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視線追跡型HMD「FOVE 0」発送開始。「人々と仮想世界のつきあい方に気がついた」

 FOVEは、ユーザーの視線を追跡できる開発者用VRヘッドセット「FOVE 0」数千個の発送を1月初旬から全世界に向けて開始した。昨年の11月から599ドルで先行予約を開始していた。共同創業者兼CEOの小島由香氏は、「我々はついに人々と仮想世界のつきあい方に気がついた。」とコメントしている。

ユーザーの視線を追跡できる開発者用VRヘッドセット「FOVE 0」

 カラーはホワイトとブラックだが、ブラックモデルは限定版で1月末までの販売となる。

 装着したユーザーの視線を追跡することで、見ているオブジェクトに高い精度でフォーカスでき、自然で没入感のある仮想世界やキャラクターとの相互コミュニケーションが行なえるのが特徴。2,560×1,440ドットの有機ELディスプレイを内蔵しており、視野角は90~100度。アイトラッキングセンサーに加え、オリエンテーショントラッキング、ポジショントラッキングセンサーも搭載する。

 ユーザーの見ている部分のみピントを合わせ、見ていない部分は自然にぼかすことで、奥行き感のある自然なイメージを作り出し、視線追跡技術により頭部の不自然な動きを抑え、VR酔いを低減するという。

 発送開始は、米ラスベガスで1月5日~8日(現地時間)に開催されている「CES 2017」に合わせて発表されたもので、新たなVRコンテンツも同時に発表。「LUMEN」というもので、視線の動きと木々の成長がリンク。見ることで木が育ち、花が咲き、色が変わっていく。Framestoreスタジオが手掛け、TimeのLIFE VRプラットホームを使っている。

LUMEN

 FOVE 0の活用事例として、地理的追跡、データ解析、VR体験時のユーザーの行動分析ツールを提供しているcognitiveVRが、VR分析技術における視線追跡機能を発表。ユーザーの眼球運動を分析するもので、例えば、仮想空間に用意された販売店で、どこに陳列された商品を見ていたかといった情報がわかり、「企業に対してVR空間における販売分析の可能性や、不動産選定に関する洞察を与える」という。

仮想空間に用意された販売店で、どこに陳列された商品を見ていたかといった情報を分析