ニュース

U-NEXTが、USENを吸収合併へ。映像/音楽配信と通信事業を強化

 U-NEXTは13日、同社子会社によるUSEN株式の公開買付けを実施し、経営統合を行なうことで基本合意したと発表した。U-NEXTを存続会社とし、かつて同事業を分離したUSENが、吸収される形となる。経営統合の期日は12月1日を予定しており、統合後の会社の名称や代表者などは、今後両社で協議の上、決定する。

 映画やドラマなどの映像配信を中心としたコンテンツプラットフォーム事業(CP事業)や光/モバイル回線によるインターネット接続サービスを中心としたコミュニケーションネットワーク事業(CN事業)を展開しているU-NEXTは、'07年にUSENによる映像配信サービスとしてスタートしたU-NEXT事業(旧GyaO NEXT)と個人向け光回線販売代理事業を、当時USEN社長だった宇野康秀氏(現USEN会長、U-NEXT社長)が引き取る形で、'10年にUSENから分離独立した会社。

 現在、U-NEXTのCP事業においては、外資系の映像配信サービスを含む他社との競争が激化し、MVNOサービス「U-mobile」などのCN事業も、大手企業の参入などで、厳しい競争環境にあることなどが課題となっている。

 U-NEXTとUSENの経営統合により持株会社体制を実現することで、USENの持つ法人/個人向けの音楽配信事業と、U-NEXTの個人向けCP事業、法人/個人向けのCN事業が同一の企業集団内で行なわれることになる。

 これにより、CP事業においては、サービスの付加価値として、USENの持つ音楽放送の機能を加えることで、インターネット上での総合的なエンタテイメントサービスとして事業の拡張を目指す。また、CN事業においては、法人向けの光インターネット回線の販売において、同一の営業組織の中でノウハウを共有しながら拡販することで効果的な販売活動が可能になるとしている。合わせて、現在の両者間での取引コスト軽減や、事業管理体制の一本化などによる効率化を図る。

 株式公開買付けは、U-NEXTの連結子会社であるU-NEXT SPC1がUSENに対して行なう形で、2月14日より開始。6月中旬の取締役会で吸収合併などに関する決議を行ない、吸収合併は12月1日を予定している。