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JDI、“落としても割れにくく、曲げられる”プラスチック基板の5.5型フルHD液晶
2017年1月25日 13:02
ジャパンディスプレイ(JDI)は、プラスチック基板を採用し、落としても割れにくい5.5型のフルHD液晶ディスプレイ「FULL ACTIVE FLEX」を開発した。2018年の量産開始を目指す。
FULL ACTIVE FLEXは、TFTを形成する基板を従来のガラスに変えてプラスチックとすることで、超薄型化を実現するとともに、落下時の耐衝撃性を向上。さらに、プラスチックの採用により、液晶ながら曲面形状を実現可能となり、顧客のニーズに応じてデザインの自由度を大幅に拡大できるという。
開発したディスプレイは5.5型で画素数は1,080×1,920ドット、精細度は401ppi。液晶モードは光配向IPS(NEO-IPS)、輝度は500cd/m2、コントラスト比は1,500:1。JDIが開発した低周波駆動技術を盛り込むことで、通常の60Hz駆動だけでなく、15Hzの低周波駆動にも対応し、消費電力を低減できる。
これまでフィルム基板のフレキシブルディスプレイは、有機EL(OLED)が中心となっていたが、液晶(LCD)でも可能なことを実証。FULL ACTIVE FLEXを実現するために、パネル技術、基板、TFTのそれぞれを進化させた。
パネル技術については、プラスチックのフィルムとフィルムの間の液晶の均一性を保つ技術や、液晶配向の安定化などの技術を導入。基板については、パートナー企業と協力し、高耐熱かつ、高透過、低複屈折の新材料を開発。TFT技術においては低温でフィルム基板上にTFT形成する「LTOS」を採用した。これらの技術を集約し、FULL ACTIVE FLEXを実現可能になったという。
また、OLEDでも5.5型フルHD液晶、精細度401ppiのフィルム基板ディスプレイ(FULL ACTIVE FLEX)を実現。液晶とOLEDの比較においては、解像度や狭額縁、信頼性については液晶に優位性があり、フレキシブルと厚さについてはOLEDのほうが優位としているが、「顧客の選択」により、JDIとして双方に対応可能であることをアピールした。なお、FULL ACTIVE FLEXは従来の同サイズ液晶よりは高価となるが、工場投資規模は、有機ELの1/10程度で収まるという。
JDIでは、FULL ACTIVE FLEXを新たなプラットフォーム技術の一つと位置づけ、スマートフォンだけでなく、ノートPCや車載製品などへの展開を検討していく。