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パナソニック、初のUltra HD Blu-rayプレーヤー「DMP-UB900」。音にこだわる日本仕様
2016年6月8日 13:30
パナソニックは、4K/HDR対応のUltra HD Blu-ray再生が可能なBDプレーヤー「DMP-UB900」を6月24日より発売する。価格はオープンプライスで店頭予想価格は13万円前後。同社のBDレコーダ「DMR-UBZ1」に続く、Ultra HD Blu-ray(UHD BD)再生機となり、UHD BD再生専用機の発売は日本初となる。
また、UHD BDプレーヤー入門機「DMP-UB90」も7月22日に発売。実売価格は7万円前後。DMP-UB90については別記事で案内する。
4Kクロマ処理にこだわりの上位機「DMP-UB900」
4K/60pの高解像度、1,000nitを超える高輝度で質感あふれる映像表現が可能なHDR、高色域規格「BT.2020」などに対応し、3層容量100GBのディスクに、最高100Mbps、HEVC/H.265、10bitの映像を4K収録する次世代ブルーレイディスク「Ultra HD Blu-ray」(UHD BD)。このUHD BDに対応した日本初のBDプレーヤーが「DMP-UB900」となる(再生機としてはBDレコーダのDMR-UBZ1が日本初)。
UHD BDタイトルは、6月8日の20世紀フォックス「エクソダス 神と王」や「X-MEN フューチャー&パスト」など5作品や6月22日のワーナー「マッドマックス怒りのデスロード」など、各社が順次発売予定。
DMP-UB900は、UHD BDのほか、BD/DVDビデオ、BD-R/RE、DVD-R/RW/RAM、音楽CD、CD-R/RWなどの再生に対応。入門機DMP-UB90との違いは、音質に拘ったシャーシ設計やパーツ選択、チューニング、7.1chアナログ出力の装備に加え、独自の4Kエンジン「4Kリアルクロマプロセッサplus」を搭載すること(DMP-UB90は4Kリアルクロマプロセッサ)。「4Kリアルクロマプロセッサplusの採用により高画質を追求したほか、高音質パーツの採用などにより、音にこだわりたい人にもご満足いただける上位機」(商品企画担当の村上塁氏)と位置づける。
型番 | DMP-UB900 | DMP-UB90 |
---|---|---|
UHD BD/HDR | ○ | ○ |
クロマ処理 | 4Kリアルクロマ プロセッサplus | 4Kリアルクロマ プロセッサ |
大容量電源 | ○ | - |
高音質パーツ | ○ | - |
HDMI出力 | 2 | 2 |
出力端子 | 7.1ch 2ch 光デジタル音声 同軸デジタル音声 | 光デジタル音声 |
発売日 | 6月24日 | 7月22日 |
実売価格 | 13万円 | 7万円 |
UHD BDに収められた4K(色信号4:2:0)信号を、独自の高精度マルチタップ処理により、4K(4:4:4)に補間することで、鮮度が高く、自然な質感と立体感ある映像を実現できるという。VIERA「DX950シリーズ」などの4K/60p/4:4:4信号対応テレビと、18Gbps対応ケーブルで接続した際に、豊かなHDR映像を楽しめる。
4K映像の精細感を高める「4K超解像」や、輝度信号と色信号の両方に対し、輪郭とテクスチャを補正し、圧縮/伝送で失われた成分を再現する「W超解像」などの高画質化技術を搭載。
さらに、DMP-UB900では「4Kダイレクトクロマアップコンバートplus」を搭載。HD信号からダイレクトに4K信号にアップコンバートすることで、色信号処理の精度を高め、色の輪郭をより正確に再現できるという。Netflixなどの4Kインターネット動画再生時でも、鮮度の高い映像が楽しめるという。
36bit階調のマスターグレードビデオコーディング(MGVC)ディスクの再生にも対応。BD/DVDやUHD BDの映像/音声情報やHDMI出力情報、ビットレート、HDR出力確認などが行なえる「再生情報表示」機能や、字幕の輝度・位置調整機能も備えている。
HDMI出力は2系統備えており、一方をAVアンプに、もう一方を4Kテレビやプロジェクタに出力可能。映像/音声信号を分離することで干渉を最低限に抑えることができる。
HDMI以外の出力端子は光デジタル音声×1、同軸デジタル音声×1、アナログ音声出力×1、7.1chアナログ音声出力×1。SDメモリーカードスロットやUSB×1を装備し、SD/USBメモリに記録した4K動画(MP4形式、最大4K/30p)の再生や、写真の4K出力に対応する。
高音質にこだわる日本仕様。DSD対応のネットワークプレーヤーに
高音質設計もDMP-UB900の特徴。欧州で同型番の製品を発売済みだが、日本発売において、電源の100V対応にあわせて、UHD BD再生対応のBDレコーダ「DMR-UBZ1」と同等の高音質パーツや大容量電源を搭載するなど、さらに音質を重視した設計を行なったという。
DMR-UBZ1で採用した高性能スイッチング電源回路をチューニングして搭載。動作余裕度の高い設計を行なうことで、引き締まった低音と、高S/Nかつワイドレンジ化を実現。192kHz/32bit対応のDACを5基搭載し、アナログ7.1ch出力に対応するほか、大容量の電源用平滑コンデンサー、非磁性炭素皮膜抵抗、高品質アクロス・ザ・ラインコンデンサーを新採用。音の表現力を追求したという。
また、高音質コンデンサー、OFC電源トランス、高耐圧ショットキーバリヤダイオード、コモンモードフィルタ、大容量スイッチングMOSFETなども採用。DMR-UBZ1に付属していたUSBパワーコンディショナーに使用していたマイカコンデンサを、DMR-UB900では本体に内蔵している。
EthernetとIEEE 802.11ac対応の無線LANを装備。ハイレゾ対応のネットワークオーディオプレーヤーとしても利用できる。NASやUSBメモリ内の楽曲再生に対応し、対応ファイル形式は5.6MHzまでのDSDと、Apple Lossless(ALAC)、WAV、FLAC、MP3、AAC、WMA。
光/同軸デジタル出力は192kHz/24bit対応。また、音楽再生時に、映像関連回路を停止して、ノイズ発生を抑える「ハイクラリティサウンド4」を搭載。また、圧縮音源の欠落した高域成分を復元する「リ.マスター」や、真空管のような温かみを加える「真空管サウンド」は、4倍アップサンプリングと32bit処理により音質を向上。リマスター[弱]モードも備えている。
消費電力は約22W。待機時消費電力はクイックスタート「切」時で約0.02W、クイックスタート「入」時で約7W。外形寸法は435×199×68mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約2.4kg。バックライト付きのリモコンが付属する。
フォックス、ワーナーと共同でUHD BD立ち上げ
DMP-UB900/UB90の発売に歩みを合わせるように、6月8日には20世紀フォックスが、6月22日にはワーナーがUHD BDタイトルを発売する。UHD BDの規格上は2K/HDRディスクも許容されているが、フォックスとワーナーのUHD BDは、全て4K/HDRタイトルとする方針で、UHD Allianceが定める品質基準ロゴ「ULTRA HD PREMIUM」を取得する。
パッケージにおいても、ULTRA HD PREMIUMロゴや両社共通デザインの「HDR」ロゴを配置し、4K/HDRをアピールする。
店舗での展開や販促キャンペーンにおいても、パナソニック、20世紀フォックス、ワーナーの3社が協力。店舗の棚も共通のものを使い、販促物も共同制作する。20世紀フォックス ホームエンターテイメント ジャパン マーケティング本部カタログ課長の神田一良氏は、「BDの立ち上げ時は、各社がバラバラに取り組んでいたが、UHD BDではパナソニックのプレーヤーが唯一ということもあり、共同で集中して立ち上げられる。画期的な取り組み」と紹介。
店舗においては、4K ULTRA HD「Flagship Store」と題し、ヨドバシAkibaや、ヤマダ電機池袋総本店など20店舗でコーナーを構築。4K+HDR対応のテレビと組み合わせたUHD BDのデモコーナーを共同で運営し、UHD BDの魅力をアピール。年内に30店舗まで拡大する方針という。また、家電量販店200店舗に、共同の紙製什器を導入、ECサイトでも4K ULTRA HD特集を展開する。
また、フォックスの神田氏は、「詳細は明かせない」としながらも年内発売予定のタイトルをスライドで紹介。「オデッセイ」や「レヴェナント」、「デッドプール」、「アルゴ」、マッドマックスの旧作などの投入を示唆した。
共同キャンペーンの目玉は、パナソニック製品購入者向けに、フォックスとワーナーのUHD BD作品をそれぞれ1本づつプレゼント。応募期間は10月13日までで、応募はCLUB Panasonicから行なう。
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