD直接録画も
株式会社アイ・オー・データ機器は、DTCP-IP対応機器の新製品発表会を開催。ネットワークメディアプレーヤー「AVeL Link Player」や、LAN HDD「LAN DISK AV」の新モデルを4月上旬より順次発売する。ラインナップと価格は下表の通り。
製品 | 型番 | 価格 | 発売日 |
アクトビラ DTCP-IP対応 ネットワークメディアプレーヤー | AV-LS500VX | 33,285円 | 4月上旬 |
DTCP-IP対応 LAN HDD | HVL1-G500 | 22,050円 | 4月下旬 |
HVL1-G1.0T | 30,975円 |
■ AVeL Link Player「AV-LS500VX」
同社ネットワークメディアプレーヤーの第4世代モデル。大きな特徴は、アクトビラ ビデオやアクトビラ ビデオ・フル、DMM.TVのインターネット動画ストリーミングサービスに対応した点。ネット非対応のテレビでも、これらのコンテンツが視聴できる。
同社が開発支援したブラウザ「Tourbillon2」により、従来のSTBに搭載された他社製ブラウザより高速にアクトビラなどが利用できるという。なお、アクトビラ ビデオのダウンロードには対応しない。
ネットワーク再生機能では、DTCP-IP(Ver.1.2)に対応。東芝の液晶テレビ「REGZA」やPC用地デジキャプチャで録画し、対応LAN HDDやPCのHDDに保存した番組を、LAN経由でストリーミング再生可能。本体にHDMIを1系統備え、対応テレビとのHDMIリンク(CEC)もサポートする。外形寸法は170×148×29mm(幅×奥行き×高さ)、重量約640gの小型筐体となっている。
A5以下の小型サイズを実現 | DTCP-IP経由でのストリーミング再生などに対応 | HDMIリンクもサポートする |
従来モデルと同様に、DLNAサーバー対応のAV機器やPCなどに収められたコンテンツも再生可能。WM DRM10をサポートし、PCで購入したDRM付き楽曲/動画をAV-LS500VXで再生できる。また、DMM.TVのPC向けサービスでダウンロードしたコンテンツの再生にも対応。本体にUSB端子を2系統備え、USB HDDなどに収めたファイルの再生も行なえる。
再生対応フォーマットは、動画がWMVやMPEG-1/2/4、MPEG-4 AVC/H.264で、1,920×1,080ドットのフルHD動画も再生可能。WMVは最高ビットレート8Mbps、MPEG-4 AVC/H.264が10Mbps、MPEG-2が15Mbpsまでサポートする。音楽はWMA/MP3/PCM(WAV)、静止画はJPEG/BMP/PNG/GIFに対応する。
出力端子は、映像がHDMI(Ver.1.2a/最大1080i)とコンポジット、音声が光デジタルとアナログを各1系統搭載。Ethernetは100BASE-TX。消費電力は約12W。リモコンが付属する。
■ LAN DISK AVシリーズ「HVL1-G500/G1.0T」
DTCP-IP 1.2対応のLAN HDD。容量はHVL1-G500が500GB、HVL1-G1.0Tが1TB。
東芝「REGZA」の録画ストレージとして使用でき、録画したデジタル放送の番組を、上記のAV-LS500VXや、対応テレビなどで再生できる。テレビでは、REGZAのほかソニー「BRAVIA」、日立「Wooo」の一部機種に対応する。
また、DLNA 1.5 DMS(Digital Media Server)をサポートし、PCやデジタル家電のDLNAサーバーとしても利用可能。そのほか、LAN DISK AV間でのムーブも行なえる。さらに、通常のLAN HDDとしてPC用ファイルの保存/共有も可能。対応OSはWindows XP/Vista。
DTCP-IPをサポートしたことで、東芝REGZAの対応モデルで録画した番組のダビングやムーブに対応。ネットワーク内にあるほかのDTCP-IP対応テレビなどで、LAN DISK AVのコンテンツを再生できる。新たに、REGZAからの直接録画先としても指定できるようになった。DTCP-IP経由の伝送は、最大で2ストリームまでとなる。
また、アイ・オーの地デジキャプチャ製品で録画した番組を、PCからダビング/ムーブ可能となった。既発売のキャプチャ製品のうち、GV-MVP/HX2とGV-MVP/HS2、GV-MVP/HZ2、GV-MVP/HZ2Wが対応。これらのキャプチャ製品には3月18日に無償アップデータが公開され、適用することで同機能が利用できる。
さらに、今後の無償ファームアップデートで、スカパー! HDのハイビジョン録画にも対応予定。スカパー! HDチューナでは6月にアップデートにより録画対応となる見込みで、同時期にLAN DISK AVにおいてもアップデートを実施。対応チューナとLANケーブルで接続することにより録画可能となる。
そのほか、6月予定のアップデートでは、録画した番組を東芝のHDD/DVDレコーダ「VARDIA」にムーブ可能となる予定。対応のVARDIAはRD-X8、RD-S503/S303で、これらのモデルもファームアップデートを行なうことで、LAN DISK AVからムーブされた番組を編集/DVD化できる。なお、VARDIAにムーブした番組をLAN DISK AVに書き戻すことはできない。
なお、DTCP-IP経由のダビングについては、規格上の理由からダビング10のカウント情報を引き継ぐことができない。そのため、LAN DISK AV間でデータをやりとりする場合や、スカパー! HD録画などDTCP-IP経由のリアルタイム録画の場合はダビングではなくムーブ扱いとなる。
基本操作は、PCのブラウザや、REGZAなどテレビのネットブラウザで可能。PCブラウザからは、LAN DISK AV間のムーブや、PCファイルのコピーなども行なえる。
Ethernet(1000BASE-T)とe-SATA、USB 2.0端子を搭載。USBは2系統で、いずれもストレージ拡張に利用できる。外形寸法は、42×195×147mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約1.4kg。
同社は、DTCP-IP対応のネットワークHDD製品として、2008年4月に2TBの「HVL4-G2.0」を発売している。同製品を、新モデルの発表に合わせ、3月18日には価格を111,615円から75,810円に値下げ。さらに、新ファーム(Ver.1.10)を無料配布し、REGZAからの直接録画のほか、同社地デジキャプチャの録画番組ダビングや、LAN DISK間のムーブといった新機能にも対応する。
□ニュースリリース
http://www.iodata.jp/news/2009/03/hvl1-g.htm
□製品情報
http://www.iodata.jp/product/av/hdr/hvl1-g/index.htm
■ AVeLではAVCHD再生にも対応予定
細野昭雄社長は、Link Playerの開発経緯について「1年ほど前から、WEBサービスをマルチ対応できるSTBをまとめられないかというのが大きなテーマだった。大手でも取り組まれてはいるが、まだ普及には至っていない」と説明。
新製品については「(同社が提供するGyaO NEXTなど)従来の専用STBとは売り方が異なり、まだクリアしなければならない課題も多いが、PC周辺機器の開発と同様に、家電メーカーとの連携を続け、ユーザーの利便性を高め、あらゆる製品がネットワークに繋がるようにもって行きたい」とし、ファームアップデートなどでの改善も予告した。
今後は、Link Playerにおいて「ひかりTV」など他のインターネットサービスとの連携も計画しているという。さらに、ハイビジョンビデオカメラで撮影したAVCHD/HDV動画の再生機能も対応予定とした。
(2009年 3月 17日)
[AV Watch編集部 中林暁]